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このように、すべての地域で医師が充足されている状況ではなく、医療計画により地域的偏在の是正が進められている。

さらには医療の高度化により、医療の現場ではより専門的な知識が求められている。全国的には、まだ病理医も少なく、病理医のいない病院の医師は、遠方の病理医に診断を仰ぐ必要が生じる場合もある。その他の場合でも、医療の高度化により、医師自身が最新の医学的知識を常に入手する必要に迫られている。

また、国民の医療に対する関心も高まっており、医療情報の提供も求められいる。さらに医療サービスの質の向上のために、処方せん等の処理に要する時間の短縮等も求められている。

こうしたことから、情報通信技術を利用した医療の地域間格差の是正や、医療機関相互の連携、及び医師の学習は有効な方法であると考えられている。

医療従事者の中には、医療サービスの高度化や効率化を求めて積極的に電子情報化を進める動きがある。しかし、現行法の下では診療報酬の対象として認められないケースも多い。また、民間の医療機関の中には経済的・人的な理由で電子情報化に十分に取り組めないケースも多い。

医療情報の提供に対するニーズに対しても、ネットワーク化は有効な手段である。

 

(4) 医療をめぐる行政のニーズ

国民医療費は、年々増加する傾向にあり、今後人口の高齢化等によりさらに増加することが懸念されている。

 

 

 

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