はしがき
この調査は阪神・淡路大震災時における行政相談活動の状況をまとめたものです。
被災者が震災直後に最も必要とするものは的確で迅速な情報であり、困りごとを相談する窓口であります。
被災地における多くのボランティア活動は高く評価されております。その中で各種の相談活動はどの様に展開されたのでしょうか。
被災者の求める情報や相談ごとは国・地方の事務あるいは民事を問わずあらゆる分野に及びました。
このようなさまざまな要望に対応するため、関係する機関が一堂に会して「災害なんでも相談所」などの総合相談所を開設しました。
これには、会場の確保、レイアウト、参加機関への呼びかけ、受付・処理体制など多くの難関がありましたが、行政機能がマヒし混乱している中でこのような総合相談所がいち早く開設されたことは大きく評価されました。
自らも被災者であった行政相談委員の方々も積極的に相談活動に参加し被災者の視点で問題解決に尽力されました。
この調査はそのような体験の記録でもあります。出来るだけ現場での体験談や生の声を収録することに務めました。
災害時における行政相談活動の在り方に少しでもお役に立てることになれば幸いです。
おわりに、この調査研究にご協力いただいた多くの関係者の方々ならびに補助金をいただいた(財)日本船舶振興会(日本財団)に対し謝意を表します。
平成9年3月
社団法人 全国行政相談委員連合協議会 会 長 鎌田 理次郎
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