日本財団 図書館


「DV被害をのりこえる−サポーター養成専門講座」〈前期〉参加者アンケート結果
(拡大画面:91KB)
 
アンケート回答数 44
<プログラム>
(1)6/18 DV被害者を取り巻く現状と課題〜公的機関と民間の役割 (近藤恵子さん)
(2)6/18 緊急支援とシェルターの機能 (近藤恵子さん)
(3)6/25 スウェーデンにみるDV被害者への取り組み (矢野恵美さん)
(4)6/25 DVの特質と子どもへの影響〜暴力の連鎖を断ち切る (矢野恵美さん)
(5)7/2 支援の実際〜サポーターの心構え (池田ひかりさん)
(6)7/2 支援の実際〜電話相談と面接相談(ロールプレイ) (池田ひかりさん)
 
1. 講座内容に対する興味や関心
 6講座について、参加者に5段階で評価をしてもらった。結果は下表の通りとなった。
 
1. 全く興味がもてなかった 2. あまり興味がわかなかった 3. まあまあ興味がもてた 4. かなり興味がもてた 5. 非常に興味がもてた
1 2 3 4 5 無回答
(不参加含む)
合計
(1)DV被害者を取り巻く現状と課題 0
(0%)
0
(0%)
6
(16%)
12
(32%)
19
(51%)
7 44
(2)緊急支援とシェルターの機能 0
(0%)
0
(0%)
6
(16%)
15
(41%)
16
(43%)
7 44
(3)スウェーデンにみるDV被害者 0
(0%)
0
(0%)
6
(15%)
10
(25%)
24
(60%)
4 44
(4)DVの特質と子どもへの影響 0
(0%)
0
(0%)
2
(5%)
15
(38%)
22
(56%)
5 44
(5)支援の実際〜サポーターの心構え 0
(0%)
1
(2%)
4
(9%)
9
(21%)
29
(67%)
1 44
(6)支援の実際〜電話相談と面接相談(ロールプレイ) 0
(0%)
1
(3%)
2
(5%)
6
(15%)
31
(78%)
4 44
全体として 0
(0%)
2
(1%)
26
(11%)
67
(28%)
141
(60%)
28
 
2. 最も印象に残った講座(複数回答あり)
 6講座の中で最も印象に残った講座を選び、理由を記入してもらった。結果は下表の通り。
人数 理由(主なもの)
(1)DV被害者を取り巻く現状と課題 7
・法律をかえるようなソーシャルアクションをしている姿に感銘を受けた。
・現状と課題を具体的に話していただき理解が深まった。
(2)緊急支援とシェルターの機能 2
・民間シェルターの連携の重要性、県との一時保護契約委託のようなものの必要性が理解できた。
(3)スウェーデンにみるDV被害者 4
・先進的な福祉国家であるスウェーデンを聞いて法的に整備を進めていく必要があると思った。
・福祉国家の男女共同参画社会に目のうろこが落ちた。日本にとって遠い道のりを知る。
(4)DVの特質と子どもへの影響 6
・DVによって影響を受けた子どもたちの後の行動や大きくなってからの影響など、小さいときからDVを受けている子どもの例などを聞くことができてよかった。
(5)支援の実際〜サポーターの心構え 10
・暴力は100%加害者責任。なかなかこのことが理解できなかったが、今回よく分かった。
・ケースが様々例示されて、自分の受けている相談と似ていたので、対応方法がヒントになった。
(6)支援の実際〜電話相談と面接相談(ロールプレイ) 16
・ロールプレイによりさらにサポーターの役割の重要さを再確認した。
・機会があれば支援をしたいと考えているので、その心構えやロールプレイはとても役立った。
・不勉強のためもっとこのようなロールプレイを行ってほしい。
・電話での対応の難しさを実感した。
無回答 4
合計 49
 
3. 講座の運営
 講座の運営について、参加者の評価は下表の通り。
問題なかった 不便だった 無回答 合計
1)会場の立地について 32 9 3 44
2)日程について 39 4 1 44
3)プログラムの組み方について 42 1 1 44
4)進行や会場の設営について 40 2 2 44
 
4. 前期の講座に参加して感じたこと
 DVへの理解が深まったか、今後もこうした講座に参加したいか、についてまとめた結果は次の通り。
そう思う そう思わない 無回答 合計
1)講座参加前より、DV被害について関心や理解が深まったか
43(98%) 0(0%) 1(2%) 44
2)こうした講座に、今後も参加したいか
43(98%) 0(0%) 1(2%) 44
 
