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国で六百万人の難聴者がいると言われていますけれども、全難聴はわずか五千人で、これも千分の1です。外国でも難聴者の社会参加の率はそれくらいの前後をうろうろしているわけですから、急に飛躍的に変えることは難しい。わずか千分の1の人が千倍の人のために支援活動をやるのは不可能です。それで、公的な財源をもってきて公的に法治的に活動出来る情報提供施設と、難聴者協会が一緒になって難聴者にネットしていく、という形が、私は必要ではないかと思います。
 今度の場合に、必要な情報を必要な難聴者に届ける、という点では全く不十分だったと思います。先程、淡路で生活情報が役に立ったとおっしゃっていましたけれども、「どこでお風呂があります」という情報が送られてきたときに、それはそのお風呂に行けるところの人に届かなければ意味がないわけです。ところが今回の場合には、そういう情報が全部一つの避難所に集まっていたために、情報の整理が出来ていないために、必要な人には届かなかったのではないか、というふうに思っています。それから、補聴器を届けましたけれども、耳に合っている補聴器が届けられなかった。調整する人にも人材的に限界があったわけですけれども、こういう点でも、補聴器の検査のデータベースを情報提供施設で管理されていれば、調整した補聴器が届けられたと思います。
 問題は、難聴者はそこまで知られたくない、というプライバシーの問題がありますけれども、それは、難聴者に役に立つ施設というものを作りあげれば解決すると思うのです。だから、難聴の、今活動している千分の1の人が、積極的に情報提供施設の導営に関わり、現在法律で決められているような情報提供施設ではなしに、難聴者に本当に役に立つ施設にする。そしてそこへ、あらゆる聴覚障害者に関する情報をデータベースとして作っていく、ということにすればかなり効果的な支援活動が出来ただろう、と思うわけです。色々と問題がありますけれども、私としては各府県に難聴者に役に立つ情報提供施設を作りたい、ということを提案したいのです。
西脇/有難うございました。
 確かに情報は量も必要でしょうけれども、同時に役に立つ情報でなければいけない。役に立たない情報はいくらあっても仕方ないですものね。会場の皆さん方とステージの皆さんとで、出来れば意見のキャッチボールをしたいと思っていましたが、時間が切迫してまいりまして、割愛させて頂きたいと思います。今の8人の方のお話をお聞きしておりまして、私なりに考えたのですけれど、要約するのは難しいです。けれども極々しぼりこんで、骨子のようなものを拾いますと、例えば私は、発信と共有というキーワードが出来るのではないか、と思います。つまり一つは、障害者が自分の障害についての情報を他人に知ってもらう。「私はこんな障害を持っているんですよ。私にはこういう不便があるんです。困っています。だから、そういうところの援助をして下さい。何か対策をたてて下さい」ということを求めることですね。それを隣の人とか地域の人、そして行政の人、そういうところへどんどん発信をしていく。つまり、情報を自分だけで留めずに、自分のためになる情報をどんどん発信をしていく。そのことによって、対策も進む、理解も進んでいく、ということではないかと思います。それはブライヴァシーに関わることですから、非常に難しいところもあると思います。色々ご意見もあろうかと思います。けれども最低プライヴァシーというのは、自分の身を守るため、緊急の時に自分の命を守るために役立てたいと思います。ですから使い方は難しいと思います。けれども皆さんが工夫なさって、是非情報を発信し、自分の体を、命を守るために使いたい、というふうに思います。
 二つ目の共有ですけれども、これは何度も皆さんおっしゃっていますけれども、同じ障害を持つ人が連携するというか、手を組むと言いましょうか。障害者だけじゃなくて、勿論、障害者、難聴者だけじゃなくて、もっともっと沢山の、視覚障害の人も肢体障害の人も、一緒になって、同じ不自由を持っている者同士が手をつないでいく。そして情報を共有していく。ただそれに留まらずに、日頃一緒に活動しているボランティア、今日でし

 

 

 

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