で話させて頂きます。
(1)聴力障害と補聴器の装用そして適合への努力。
私の聴力障害は中途失聴〔左〕と突発性難聴〔右〕と言うことになりましょう。何故左が中途失聴で右が突発性難聴かと申しますと、昭和26年4月前日まで全く異常がなかった左耳が、朝目覚めると何の音も聞こえないのです。かすかな耳鳴りはするが音は聞こえません。前駆症状は何もない、痛くも痒くもない、聞こえないという不自然はあるが特別不便は無い。そんな状態で耳鼻科医院を訪ねると「耳管狭窄」との診断で通気治療を受けたが、全く改善も回復もありませんので2年程通院して放ってしまいました。
そして、昭和52年今度は右耳の変調です。診断の結果は「突発性難聴」と告げられて入退院を繰り返した昭和58年、症状固定ということで外来診療も離れ、障害認定を受け、補聴器の装用使用を始めて現在に至っています。その時測定した聴力は、右75db(現在は85)左は135db(測定不能)です。そして現在までに4個の補聴器を購入使用してきました。また、イヤーモールドの耳栓2個を作りましたが、日時経過とともに耳穴が拡大しハウリングがひどくなり廃棄しました。各機種で長短があり、時と場所、周囲状況に応じて現在3個を使い分ける様にしています。
(2)情報機器(ループ、FAX、ワープロ、パソコン等)の活用。
まずループですが、磁気ループこれを始めて聞いた時、これは大したものだと感嘆し以後講演等では補聴器のTスイッチを入れっぱなしで使用しておりましたが、終わった後で通常に戻すと全く違った音質で聞こえ聴覚の違和感を覚えたのでループでの聴講はやめました。だからタイループやテレビ視聴用のループも使いません。それと話者の変わった場合の切替えが面倒で私自身あまり好みません。次にFAXですが、8年前に設置し、設置1年後にFネットに加入して存分に活用しています。Fネットでは同報通信を活用してグループ区分を三つ程分け、それぞれに応じた内容に区分送信が可能な様にしています。兵庫県で全国難聴福祉大会を主管全国の地方協会を短縮登録して活用しました。今では子供二人の家庭でもFAXを入れているので孫との交信もやっています。郵便料金に比べ定額であり、リアルタイム送受信可能で実に効果的通信手段ですが、相手の機種とセッティング方法によって送信方法を選択配慮しなければならない難点がありますが自動受信の為、今専用の回線を引いています。
ワープロはFAXと同時に設置しました。設置した目的は当時兵庫県難聴福祉協会の機関誌の編集発行を担当していましたので、必要に迫られた理由にもよりますが、これをやると確かに面白いですね、技術習得には一度も説明会や講習会に出たことはありません。皆機械に付いている説明書を読んで独学で習得したもので、書式で色々な考えが浮かぶと説明書を引き出して研究して実行しました。まだワープロの全機能をマスターしていませんので研究すべきテクニックが沢山ありますが、手指の使い方「ブラインドタッチ」これだけはマスター出来ません。全国大会の時にはパソコン機能に匹敵するようなデータを手間と時間をかけ酷使してつくりました。
パソコンもプロセッサーの段階で満足するならばワープロで結構だし、通信の領域間で進めるならば、ブラインドタッチの技術をマスターしないと効果は薄いと判断してこの導入は断念しています。
(3)地域での交流・その手段と状況
このことは相手が「健聴者」の場合と「難聴者」の場合に分けて話すべきかと思います。何故なら、ここ8年間は一般の「健聴者」との交流は、隣近所のお付き合い、親類縁者の冠婚葬祭ぐらいなもので、講演会やフォーラム、祝賀会やそれ等に類する催しに参加することは殆どなく、ひたすら難聴者組織の方に目も心も向けた8年問で、同障者間の交流について述べると際限のないことですので唯一だけ「健聴者」との交流について話します。それは姫路商業学校(旧制)の同期生7人が毎月一回集まって会食歓談する三水会という会合に参加しています。