のロシアには・民主主義、福祉と環境に配慮した市場経済、法治国家に向けて国を指導する力強い大統領と政治指導部が欠けている。
ドイツのロシアに対する関心について、ドイツは政治的・経済的観点からロシアに関心を抱いている。ドイツ再統一をもたらした冷戦の終結は、ドイツからみればロシアが短期間に民主主義体制、法治国家、市場経済へと変身する願望を含むものである。民主ロシアを欧州連合に組み入れることは双方にとって有益であり、長期的な豊かさと安全を確実にすると認識する。
ドイツのロシアに対する外交面での関心は以下のとおりに整理することができる。
- 対ロシア財政援助の約束の実行。
- 政治・経済改革が民主主義と市場経済の方向へ前進すること。
- NATOの東方拡大により、安全保障上、ロシアとの関係が構築されること。
- ロシアの民需転換が進むこと、
- 欧州経済圏との関係が緊密化すること。
- ロシアのドイツ人問題の解決。ドイツ人が少数民族として差別されないこと。
- 多国間レベル(G7,OSCE,OECD)への民主ロシアの参加を支援。
また、ドイツのロシアに対する経済面での関心は以下のとおりである。
- ロシア経済の改革に伴う危機の克服。
- ロシア市場のドイツ経済のための一層の開放。
- ロシアの投資阻害要因(税制、銀行制度、法適用の不安定、官僚主義、買収、マフィア等)の除去。
- ロシアからのエネルギー供給(ガスおよび石油)の確保。
- ドイツはロシアにとって最大の貿易パートナー、
- 対ロシア投資に対する外国企業のためらいの克服。
ロシアは全体主義から民主主義へ、統制経済から市場経済への移行において、前進と後退を経験している直中にある、しかし、新ロシア憲法は民主的な権力均衡への視点を含んでおり、将来的には権力分散へと改正される可能性を持っている。経済改革では、ささやかではあるが成果がみられる。部分的には初期資本主義体制が社会の主流となり、他方では社会的市場経済への萌芽とも考えられる。
ロシアには現在、力強く改革を目指す政治指導部が欠けている。軍人や公務員、国営企