
また、船舶の海難等によるものは、全体の海洋汚染発生確認件数の中に占める比率はそれ程高くはないが、平成元年3月のアメリカ・アラスカ州におけるエクソン・バルディーズ号の座礁・原油流出事故や平成5年1月のシェットランド諸島におけるブレア号の座礁・原油流出事故等にみられるように、一旦事故が発生すれば、汚染の規模が大きく、海洋環境に与える影響が極めて深刻なものとなるので、これらを防止するため船舶、陸上施設にかかわらず日常の整備点検の励行、航行安全対策の推進等が必要となってくる。 ここで、油による海洋汚染の中で最も多くを占めている取扱不注意による油排出事故はどのような状況で発生し、その不注意の内容としてはどのようなものが多いか、船舶からの油排出事故を中心に述べてみる。 船舶からの油による海洋汚染386件のうち、取扱不注意による油排出事故は119件、約31%を占めており、油排出事故発生時の状況を作業態様別・原因別にとりまとめたのが第1表である。
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