なくちゃいけない。ついで、◎マンパワーを育てていかなくちゃならない。例えば、言語療法士の身分制度がいまだにできていないなんて、おかしな話です。これは絶対皆さんの消費者の運動に頼る以外に手はありません。それから◎地域の在宅ケアの中で障害を持った人達を支えていく拠点をしっかり整備していかなくてはいけません。
今日は時間の関係で、その中で極一部の事をお話申しあげたいと思います。
先ず、障害を持った人達の自立とは何であるか。あくまで私自身が関係した事ですので、整形外科の医者として、肢体障害者の事だけですので、御了承頂きたいと思うのですが、昔は日常生活が自立していないと、自立していないということをお話したことがあります。あるいは、職業的に税金を払って一人前じゃないかと話したことがありますが、これはとんでもない間違いです。というのは、生まれつき非常に重度で、重複な障害を持って生まれてまいりますと、日常生活動作の自立は初めから可能性がありません。しかし、一人の人間には変わりない。重度障害を持ちながら素晴らしい生き方をしている人を何人かご紹介いたしたいと思います。
4.障害者の自立生活運動から学こと。
彼女は脳性麻癖でありまして、足の指先に筆を持っております。日常生活は手が後ろにありますように、食事から入浴、移動のほとんどが介助を要しますが、彼女はプロの画家であります。
この谷川前名人と将棋を打っている彼は、将棋のプロです。しかし彼は手の変形でおわかりいただけますように、脳性小児麻庫で入浴には介助が必要です。
しかし、こんな介助が必要としても、自立生活に向けて自分で自分の人生を決めていくということ、自己決定権というものを、非常に大事そして実行されているのです。藤田さんは脳卒中で、65歳の時に倒れられました。私共の病院に3か月程入院して、一生懸命訓練して、左一本杖で歩けるようになりました。それで、退院される時「人生どないうしようか」という話になりました。私が「藤田さん、何が得意ですか」と話をしたら、「彫刻をやりたいんだ」という答えがかえってきました。「しかしあなたは右の手が利き手であるけれども、右手が麻庫して利かないねえ」それに、言葉もしゃべれないのでどうしようかという話でしたが、「一回左手でやってみる、やってみたい」「それじゃあ、やってみるか」となりまして、弘法太師の像を彫ろうと決定されました。そして3年して、「先生、できたから一回見に来てくれ」と言うので、行きましたら、こんな人間より大きい像を彫っておられるのですね。左手に電気ノミを持ちまして、大変素晴らしいなと思いました。「お陰様で。先生、私の人生のこの3年間よかった。3年生き延びたから、先生、もう一回私に人生くれんやろうか」って話がでた。当時私共の病院が新築することになりましたので、「藤田さん、3年後までにともに生きる像を作ってくれないだろうか。障害を持った人達と健常者が一緒になって歩く姿を彫ってくれんかなあ」と話しましたら、「よおし、引き受けた」と言って、藤田さんはカナダからこの木を買って来られました。立っていることがやっとでありますために椅子に座って仕事しないといけないんですが、その椅子が上がり下がりしないといけませんから、油圧ののリフト式のチェアーを作りまして、そこからスタートしました。そして3年いたしまして、こういう像を私共の病院の新築開院祝いに持って来てくれました。この見事な像は私共の病院の玄関にございます。もしチャンスがあったら、一回御覧に来て下さい。
身体の不自由な人達は気の毒やというのが一般的な見方かもしれませんが、「ほっといてくれ、俺らにとっても人間生きる権利があるんや。人間は労働つまり世間の発展に役に立って初めて人間といえる。脳卒中で片側麻痒となり、ただ息をしているだけでは動物以下だ」。これは兵庫県脳卒中友の会850人の人が参加しておりますがその友の会の会長さんの言葉です。
彼女は、川西の方なんですけれども、ここの胸髄の5番目の所に、悪性の腫瘍ができまして、手術したんですが、残念ながら、首から下が全部麻