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2 バラスト水中の有害水生生物
2.1 当委員会は、2005年5月31日より“船舶バラスト水及び沈殿物の規制及び管理のための国際条約”(バラスト水管理条約)がすべての国に加入のために開放されていることを想起し、批准状況は前回会期から変更のないことを銘記した。世界の商船船腹量の0.62%を保有する6ヵ国がバラスト水管理条約の締約国となったことを銘記し、当委員会は、加盟国に最早の機会に、バラスト水管理条約を批准するよう促した。
 
バラスト水見直し部会の設置
 
2.2 当委員会は、MEPC 53が規則D-2の下で要求されたバラスト水処理基準を達成することが可能であるかどうか決定するために見直し部会を設置したことを想起した。MEPC 53は、船上試験を行っている種々のシステムが安全性、環境への受容性及び実用性を持っていること並びにバラスト水処理技術型式承認システムが2008年10月までに条約の規則D-5.2の見直しの基準に適合が可能であるとの予測が妥当であることを銘記した。しかしながら、不確実性が残るため、MEPC 53は、MEPC 55の間に見直し部会を再設置することに合意した。
 
2.3 当委員会はさらに、MEPC 54が加盟国及びオブザーバーにMEPC 55におけるバラスト水見直し部会の第2回会合の間に有意義かつ有益な審議を行うためバラスト水管理技術に関する最新の情報の提供を促し、加盟国に、見直し部会の作業を促進させるために、文書MEPC 53/2/2の書式及び文書MEPC 54/WP.5の附属に含まれた原盤の双方を使用して、関連した情報の提出を招請したことを想起した。
 
2.4 当委員会は、既に開発された又は開発中のバラスト水処理技術に関する情報を提供した6件の文書、MEPC 55/2/13(インド)、MEPC 55/2/15(日本)、MEPC 55/2/17(ドイツ)、MEPC 55/2/18(英国)、MEPC 55/2/21(韓国)及びMEPC 55/INF.3(ノルウェー)が見直しを促進させるために提出されたことを銘記し、以下のバラスト水見直し部会の委託事項に合意した:
 
.1 MEPC 53で作成された評価方法を使用しプレナリーで作成された意見を考慮して文書MEPC 55/2/13(インド)、MEPC 55/2/15(日本)、MEPC 55/2/17(ドイツ)、MEPC 55/2/18(英国)、MEPC 55/2/21(韓国)及びMEPC 55/INF.3(ノルウェー)で提供されたバラスト水処理技術に関する情報の見直しを行うこと;
 
.2 規則D-5.2に記載された基準を考慮して、特にバラスト水排出基準の適用される2009年以降に建造されるバラスト水容積5000m3未満の船舶について、規則D-2に記載された基準を達成するバラスト水処理技術の入手可能性を決定すること;
 
.3 文書MEPC 54/2/4(国際海運集会所)の審議及びMEPC 54の間の検討を考慮して、見直しにより予想された進捗が達成されていないこと及びD-2基準の発効日に適合する適切な技術が入手不可能であると明らかになった場合の可能な選択肢の調査を行うこと;
 
.4 規則D-2による基準の発効日の確認又は変更による関連産業への影響を調査すること;
 
.5 当委員会による審議のため適切な行動を勧告すること;及び、
 
.6 2006年10月12日木曜日に、当委員会での審議を行うため、実施した作業に関する文書の報告書を提出すること。
 
バラスト水管理条約(BWM条約)の統一の実施のためのガイドラインの採択
 
2.5 当委員会は、MEPC 53がBLG 10に、設計及び設備に関する側面に焦点を当てている、バラスト水交換に関する設計及び建造基準に関するガイドライン(G11)案及び船舶の沈殿物制御を促進する設計及び建造に関するガイドライン(G12)案を審議し、MEPC決議による両ガイドラインの採択の目的でMEPC 55へ最終草案を提出することを指示したことを想起した。
 
2.6 当委員会は、両ガイドラインの最終文書に関するBLG 10の勧告及び事務局の準備した採択に関するMEPC決議案(MEPC 55/2/7及びMEPC 55/2/8)を審議して、それぞれ附属1及び附属2に記載された、決議MEPC.149(55)及びMEPC.150(55)により、両ガイドラインを採択した。
 
2.7 当委員会は、BLG 10がバラスト水交換海域の指定に関するガイドライン(G14)に関する作業を完了させ、今会期での採択の目的で事務局の準備したMEPC決議と共に、文書案(MEPC 55/2/9)の審議を当委員会に招請したことも銘記した。最終草案に関するさらなる意見なしで、当委員会は、附属3に記載された決議MEPC.151(55)により上記ガイドライン(14)を採択した。
 
2.8 当委員会は、MEPC 53がFSI 14に、沈殿物受入れ施設に関するガイドライン(G1)及びバラスト水受入れ施設に関するガイドライン(G5)を審議し、MEPC決議による両ガイドラインの採択の目的でMEPC 55へ最終草案を提出することを指示したことを想起した。両ガイドラインの最終草案及び採択に関して事務局の準備したMEPC決議案(MEPC 55/2/10及びMEPC 55/2/11)に関するFSI 14の勧告を審議し、それぞれ附属4及び附属5に記載された、決議MEPC.152(55)及びMEPC.153(55)により、両ガイドラインを採択した。
 
2.9 当委員会は、MEPC 53に指示されたとして、FSI 14がBLG 10の作成した緊急時を含む追加方策に関するガイドライン(G13)を審議し、ガイドライン(G13)案のMEPC 55への送付及び事務局に採択のためMEPC決議案の作成を指示することに合意したことも銘記した(MEPC 55/2/12)。
 
