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海事の国際的動向に関する調査研究事業報告書(海上安全)

 事業名 海事の国際的動向に関する調査研究
 団体名 日本海難防止協会 注目度注目度5


第52回航行安全小委員会(NAV52)の審議概要
1 日程
(1)対処方針会議 7月16日(日)(在英国日本国大使館会議室)
(2)NAV52 7月17日(月)0930〜21日(金)1730
 
2 開催場所
IMO本部
 
3 日本側参加者:17名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
○在英国日本国大使館参事官 山上範芳
○在英国日本国大使館一等書記官 石月英雄
○在英国日本国大使館一等書記官 小磯 康
海上保安庁海洋情報部国際業務室長 佐藤 敏
国土交通省海事局安全基準課係長 中村 幹
◎東京海洋大学教授 今津隼馬
◎海上保安大学校教授 山田多津人
(独)海上技術安全研究所運航・システム研究グループ長 福戸淳司
(独)海上技術安全研究所国際連携センター上席研究員 田淵一浩
(財)日本船舶技術研究協会技術顧問 篠村義夫
(財)日本船舶技術研究協会 片山瑞穂
(財)日本船舶技術研究協会主任研究員 今井 新
(財)日本海事協会材料艤装部技師 道下弘康
○日本船主協会欧州地区事務局長 保坂 均
○全日本海員組合欧州事務所所長 飯島雄二
◎(社)日本海難防止協会企画国際部国際室長 河野 優
○(社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長 相馬 淳
 
4 議題
(1)議題の採択
(2)他のIMO機関の決定
(3)航路、通報及び関連事項
(4)INS及びIBSの性能基準の改正
(5)ECDISの性能要件の改正
(6)ECDIS及びENC整備に関する評価
(7)舶用レーダー整備の設置に関するガイドラインの検討
(8)灯火の色度に関するCOLREG条約附属書1の改正
(9)無線通信ITU-R研究グループ8関連を含むITU関連
(10)舶用ガリレオ受信機の性能基準
(11)航海灯、航海灯制御器及び関連機器の性能基準の検討
(12)全世界的無線航法システム
(13)海難解析
(14)IACS UIの審議
(15)作業項目及びNAV53への報告
(16)2007年の議長及び副議長の選出
(17)その他の議題
(18)MSCへの報告
 
5 審議内容
(1)航路及び通報関連事項(議題3関連)
(1)TSSの新設等
 ノルウェーによる領海外での強制航路設定に係る提案については、任意の8つのTSSを推薦航路で結ぶものに修正の上で承認された。
 その他2提案についても修正のうえ承認された。
(2)既存のTSSの変更
 米国が提案した希少な鯨の生息域を避けるためのTSSの変更に係る提案については、警戒水域等を修正の上で承認された。
 その他8提案についても修正のうえ承認された。
(3)強制船舶通報制度の改正及び新設
 エクアドルが提案したガラパゴス諸島周辺海域における強制船舶通報制度の新設に係る提案については、罰則等を削除の上で承認された。
 その他2提案についても修正のうえ承認された。
 
(2)ECDISの性能・搭載要件(議題5・17関係)
 ECDISの性能要件については、TWGにおいて、統合改正性能基準案(NAV52/5、ANNEX)を項目ごとに小グループで検討された。
 プレナリーにおいて、本案をMSCに送るのを1年保留する等の意見もだされたが、最終的に採択のためMSCに送られることとなった。
 一方、ECDISの搭載義務化については、MSC81において、デンマーク、ノルウェーによる「ENCが整備されれば、ECDISの搭載は費用対効果の面でも有益」との提案に対し、日本から「ECDISの搭載義務の時期とENCの整備の時期とを整合させるべき」との文書を提出した。
 これに多数の国から支持があり、次回NAVにおいて更に検討予定である。
 
(3)航海灯の性能基準(議題11関係)
 日本から、LEDの航海灯と白熱電灯の航海灯の特徴の違いに係る報告文書が参照され、今後はLEDを使用した航海灯の導入を妨げない性能基準とするべく、次回NAVで引き続き審議を行うこととなった。
 
