近年、情報通信技術の革新、進展はめざましいものがあり、その適切な活用により、行政事務処理の効率化、高度化ばかりでなく国民、企業に対する利便の向上、拡大や負担の軽減に大いに役立つ可能性がある。
しかしながら、情報技術を活用して行政サービスの向上を図る場合に、例えば、申請にあたっては書面でなければならない、文書保存は書面で保存しなければならない等既存の制度、慣行がこれらの新しい電子情報化技術に対応できないため、電子情報化の進展、活用を阻害している面が多くみられる。
このような状況を踏まえ、本調査研究では、各分野における電子情報化への制度上の問題点を概観した上で、医療分野と商取引分野に焦点を当て、電子情報化に対するニーズや取り組み状況、技術状況についての現状を調査した。それらを踏まえて、両分野における制度上の問題点を整理し、今後の解決の方向性について検討した。
なお、本調査は、日本財団(財団法人日本船舶振興会)より補助金の交付を受け、「行政情報システムの研究開発等」の一環として実施したものである。
また、本調査の企画立案、とりまとめ等に際しては、学識経験者、行政実務の経験者及び行政情報システム研究所をもって構成する委員会の審議を経て、また委細にわたる調査研究に関しては「株式会社 三和総合研究所」の協力を得たものである。
調査にご協力いただいた関係各位に謝意を表するとともに、本報告書が各行政機関の業務推進の一助となれば幸いである。
平成9年3月
社団法人 行政情報システム研究所