2.10 ガイドライン(G13)の2.3章“追加方策を設定する際の手順”の変更を提案した文書MEPC 55/2/22(ノルウェー)を審議して、当委員会は、BLG 11におけるこの新しいセクションのさらなる審議が追加方策導入の際のより明確かつ完成したガイダンスになるであろうことに合意した。
 
2.11 BWM条約の採択の時にこの特定の事項に関し達成された妥協を維持するために、当委員会は、BLG 11で設立されるバラスト水作業部会(BWWG)にIMOの承認が必要な状況に関する最新の2.3章提案の手順及び結果として起こる必要な修正の審議に限定することの指示に合意した。BLG 11に採択のためガイドライン(G13)の最終草案のMEPC56への提出を要求した。
 
バラスト水管理に関するBLG小委員会の作業
 
2.12 当委員会は、バラスト水作業に関する緊急時の対応のための配置に関する“ガイダンス文書”の必要性に関するBLG 10の勧告と意見が一致し、MEPC 55/2/19(ブラジル)を審議して、BLG 10において同文書を本件に関する回章の作成のための基礎とすることに合意した。
 
BWM条約の統一の実施に関する他の事項
 
2.13 当委員会は、文書MEPC 55/2/26(事務局)に含まれた検査及び証書の調和されたシステムの下のBWM条約の目的のための検査ガイドラインに関するBWM回章案の文書及び日本の意見を審議して、文書FSI 14/19の附属10に含まれたガイドラインの1.4.2.2及び1.4.2.3項を削除することに合意した。当委員会はさらに、BWM回章の表紙の第3項第2行の「ガイドライン」の語句の次に「原則として」の語句を及び同項の最後に以下の文書を追加することに合意した:
 
 “本ガイドラインは、任意でBWM条約の規定の遵守を証明するために主管庁又は船主に要求された船舶の検査を容易にする。”
 
 それゆえ、当委員会は、事務局に適切な修正を行いBWM回章を発行することを指示した。
 
2.14 当委員会は、文書MEPC 55/2/23(ドイツ)を審議して、バラスト水管理システム承認のためのガイドライン(G8)の調和された適用に関する回章の提案文書に合意し、事務局に適切にBWM.2/Circularを発行することを指示した。
 
GESAMP-BWWG第2回会合の報告書
 
2.15 当委員会は、GESAMP-BWWG第2回会合が議長Mr. Finn Pedersen(デンマーク)の下で2006年5月22日〜26日にロンドンのIMO本部で開催されたこと及び同部会が日本、韓国及びスウェーデンにより提出された3件の申請を審査したことを銘記した。スウェーデンにより提出された第4の申請は時間的制約により審査できなかった。
 
2.16 GESAMP-BWWG第2回会合の報告書(MEPC 55/2/16)を審議して、当委員会は、文書MEPC 55/2/2(日本)及びMEPC 55/2/4(スウェーデン)に含まれた申請に基本承認を与えることに合意し、同時に、さらにシステムを開発する際上記報告書の附属5及び附属7に記載されたすべての勧告を考慮することを両政府に招請した。当委員会は、GESAMP-BWWG第2回会合の報告書の附属6で与えられた理由のため文書MEPC 55/2/3(韓国)に含まれた申請に基本承認を与えることに合意しなかった。
 
2.17 当委員会は、文書MEPC 55/2/27(韓国)及び事務局の説明を審議して、この特殊な状況で韓国が提出をしようとした追加の情報を、締め切り前に提出した場合、GESAMP-BWWG次回会期で審議することに合意した。しかしながら、当委員会は、GESAMP-BWWGの会合に関する費用は費用回収の性質であり、韓国による再提出に関する費用を申請者が負担するべきであることを銘記した。
 
2.18 GESAMP-BWWGによる審査のための将来の申請に関して、当委員会は、事務局の作成した手順に意見が一致して、第一段階として、基本承認の申請がなかった場合、新たな費用で新規の提案として補足の情報を審議するとの選択肢を採った。
 
2.19 文書MEPC 55/2/5(スウェーデン)及び事務局の提供した情報を審議して、当委員会は、時間的制約によりGESAMP-BWWGが審査を行うことのできなかった、スウェーデンによる上記申請を次回会合で最初に審議することに合意した。
 
2.20 当委員会は、提案されたGESAMP-BWWGの3回通常会合の日程(2007年2月19日〜23日)に合意し、加盟国に承認のための申請(申請書類)及びバラスト水管理システムの機密でない記述を、2006年12月15日までの可能な限り早期にMEPC 56に提出することを招請した。
 
2.21 同部会の審査及びMEPC 56による承認に3件以上の申請書類が提出される可能性及び、前回の経験に基づき、1回のGESAMP-BWWGの会合では最大3件の申請書類の審査が可能であることを認め、当委員会は、すべての必要な条件が整いかつそれぞれの提案に関する機密でないデータが前もって回章された場合、2007年2月以前に追加会合を開催する同部会の可能性を銘記した。
 
2.22 文書MEPC 55/2/23(日本)及びGESAMP-BWWG議長の提供した関連情報を審議して、当委員会は、すべての予見できる承認申請に適応するため2007年2月に予定されたGESAMP-BWWGの会合の前に追加の会合を開催することに合意し、加盟国に2006年11月17日までの可能な限り早期に申請を提出することを招請した。追加会合の日程をGESAMP-BWWGの確認後関係国に通知することとなった。


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