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GESAMP-BWWGの情報管理及び作業管理の方法
 
2.23 当委員会は、GESAMP-BWWGがMEPC 54で作成された意見及び方法案に関して意見を述べている提案MEPC 55/2/1(米国)、MEPC 55/2/2(日本)及びMEPC 55/2/6(欧州委員会)を考慮して、第2回会合で“情報管理及び作業管理の方法”の作成を継続したことを銘記した。
 
2.24 欧州委員会代表団は、GESAMP-BWWGが文書MEPC 55/2/6(欧州委員会)に含まれた意見に焦点を当てたことに感謝を表明した。
 
2.25 文書MEPC 55/2/29(ノルウェー)を審議して、当委員会は、大多数の代表団が自然に発生するのと同等であるバラスト水処理の間に生成されかつ存在時間が短いため排出後に有害な影響を及ぼさない副生成物を活性物質と見なすべきではないとの見解を支持したことを銘記した。しかしながら、他の数カ国の代表団が懸念を表明したため、当委員会は、GESAMP-BWWGにノルウェーにより提出された文書を考慮してこの問題の審議を行い、さらなる審議及び後のMEPC 56への報告のためBLG 11に意見を提出することを要求した。
 
2.26 当委員会は、文書MEPC 55/2/16(事務局)の附属4に含まれた情報管理及び作業管理の方法の作成に関する行動項目を審議し、以下を同意した;
 
.1 物理特性、環境破壊及び毒性を含む、安全及び環境保護に関するすべての情報を非機密として取り扱うこと;
 
.2 文書MEPC 55/2/2及びMEPC 55/2/6の意見への同部会の回答。しかしながら、米国は、方法案が過度に規範的であり手順(G9)に完全に一致していない、主管庁に責任を押しつけており、かつ、提出に先立って申請書の審査を行う際、主管庁が正確に作業を行うために便利ではないとの立場であった;
 
.3 いかにして船上でバラスト水処理に使用する化学物質を扱い、保管するか特定する基準を作成すること。これに関連して、当委員会は、GESAMP-BWWGにこの過程を促進させるためそのような基準の概要を提供することを招請した;
 
.4 申請者及び同部会が使用するバラスト水処理に関係する化学物質のリスクアセスメント、特に環境蓄積予想値(PEC)の計算に関する、適切な排出シナリオ文書(ESD)を作成すること及び各国政府にその様な文章の適切な提案の提出を招請すること。米国代表団は、ESDの利点を認めたが、いかにしてこれを適切な時期に作成するのかが不確かであり、それゆえその様な文書を、活性物質を利用したバラスト水管理システムの最終承認の必要条件とするべきことに合意できなかった;
 
.5 申請者にGESAMP-BWWGの情報管理及び作業管理の方法案に示された標準書式での申請書の提出を促すこと;
 
.6 排出シナリオ文書が使用可能となるまで、同部会が全面的に運用上のリスクを審議することは不可能であること;
 
.7 同部会にシステムが実際にどの様に作動するかの詳細を含まない概念的なシステムの評価を要求してはならないこと。スウェーデン代表団は、GESAMP-BWWGが障害となることを避けるため、主管庁は申請書類が完璧なものであることの事前審査を行うべきであると提案した;
 
.8 長期、大量、海洋環境への定期的な排出に関するリスクを評価するため、同部会が申請されたシステムにより生成される可能性のあるすべての化学物質を審査し、これを反映し方法案を修正すること。しかしながら、米国代表団は、その様な評価は手順(G9)の規定及びBWM条約規則D-3.2に含まれた要件を超えているとの見解であり、それゆえ、GESAMP-BWWGの提案を支持できなかった;及び
 
.9 審議及び引き続くMEPC 56へ報告するためGESAMP-BWWG方法をBLG 11に委託すること。
 
BWM条約の修正案
 
2.27 当委員会は、文書MEPC 55/2/24(韓国)に含まれたBWM条約規則E-1.1.5の修正提案を審議し、BWM条約の第19条に記載された修正手順を同条約の発効前に適用することはできないことに合意した。当委員会は、原則として同提案の利点を検討し、同条約の発効条件に適合した時の適切な行動のため記録することに合意した。
 
バラスト水の規制及び管理に関するその他の情報
 
2.28 自己認証型のバラスト水電子報告フォームに関する文書MEPC 55/2/14(インド)及びインドによる同文書に関して意見を述べた文書MEPC 55/2/28(ICS)を審議して、当委員会は、提案フォームが決議A.868(20)と同一であることを銘記した。地球バラスト水管理プログラムパートナーシップ(GloBallast Partnerships)の枠組みでの標準化及び可能なデータベースの設置を促進するためにその様な書式の有効性に関するベネズエラ及びFOIEのさらなる意見を銘記して、当委員会は、その様な書式の使用による可能な利点の審議及び引き続くMEPC 56へ報告するため2件の文書をBLG11に送付することに合意した。
 
2.29 技術的な質問及びバラスト水管理システムの試験に関する情報のよりよい管理を可能とする表を提案している文書MEPC 55/2/29(ブラジル)を審議して、当委員会は、同文書がIACS加盟団体により発行された型式承認書の妥当性に焦点を当てている文書FSI 14/7/4(IACS)を不正確に引用していることを銘記した。当委員会はさらに、IACS加盟団体が決議MEPC.125(53)に含まれたガイドラインに従いBWM条約の規則B-3で要求されているバラスト水管理システムの承認試験を実施すること及び同ガイドラインに含まれた要件以上のいかなる追加の設置要件も負わないことを銘記した。長期影響、保守及びバラスト水管理システムの信頼性の側面に関する他の代表団の見解も銘記し、当委員会は、ブラジルによる文書をさらなる適切な審議のためBLG 11に委託することに合意した。
 
