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海事の国際的動向に関する調査研究事業報告書(海上安全)

 事業名 海事の国際的動向に関する調査研究
 団体名 日本海難防止協会 注目度注目度5


3 船舶動静把握システムの状況
IR06-1-5
LRITの検討状況
別紙
(2006.4.27)
IMOにおけるLRITの検討経緯等について
1. これまでの経緯
 2002年2月、海事保安強化のためのSOLAS条約改正等の検討を行う海上安全委員会(MSC)第1回中間ワーキンググループ会合において、米国より、長距離での船舶動静把握を可能とするため、長距離船舶識別システムの導入の検討が提案され、SOLAS締約国会議(02年12月)は、改正SOLAS条約の採択に併せて、締約国に導入のための検討等を求める決議を採択。
 その後、累次のIMO会合において、システムの機能要件、SOLAS条約改正案の検討が続けられており、米国は、MSC77(03年5月)以降、再三SOLAS条約改正案を提出し、システムの早期導入を求めてきたが、システムの設置目的、沿岸国政府が情報を取りうる範囲等について各国の意見の隔たりが大きく、MSC80(05年5月)まで、その合意には至っていなかったもの。
 システムのより早期導入を促すため、2005年10月、2006年3月、政策的及び技術的懸案事項を検討するMSC中間ワーキンググループがそれぞれ開催された。結果、沿岸国がLRIT情報を入手しうる範囲について相変わらず、議論が平行線をたどり、沿岸国の情報入手権限を除き、旗国及び寄港国の情報入手権限のみによる条約改正案が策定、今次MSC81に提出。技術的事項に関しては、システムを確立するための数多くの実質的な議論は残されたままであるが、とりあえずのその基本的性能を定めた性能要件(案)が、COMSARより今次委員会に提出されている。
 
2. SOLAS条約改正案の概要
■改正章:SOLAS条約V章(航行安全)
 当初、セキュリティ目的の観点からSOLAS条約XI-2章(海上セキュリティ)の改正で検討が行われていたが、EU各国等が安全・環境への目的拡大を念頭に第V章の改正を主張。議論の結果、第V章による改正が合意された。
■適用船舶:国際航海に従事する旅客船、300トン以上の外航貨物船及び移動式海洋掘削装置
■提供情報:船舶のID、現在位置及び日時
■対象範囲:
(1)旗国政府:全世界の自国船舶
(2)寄港国政府:自国に入港しようとする船舶
■通信費用:船舶の負担とせず、利用頻度に応じ締約政府が負担。
 
3. 今後の予定
 条約改正案に対し、沿岸国の情報入手権限を規定すべきであるとするノルウェー、その範囲を200海里とすべきあるブラジルからそれぞれ文書が提出。今次会合での改正案採択を目指し、本件に関し引き続き議論が行われる。
 
IR(06)3-3-2
平成18年11月17日
海上保安庁
MSC82におけるLRIT関連文書の概要
1. Ad Hocワーキンググループからの報告(MSC82/8/1)(Ad Hoc WG)
[概要]
 LRIT技術要件の詳細に関し議論・解決することを目的に設立されたAd Hoc WGからの報告。
 国際データ交換及び国際データセンター等の機能・性能要件等に関し詳細に報告。
 
2. 国際データセンター等設立の提言(MSC82/8/5)(米国)
[概要]
 米国から、委員会に対し
IMOが、LRIT監督機関を務めることを考慮すること
(形式的には、委員会からIMSOに対し監督機関を務めることを検討するよう要請が成されている。米国は、IMSOが監督機関となるには、IMSO条約の改正等が必要であり、その実現性が不透明であるため、IMOが監督機関と成るべきことを提言。)
適切な調整がなされるまでの間、米が、国際データセンター・国際データ交換センターを設立・運営する用意があることを考慮すること
を要請するもの。
 米国の本提言は、LRITシステムの計画通りの設立・運用を憂慮し成されたもの。
 
3. LRITの課金システムについて(MSC82/8/6)(CIRM)
[概要]
 CIRMから、委員会に対し、
LRITシステムの下での課金システムの解決を、ad hco技術グループのTORとすべきこと
を要請するもの。
 LRITシステムでは、LRIT情報を取り扱うデータセンターとして、(1)国際データセンター、(2)地域データセンター、(3)国内データセンターの3つのデータセンターが立ち上がり、それぞれのデータセンター間におけるLRIT情報の交換が実施される予定。しかしながら、データの交換には費用を要し(費用は、情報を要求した締約国がカバー)、複雑に交換される情報の課金のシステムをどう行うかについては十分に議論がなされていない。
 
4. LRITシステムの実現(MSC82/8/8)(事務局)
[概要]
 LRITシステムの計画通りの実現のための委員会により成された決定・背景に関し、説明・確認をするもの。
 本文書中、事務局は、
・LRIT監督機関(厳密には、“監督”ではなく、"LRITの性能のレビュー、システム要件の監査である旨言及:機関の役割は、監督というよりは、システム要件の確認的な役割である旨を強調したい意。)への就任をIMSOに検討する旨要請したこと(IMOではないことを暗に言及)
に言及するとともに、各締約国には、
MSC82において、国内データセンター及び協力的データセンターの設立に関し、委員会に提言をなすこと(これに基づきEUは、提案文書を提出)
・国際データセンター及び国際データ交換の設立等に関し提言すること(本要請に基づき米国等は、提案文書を提出)
を求められていることについても述べている。
 
5. LRIT監督機関への就任(MSC82/8/9)(IMSO)(米国提案への反論)
[概要]
 IMSO総会において、同機関がLRIT監督機関を務めるために、IMSO条約が改定されたことを強調。改正によれば、締約国の何らの金銭的な負担なく、IMSOが監督機関を務めることができる旨記載されている。本改正に基づきIMSOは、委員会に対し、以下の点について要請している。
・上記IMSO総会における決議を留意すること
・IMSOをLRIT監督機関として指名すること
・LRITシステム立上げのための資金獲得方法について明らかにすること
・LRIT監督機関実施のための特別総会が開催されることに留意すること
 
6. 地域データセンターの設立(MSC82/8/11)(EU)
[概要]
 英国・ノルウェー等のEU諸国が主となった本文書は、
・EU船舶モニター及び情報システム(VTMIS: Vessel Traffic Monitoring System and Information System)を活用したEU地域データセンターの設立
・国内及び地域データセンターを運用する締約国のために、インターフェースの詳細に関して定めたガイドラインを作成すること(ガイドラインは、COMSAR11にて議論、MSC83に提出することを想定)
を提案。


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