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?A 情報に対するニーズ

医療に関する情報としては、制度や仕組みに関わる行政情報、医療機関や医療関係者の情報、医学・医術の情報、また患者や家族の情報等がある。こうした情報について、医療は患者が主役であるとする患者の権利擁護の立場から、ニーズが年々高まっている。また、欧米諸国のいわゆる「十分な説明と同意(インフォームド・コンセント)」に基づいた医療に倣い、わが国でも1987(昭和62)年「国民医療総合対策本部・中間報告」によって、その重要性が指摘された。その後1990(平成2)年には、日本医師会生命倫理懇談会が、インフォームド・コンセントについて定義づけを行っており、翌1991(平成3)年には「患者の権利法をつくる会」においても、そのあり方についてまとめられるなど、年々論議が活発になっている。

健康保健組合連合会の「健康づくりと医療に関する調査」では、診療に対する不満・疑問について、「病状や治療について十分説明してもらえなかった」とする回答が最も多くなっている。 

 

表2-1-4 診療に対する不満・疑問の内容

  平成6年
(1994)
平成5年
(1993)
平成4年
(1992)
平成3年
(1991)
平成2年
(1990)
昭和62年
(1988)
病状や治療について十分説明してもらえなかった 44.1 42.2 50.4 47.2 34.2 46.9
長時間待たされた 40.5 46.0 * * * *
医師や看護婦の態度が不親切だった 21.6 15.0 23.3 23.9 18.0 16.3
薬が多くて飲みきれなかった 16.7 19.1 23.0 29.1 34.5 21.1
他の医師の診断とくい違いがあった 14.6 10.7 15.0 13.2 16.8 14.4
訴えを十分に聞いてもらえなかった 14.0 14.7 15.8 12.3 15.2 12.9
担当医がその都度代わって不安だった 14.0 9.8 12.9 8.9 12.1 12.9
検査が多くてわずらわしかった 12.2 11.6 15.2 17.8 16.8 16.8
十分な治療が受けられなかった 9.0 11.6 12.1 9.8 9.0 12.5
夜間・休日の診療が受けられなかった 9.0 5.8 8.0 8.0 6.5 15.7
診療費(自己負担)が思ったより高かった 8.6 15.6 10.3 12.9 19.3 11.6
保健で支払われない負担(保健外負担)があって困った 2.7 6.1 2.8 2.8 6.8 11.0
診療費の領収書がもらえなかった 1.8 4.0 3.4 4.3 5.6 6.7
その他 6.5 9.0 7.0 10.4 8.7 6.0
わからない 0.5 - 0.3 0.9 0.6 0.4
該当者数(人) 444 346 387 326 322 465

注:*の項目は、平成5年度より追加。

出典:健康保険組合連合会「健康づくりと医療に関する調査」

 

 

 

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