3)講座に参加して学習したことを、今後どのように生かしていきたいか。(33名が回答、一部掲載)
・再認識、再確認ができたので、また新たな気持ちで、相談業務に就けると思います。
・電話相談者として実践していけたらいいと思っています。友人、知人にDVについて話していきたい。
・行政のできることに関して努力していきたい。
・地元に戻り何らかの形で生かしたい。学んだことをこのままではもったいない気がします。
・まだ学習が不十分だとロールプレイでつくづく思いました。
・男性の賛同、機会を増やすことが今後の課題、DV撲滅への協力者として養成。県、市町村当局との連携、法人、協力企業との連携はどうあるべきか考えたい。
・被害者の心にもっと寄り添えて話が聞けそうです。
・とりあえず、主人の暴力がないことをいのります。主人は福祉の仕事をしていました。行政で学びたかったことなので、ありがとうございました。
・ロールプレイや基本的な姿勢を学び、また、一つ一つ注意して相談を受けようと思います。
 
5. ウィメンズネット「らいず」会員でない方への質問
1)「らいず」のメンバーとして実際に活動することに興味があるか
はい:12人 いいえ:8人
2)はい、と答えた方で興味がある活動
(1)電話相談3人 (2)地域での活動5人 (3)子どもたちの学習指導2人 (4)アドヴォケイト1人 (5)事務局1人
 
〈結果〉
1. 全体として回答したうちの6割が、受講した講義内容に「非常に興味がもてた」、約3割が「かなり興味がもてた」と回答し、全般的に満足度が高い講義を提供することができた。
2. ワークショップ形式でおこなった3日目の講義「支援の実際〜サポーターとしての心構え」「支援の実際〜電話相談と面接相談(ロールプレイ)」について、「非常に興味がもてた」と回答した参加者が断然多く、講義に「非常に興味がもてた」と回答した参加者が8割近くに上った。支援の実技面、とりわけロールプレイに対する参加者のニーズの高さがうかがい知れた。
3. このような連続講座が毎年開催されれば、今後も参加したいか、という問いについて、44人中43名(98%)が「はい」と答えた。現在DV被害者支援業務に携わる人も、関心は高いがまだ活動はしていないという人も、学ぶ機会を強く求めていることが明らかとなった。
 
《タイムスケジュール》
Part2(後期)
9月17日(日)
中村 明美さん
 
 
なかむら・あけみ
 1983年アジアの問題を考える会を設立、以来10年、外国人女性への援助などにかかわる。96年民間シェルター「ウィメンズハウスとちぎ」を立ち上げる。代表を務めながら栃木県婦人相談所、同男女共同参画センターの相談員として働く。DV防止啓発のビデオの制作、DV二次被害の調査研究などを手がける。
 2006年ウィメンズハウスとちぎの専従スタッフとなる。
 
9月24日(日)
小島 妙子さん
 
 
こじま・たえこ
 1977年東北大学法学部卒業。81年弁護士登録、86年小島法律事務所を開設。93〜95年日本弁護士連合会両性の平等に関する委員会副委員長、96年仙台弁護士会副会長。
 ハーティ仙台顧問弁護士。
 主要著書・訳書に「夫婦法の世界」(共著・95年)、ドゥオーキン「ライフズ・ドミニオン」(共著・98年)、「ドメスティック・バイオレンスの法」(2002年)、「ジェンダーと法」(04年)がある。発行はいずれも信山社。
 
10月7日(土)
山口のり子さん
 
 
やまぐち・のりこ
 家族とともに通算15年の海外生活を送る。シンガポールでは女性支援の仕事を通して、DV、セクシャル・ハラスメント被害者支援及び裁判支援にかかわる。米国ロサンゼルスでは大学院で臨床心理学を学ぶとともに、DV加害者プログラムのファシリテーター向けトレーニングなどを受ける。
 帰国後、2002年「アウェア」を設立し、DV加害者プログラムを始める。加害者プログラム、DV防止教育について執筆活動、講演を行うとともに、高校などでデートDV防止ブログラムを実施している。04、05年千葉県男女共同参画課によるDV加害者のための教育講座のスーパーバイザーを務める。
 CABIP(米国カリフォルニア州DV加害者プログラム協議会)運営委員。JABIP(日本DV加害行動変容プログラム研修会)世話人。
 著書は「愛する、愛される−デートDVをなくす若者のためのレッスン7」(以下、梨の木舎)、「デートDV防止プログラム実施者向けワークブック」「DV あなた自身を抱きしめて−アメリカの被害者・加害者プログラム」など。


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION