(2)高齢者への福祉サービスと障害者への福祉サービスの谷間に残されている高齢者が居ること。したがって福祉サービスを受けるための申請手続きに時問がかかり緊急の対応に間にあわないケースが意外に多かったことが印象的でした。
(3)この度の震災の場合、様々な対策情報等が公的な施設に収容された人にはまがりなりにも情報が行き届いたが、在宅の被災者には殆ど伝達されず、取り残されている現状があったということです。これはやはりマスメデイアを含めて字幕情報への拡充や伝達方法の研究がもっと改善される必要を感じました。
西脇/有難うございました。
今、お話になった情報の隔たりですね。この隔たりは、もう一つおっしゃいましたけれども、聴覚障害者と高齢者の福祉の谷間にいる人が取り残されたという事ですね、やっぱり大きな災害時には、どうしてもこういう人達が取り残されがちになりますね。
本当の福祉というのはそういう人までも含めて、日頃から目を開いて行くといいますか見守っていくといいますか、そういう事が大事だと思いました。有難うございました。
それでは体験発表を4人の方にして戴きました。お聞きになっていかがでしたでしょうか。こちらの4人の方に順次お話をして戴こうと思います。時間も切迫して参りました。それぞれの方のご紹介は資料集にも書いてございますので、ごく簡単にご紹介をして参りたいと思います。
最初にお話戴くのは岸田隆之さんです。岸田さんは先程からもお話に出ておりましたが難聴者は日頃、夜休む時に補聴器を外してお休みになる、あの激しい地震で慌てて飛び起きて補聴器が何処へ行ったのか分からなくなった方がたくさん有ったそうですね、そういう方の為に岸田さんは活動されたという風に伺っておりますそれでは宜しくお願いいたします。
岸田/今日は。
時間もございませんので、早速本題のほうに入らせて戴きたいと思います。この貴重な時間をいただいての私の発表ですが、私が全難聴の現地対策本部とそれから兵庫県の巡回リハビリチームという両方に僅かなんですが参加させて戴きまして、その報告とその中での印象と言いますか、感じた事とか問題点を少し述べさせて戴きたいと思います。
まず、全難聴の現地対策本部では、先ほど宝塚の萱原さんからのご発表にも有りましたように、震災後様々な多くの支援活動が行われた訳です。その中で実際に避難所を巡回して相談や要請、それから調査などが行われました。そういった中から避難所や在宅の方の所へ直接出向きまして補聴器の提供とか調整を行うという活動がされました。私もそこに何度か参加させて戴いたという事です。
但しここで大変な努力をされましたのは、各交通機関が寸断された中、避難所を巡回された難聴者協会の皆様と要約筆記の皆様で、本当にこれは大変な事だったと思います改めて敬服する次第です。
また一方、兵庫県の巡回リハビリチームの方は、神戸大学の水野教授を代表にして、明日ここでお話をされる、兵庫県立総合リハビリテーションセンター長の澤村先生を顧問として医師とか理学療法士、先ほど萱原さんからも出てきましたけれども、お医者さんですね。それからPT.OT.それからST。ST.というのは言語療法士ですけれども、これらから編成されたチームです。ST.については、当初対象にしておりました言語障害者、これを主に考えていた訳ですけれども、難聴者への補聴器の提供とか調整が多く、より効率的