2.30 当委員会は、バラスト水管理の要件に拘束されず海洋環境保護に貢献することのできる、新しいノンバラスト船(NBWS)の概念の研究に関する文書MEPC 55/INF.10(日本)で提供された情報を銘記した。
 
バラスト水見直し部会の報告書
 
2.31 バラスト水見直し部会は、Mr. B. Elliott(英国)を議長として、2006年10月9日〜11日に開催された。
 
2.32 見直し部会の報告書(MEPC 55/WP.4)及び、特に、同議長により紹介された見直し部会の結論を言及して、多数の代表団に支持された、ICSは、BWM条約に記載されたD-2基準の最初の適用日までにバラスト水処理技術の利用可能性ついて重大な懸念を表明し、少なくとも2年間の規則D-2の最初の適用日の延期を提案した。要求により、ICSの声明文を附属6に添付した。
 
2.33 数カ国の代表団に支持された、ノルウェー代表団は、2009年1月1日までに処理技術が入手不可能な場合、船主が罰せられないことを確実にするための除外手順の作成に賛成すると発言した。
 
2.34 スペイン代表団は、同条約に批准していないため加盟国が現在産業界に送付している通達の混乱について懸念を表明し、すべての加盟国に最早の機会に同条約の締約国となるためスペイン及び他の5ヶ国の作成した例に従うことを促した。
 
2.35 スウェーデン代表団は、手順(G9)に従った最終承認の適用前にガイドライン(G8)による試験を完了させる必要性に関して明確化を要求した。
 
2.36 IUCNは、主管庁が海洋の生物多様性を保護するためバラスト水処理システムの試験が適切であるか確認する方法について、同過程の現段階で、情報の不足に関して懸念を表明した。
 
2.37 発言した多数の代表団は、見直し部会及び同議長の行った作業に評価を表明した。
 
2.38 検討を要約して、当委員会議長は、BWM条約の第19条に規定されている修正手順は同条約の発効まで適用することはできないと述べ、この状況の解決法は同条約の早期の批准及び発効であり、それにより処理技術の入手可能性を反映した必要な修正又は除外が認められるとの見解を表明した。
 
2.39 同部会の報告書(MEPC 55/WP.4)に戻り、当委員会は、審議の後、評価と共に提出されたすべての情報を審査したことを銘記し、以下の項に示す行動を取った。
 
2.40 当委員会は、見直し部会の報告書の第22項から第28項に含まれた同部会の結論及び、特に、型式承認されたバラスト水管理システムがおそらくBWM条約の最初の適用日に先立ち搭載のため入手可能であることを銘記した。
 
2.41 しかしながら、当委員会は、既に2009年以降に建造する契約の行われた船舶への型式承認されたバラスト水管理システムの搭載が実行不可能であるかもしれないあるいは膨大な費用及び/又は引き渡しの遅延によってのみ可能であるかもしれないことを銘記した。
 
2.42 当委員会は、主管庁より持ち上がった懸念に向けられかつ条約が採択された際考察された型式承認されたシステムの開発の可能性のある遅れを原因とする負の結果を最小化することを意図した、見直し部会の報告書で提案された2件の選択肢(すなわち(1)MARPOL附属書IVの修正と同様の手順を用いて規則D-2の最初の適用日を遅らせるためBWM条約の修正過程を促進させること;及び(2)最初に同条約の適用を受けるに除外手順を作成すること)を銘記した。
 
2.43 当委員会は、関連した懸念に焦点を当てるため上述2件の選択肢及び他の可能性のある選択肢に関して法律的な選択肢を提供することを機関の法務室(Legal Office)に要求することに合意した。
 
2.44 見直し部会に要求された他の行動について、当委員会は以下を合意した;
 
.1 主管庁に船主が船舶の設計に含まれる技術又は占有スペースを考慮することを可能とするための勧告の作成を招請すること;
 
.2 陸上試験施設を有する主管庁に施設の存在、利用、容量、認定及び能力に関してMEPC 56へ情報の供給を招請すること;
 
.3 主管庁に施設の予約時間過程及び試験に利用できる場所をBLG 11への明示を招請すること;
 
.4 加盟国及びオブザーバーにBLG 11による審議のため最初に同条約が適用となる予想船舶数に関する情報の提出を招請すること;
 
.5 加盟国政府にこの見直しにより提案された発見及び行動に基づき最早の機会に同条約の採択の審議を促すこと;
 
.6 主管庁にMEPC 56以降の会合へ生物学的有効性、D-2基準の適合、試験水の利用、生物学的効果及び不透明性の問題、サンプリング及び監視要件並びに追加のサンプリングガイダンスの必要性に関する情報の提供を招請すること;
 
.7 主管庁に適切な排出シナリオ文書(ESD)の提案及び活性物質を利用するBWMシステムの最終承認手順の明確化の支援を招請すること;及び
 
.8 バラスト水処理技術の不足に関する問題を克服するためのメカニズムに着手する見直し部会の要求、同部会により明示された2件の選択肢が法律的な観点から容認できないと立証するべきであると銘記すること。


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