日本財団 図書館


12)海岸植生

 河口付近は海岸との接点にあり、植生の面からも海岸植物による断片的な群落がみられる。砂浜に接する部分では、ハマボウフウクラスの群落、例えば、関東地方以南では、コウボウムギの優占するハマグルマーコウボウムギ群集が生育している。これらは、海波を直接受ける河口部にみられる。
 これに対し、河口の泥地の多年草群落として、ナカミノオニシバ群集、フクド群集、ハマサジ群集、シバナ群集が生育している。これらは、ウラギククラスにまとめられる。さらに、不安定な泥地ちは1年生の群落のアッケシソウ群集やシチメンソウ群集があり、アッケシソウクラスにまとめられている。これらの群落は、河口付近が内湾で遠浅の干潟などをもつ河川に限られる。

ハマポウフウクラス(海岸草原)

ハマボウフウオーダー
 コウボウムギ群団
 ハマグルマーコウボウムギ群集(標徴種:ハマグルマ、コウボウムギ分布:関東以西)
 ハマニンニクーコウボウムギ群集(標徴種:ハマニンニク、コウボウムギ分布:北海道〜束北)

ウラギククラス(塩性湿地草原)

ナガミノオニシバオーダー
 ナガミノオニシバ群団
 ナガミノオニシバ群集(標徴種:ナガミノオニシバ分布:関東〜九州)
 フクド群集(標徴種:フクド分布:近畿以西)
 ハマサジ群集(標徴種:ハマサジ分布:中部以西)
 シバナ群集(標徴種:シバナ分布:近畿以西)

アッケシソウクラス(塩性湿地1年生草本植物群落)

アッケシソウオーダー
 アッケシソウ群団
 アッケシソウ群集(標徴種:アッケシソウ分布:北海道)
 シチメンソウ群集(標徴種:シチメンソウ、ヒロハマツナ分布:近畿〜九州)

13)高水敷および堤防上の低木群落と二次草原

 河川の中下流部の高水敷や堤防は、常に刈り取りや火入れなどの管理が行われる。高水敷は平担化によって、各種の施設に利用されている。これらは河川によっては、区域の中で広い面積を占め

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION