?A 情報に対するニーズ
医療に関する情報としては、制度や仕組みに関わる行政情報、医療機関や医療関係者の情報、医学・医術の情報、また患者や家族の情報等がある。こうした情報について、医療は患者が主役であるとする患者の権利擁護の立場から、ニーズが年々高まっている。また、欧米諸国のいわゆる「十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)」に基づいた医療に倣い、わが国でも1987(昭和62)年「国民医療総合対策本部・中間報告」によって、その重要性が指摘された。その後1990(平成2)年には、日本医師会生命倫理懇談会が、インフォームド・コンセントについて定義づけを行っており、翌1991(平成3)年には「患者の権利法をつくる会」においても、そのあり方についてまとめられるなど、年々論議が活発になっている。
健康保健組合連合会の「健康づくりと医療に関する調査」では、診療に対する不満・疑問について、「病状や治療について十分説明してもらえなかった」とする回答が最も多くなっている。