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かく迎え入れられて、お芝居など見せていただきました。

次の日、ブダペスト市内を見学して、夕方、ブダペスト空港で、次は最後の国フランスのパリへ向った。ドゴール空港に着いてバスでホテルへ。

朝から昼までは皆と一緒にバスでパリ市内を見学して、昼から自由行動時、少数のグループに分けました。僕らは、地下鉄に乗って、あちこち歩き回りました。コンコルドの塔や凱旋門やエッフェル塔など見回りました。凱旋門の夜景はとっても綺麗だった。フランスらしい夜景が今でも頭に浮かんでいる。

次の日、ドゴール空港について最後の空気をいっぱい吸ってJAL406便で成田空港へ!!以上。

欧州の地を踏んで

中山紀子

――家の近くにある神社の境内が銀杏の落葉で黄色く染まっている。その黄色い天然の絨毯の日溜まりの中で、晩秋の柔らかな陽射しを浴びていると、プラタナスの枯れ葉が舞っていた、かの晩秋の欧州を思い出す。――

銀杏の葉が黄色く色付き、はらはらと舞い始めた季節の中を、私達は欧州へ旅立った。今回で7回目になる欧州研修は、通常の旅では触れることのできない、訪問先の各国の聴覚障害児者の教育施設、聴覚障害者を雇用している企業等の現場視察、そして現地の聴覚障害者との交流等、実に充実した企画が盛り込まれている。にもかかわらず、初めて訪ねる国もあるだけに、どのようなものになるのか、期待と不安で渦巻いていた旅立ちでもあった。

また、我が社(富士通(株))で試みがなされている障害者の職場定着推進活動や企業内サークルである手話部活動に何等かの形で、欧州研修で得たことを反映させたいという意気込みもあった。

15日間の欧州研修を終えて思ったことは、幾つかあった。

まず、教育関係であるが、各国の聴覚障害児者に対する教育事情は、日本のそれとは、あまり差異が見られないように感じた。しかし、教育施設を出たらすべて終わりという日本の障害児教育に対し、欧州のそれは社会に出てもフォローするという考え方に心暖まるものを感じたのは私だけであろうか。

その違いはどこから生じるのだろうか。キリスト教を信仰する“お国柄”にもよるのだろうか。あるいは、幾度も繰り返されてきた統合・支配・分裂等の歴史のなかで、育まれてきた国民性によるものだろうか。

第二に、就業関係については、レクチャーのみではあったが、聴覚障害者の就労状況は日本より後れているようだ。全体的に手に職を持つというケースが多く、ドイツ・フランクフルトの銀行関係就労やオーストリアの公務員就労状況は、その国の地域性や法律によるものが多いようだ。

一方で、将来に期待を抱かせる材料もある。オーストリアのように、ろう学校・国・企業が一体となって「トレーニングプログラム」を始めた国もあると聞く。日本国内にも同様な機関はあるようだが、オーストリアのように、ろう学校そして行政・国・企業間のコミュニケーションが密であるとまではいい難く、一言でいえば、互いの足並みが乱れているというのが偽らざる実情ではなかろうか。

また、最大の関心の的であった、聴覚障害者を雇用している大手コンピュータ企業「シーメンス」の訪問が、スケジュールの都合で中止になったのは、返す返すも残念であった。

第三に、日本では広く普及している言葉“ハンディキャップ”が欧米等の英語圏では障害者を差別する意味になるという事実である。現地では“disable”という意味が“handicap”にとって替わられていることも知ったが、どのような背景があって、どのような経緯で変遷していったか、さらなる調査を重ねてみたいと思っている。それと同時に、機会があれば、日本の関係者にも問題提起

 

 

 

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