しているタンカーが存在するということも考えられる。
この廃油ボールによる汚染防止については、タンカーにおける油性混合物の適正な処理と、外国船舶も含めた関係者の遵法精神の高揚による違法排出の防止が強く望まれるところである。(3)海上漂流物の実態
最近、全世界的な地球環境問題の一つとして、海洋におけるビニール、発泡スチロール等の海上漂流物による航行船舶、海洋生物への被害等の海洋汚染の問題が指摘されているが、海上保安庁ではこれらの海上漂流物の実態を把握し適切な対応を行うため、平成3年1月から定期的に目視による調査を実施している。
平成6年の調査結果によると、全体の約70%を発泡スチロール、ビニール類等の石油化学製品が占めており、前年に比べて確認した漂流物は減少している。
これらは、陸上で捨てられたものが海上に流出したもの、海上において捨てられたもの等が考えられるが、汚れのない海にするために、人々のモラルや遵法精神の高揚に努め廃棄物の適正処理について指導を強化してゆく必要がある。