(2)各種廃棄物の焼却 現在の舶用焼却装置は、主として、断続的運転かつ廃棄物の手動投入用に設計され、大気汚染対策まで考慮されていないものが多いようです。
したがって大気汚染規制を定めた港あるいは海域があることに十分注意しなければなりません。また、規制の有無にかかわらず、できるだけ海岸から離れて焼却するなどの配慮が必要です。
- 1.
- 廃棄物の焼却方法
プラスチック類の焼却には、多くの空気と高い温度が必要です。不完全燃焼のときは、下記のような問題が生じます。- イ.
- 排気中に気化した塩酸と青酸等を含んだ有毒ガス又は危険な中間生成物を生じることがある。
- ロ.
- ある種のプラスチック(たとえば、PVCをべースにしたプラスチック)の燃焼から出る灰は、重金属または有毒な残留物を含んでいることがある。
- ハ.
- 一般にプラスチック類の燃焼中に発生する温度は、相当高くなる。
- 二.
- プラスチック類の焼却には、平均的な都市ごみより3〜10倍の燃焼用空気が必要である。
IV 流出油の防除
1 流出油の防除義務
海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律によると、船舶の衝突、乗揚げ、あるいは油取扱いの不注意などで、大量の特定油を海上に流した場合には、事故を起こした船舶の船長、船主や施設の管理者、油を流した人などは特定油の拡散防止、継続する流出の防止、除去という防除措置をとるよう義務づけられており、具体的な防除措置の内容は次のとおりです。- (1)
- オイルフェンスの展張等による拡散の防止
- (2)
- 損壊箇所の修理等引き続く油の流出の防止
- (3)
- 他のタンク等への残油の移送