したいとも考えている。
以上に挙げたように、訪問した各国と我が国の聴覚障害児者の教育事情と、そして就労事情を客観的に比較できたことが一番の収穫であった。他にも、海外に出ることなく国内に留まれば、絶対味わえぬであろう貴重な体験もすることができた。それを踏み台にして、今後のライフスタイルを絞りこむことができそうな、そんな明るい予感がした旅であった。
また、日本人であるという想いを強くした旅でもあった。
歴史紀行の面では、それぞれの国の古き良き欧州を十分過ぎるほど味わうことができた。特に耳にしてはいたが、ハンガリー・ブダペストの夜景は言葉では表し尽くせぬほどに素晴らしかった。「欧州の真珠の宝石箱」と言われるだけあって、さすがに美しい。
治安はあまり良くないとのことであるが、現地の方々のご厚意の口ききで、夜のブダペストを見下ろせる小高い丘に特別に案内していただいた。ドナウ河に沿って、ライトアップされた王宮や様々な由緒ある建物のきらめく様など、夜のブダペストの美しさに時間が経つのを忘れ見とれた。そして、何時間でもそこに留まっていたいような衝動にかられた。そんな気持ちはまったく初めてであった。
最後に“感謝編”。
私にこのような欧州研修の機会を与えてくださった財団法人日本船舶振興会並びに世界青少年交流協会の皆様に本当に感謝。
15日間行動を共にしたリーダー・手話通訳・添乗員の方々、そして団員の皆様に心から感謝。
繁忙期にもかかわらず、私の欧州視察を快諾いただいた職場の上司および同僚の皆様に深く感謝。

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