
表的である。ヨシ群落は湿潤環境には耐えられるが、乾燥が続くと生活力は低下する。しかし、ヨシは河[1付近の塩沼地にも生育することができる。 サンカクイ-コガマ群集の優占種はコガマ、ガマ、サンカクイであり、しばしば河川敷の小凹地の泥土上に生育する。ウキヤガラ-マコモ群集はある一定の水位を保つ水辺に生育し、一般にマコモの優占する場合が多く、所によってウキヤガラ、フトイ、ヒメガマ、ミクリ、ショウブなどが混生する。これらは利根川下流部の池沼など、流域の広い低湿地に広く生育している。 河口部の感潮域には耐塩性の多年生草本植物による塩沼植生がみられる。ヒメガマ、アイアシ、シオクグ、コウキヤガラなどは海水の影響のある泥土に生育する植物群で、塩分の含量と立地の安定度にしたがって微妙にすみわけを行っている。 スゲ類では、低地ではカサスゲ、アゼスゲなど、山地ではオオガサスゲ・オニナルコスゲ・オタルスゲなど、北部ではヤラメスゲ、ムジナスゲなどが主要な種である。 カサスゲ群集は主に河川下流域に分布し、停滞水がみられる富栄養化した立地にカサスゲが優占種としてみられる。チゴザサーアゼスゲ群集はアゼスゲが優占し、多数の湿地植物で構成され、やや貧栄養水域で常に停滞する立地に見い出される。オオガサスゲ群集は山地帯の主要な群落である。その他ヤラメスゲ群集とムジナスゲ群集は主に北海道を中心に、北方に分布する。これらは水際の生態系の安定に寄与する重要な群落である。 以上の群落のほか、アシカキ、キシュウスズメノヒエ、ハイキビなどの、比較的小型で葡創性の生活型をもつ植物が河川の中州などに形成された小池沼の周辺などに優占する。停滞水域の植物群落は多様であるが、これらの群落は体系上すべてヨシクラスにまとめられる。
ヨシクラス(低層湿原)
ヨシオーダー ヨシ群団 サンカクイーコガマ群集(標徴種:サンカクイ、コガマ分布:北海道〜九州) ウキヤガラーマコモ群集(標徴種:ウキヤガラ、マコモ、ミクリ、フトイ分布:北海道〜九州)(図4) イセウキヤガラ群集(標微種:イセウキヤガラ分布:中部〜九州) コウキヤガラ群集(標徴種:コウキヤガラ分布:全国) シオクグ群集(標徴種:シオクグ分布:全国) アイアシ群集(標徴種にだアイアシ分布:北海道〜九州) ヒトモトススキ群集(標徴種:ヒトモトススキ分布:関東〜沖縄)
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