(4)その他の議題(議題17関係)
(1)e-navigationの戦略構築
 日本等7か国がMSC81に提案し、NAVにおける優先度の高い作業項目として取り上げられたことを受け、初期的な検討が行われた。
 今後は、各国からの意見を考慮しつつ、コレスポンデンス・グループにおいて、e-Navigationの定義及び範囲、主要事項及び優先順位の特定、その他作業計画の検討を行うこととなった。
(2)北朝鮮ミサイル発射問題(本年7月6日発生)
 1991年議決及び1998年回章に従わなかった件を、日本より指摘するとともに、MSC82に本件を提出する旨発言した。
 議事概要をMSCへの報告に記すとともに、日米及び北朝鮮のステイトメントも添付されることで承認された。
(3)東アジアにおける海上エレクトロニック・ハイウェイ
 事務局より、マラッカ海峡でのデモンストレーション・プロジェクト(世界銀行等の貢献)に関する説明があり、UNCLOS第47条の下での費用分担メカニズムをどのようにするかが今後の課題としていた。
 また、MEHの進捗状況に関するプレゼンテーションがあり、海上安全及び海洋環境保護を目的にマラッカ海峡の水路調査、海上安全施設及び情報ネットワークの技術革新を取り入れつつ進めるとの説明があった。なお、この場でも費用分担についての質問が出されていた。
 
第82回海上安全委員会(MSC82)
1 日程
 11月29日(水)0930〜12月8日(金)1730
 
2 開催場所
 イスタンブール(ルネッサンス ポラット イスタンブールホテル)
 
3 日本側参加者:44名
◎:本委員会所属者の出席者 ○:英国からの出席者
○在英国日本国大使館一等書記官 小磯 康
総務省参与 古山賢二
総務省総合通信基盤極電波衛星移動通信課課長補佐 濱崎末盛
水産庁資源管理部遠洋課課長補佐 諸貫秀樹
◎国土交通省海事局安全基準課課長 安藤 昇
国土交通省海事局安全基準課国際第一係長 矢加部文
国土交通省海事局船員政策課国際企画室長 米山 茂
国土交通省港湾局建設課国際調整官 西尾保之
国土交通省政策統括官付政策調整官 尾澤克之
国土交通省政策統括官付政策調整官付課長補佐 重田裕彦
海上保安庁海洋情報部航海情報課課長 仙石 新
◎海上保安庁警備救難部警備課運用司令室運用官 有川 孝
神戸大学海事科学部国際海事教育センター センター長 古荘雅生
(独)海上技術安全研究所国際連携センター長 吉田公一
(独)海上技術安全研究所国際連携センター上席研究員 田淵一浩
(独)海上技術安全研究所構造・材料部門 構造基準研究グループ主任研究員 平方 勝
(財)日本船舶技術研究協会理事長 津田尚輝
○(財)日本船舶技術研究協会顧問 篠村義夫
◎(財)日本船舶技術研究協会主任研究員 今井 新
(財)日本船舶技術研究協会主任研究員 岡部亮介
(財)日本船舶技術研究協会主任研究員 貴島高啓
(財)日本船舶技術研究協会(海上技術安全研究所運航・システム部門上席研究員) 太田 進
(財)日本船舶技術研究協会(アイ・エイチ・アイマリンユナイテッド基本設計部構造計画グループ長) 中島喜之
(財)日本船舶技術研究協会(川崎造船グループ長) 西山五郎
(財)日本船舶技術研究協会(三井造船(株)事業開発本部NGHプロジェクト室室長) 高沖達也
大阪大学大学院工学研究科船舶海洋工学部門教授 矢尾哲也
(財)日本舶用品検定協会会長 矢部 哲
海洋政策研究財団海技研究グループ調査役 山本 恒
(財)日本海事協会開発部主管 有馬俊朗
(財)運輸政策研究機構国際問題研究所主任調査役 伊崎朋康
(財)日本海技協会理事 木村正次
(財)日本鯨類研究所情報・文化部次長 飯野靖夫
(財)国際臨海開発研究センター調査役 成瀬 進
広島大学大学院工学研究科社会環境システム専攻教授 藤久保昌彦
◎(社)日本船主協会海務部課長 平尾真二
(社)日本船主協会海務部課長代理 高野優一
(社〉日本鉄鋼連盟(住友金属工業(株)) 幸 英昭
(社)日本鉄鋼連盟((株)神戸鉄鋼所) 今村弘樹
(社)日本鉄鋼連盟(JFEスチール(株)) 潮海弘資
(社)日本鉄鋼連盟(新日本製鐵(株)) 金子道郎
○(社)日本船主協会欧州地区事務局次長 保坂 均
○全日本海員組合欧州事務所長 飯嶋雄二
◎(社)日本海難防止協会企画国際部国際室長 河野 優
○(社)日本海難防止協会ロンドン連絡事務所長 相馬 淳
 
4 議題
(1)議題の採択
(2)他のIMO機関の決定
(3)強制要件の改正の検討及び採択
(4)海事保安の強化に係る措置
(5)ゴールベースの新造船建造基準
(6)改正STCW条約の実施
(7)船舶の設計・設備
(8)無線通信及び捜索救助
(9)ばら積み液体物質と気体物質
(10)旗国の実施
(11)航行の安全
(12)復原性・満載喫水線・漁船安全
(13)危険物・固体貨物・コンテナ
(14)技術援助プログラム
(15)人的要因の役割
(16)フォーマル・セーフティ・アセスメント
(17)船舶への海賊と武装強盗
(18)規則の実施及び関連する事項
(19)他の機関との関係
(20)委員会のガイドラインの適用
(21)作業計画
(22)2007年の議長及び副議長の選出
(23)その他の議題
(24)第82回委員会報告書の検討
 
5 審議内容
(1)〔議題3: 強制要件の改正の採択〕旅客船関係
 損傷時の安全な帰港要件のうち、損傷後に帰港する際に必要な復原性を確保する件については、技術的な検討が不十分である等の意見が出て議論が紛糾し、来年4月に開催されるSLF50において改めて検討することとなった。
 また、対象船舶の範囲については、400人又は1500人以上の人員が乗船する船舶との原案であったが、火災時の安全な帰港要件を課す船舶と同じ範囲とすべきとの意見が多く、これが合意され、防火構造における主垂直区域が3区域以上ある旅客船とするか、長さ120m以上の旅客船とするかについて意見が分かれ、妥協案として、両方を対象とすることとなった。
 これらの改正を盛り込んだSOLAS条約付属書II-2章については、2009年1月1日発効、但し、旅客船の安全センターにかかるものは2010年7月1日発効見込みとなった。
 
(2)〔議題4: 海事保安の強化〕Non-SOLAS船に対する保安対策
イ. プレナリーにおける議論
 Non-SOLAS船舶に対する具体的措置を示したガイダンスを作成すべきとの提案(日本及び米国)がなされた。
 多数の国から、Non-SOLAS船に対する保安措置の必要性は理解するものの、対象船舶や実質的対応に関し、更なる議論が必要だとの意見があり、更にセキュリティWGにて議論することとなった。
ロ. WGにおける議論
 委員会より、セキュリティWGに対して、Non-SOLAS船に対する保安対策措置について、今後どのように議論を進めていくかに関し、検討・提案をなすように指示がなされた。
各国からは、
○ガイダンスは、強制的なものでないこと
○Non-SOLAS船には、漁船やプレジャーボート等多種多様なものがあり、それぞれに対する保安対策は異なること
○保安対策の検討に際しては、Non-SOLAS船自身への脅威、Non-SOLAS船によって引き起こされる脅威等、さまざまな状況を考慮すべきであること
○各国が取り得る措置については、各国の現状等により異なること
等のコメントがなされた。
 今後は、任意のガイダンス作成に向け、CGを作ることで合意し、プレナリーで承認された。
 なお、CGの検討結果は、日・米のサポートで英国がとりまとめ、次回MSCに提出される。
 
(3)〔議題8: 無線通信及び捜索救助〕LRIT関連
イ. プレナリーにおける議論
(1)ad hoc WG(タスクフォース)
 コーディネータであるカナダより、ad hoc WGの結果概要が報告された。
 WGから委員会に対し、ad hoc WGにおいてIDC(国際データセンター)及びIDE(国際データエクスチェンジ)の設立・運用のための更なる技術的検討が必要であるとの意見があり、ad hoc WGの存続が決まった。
(2)LRITの課金システムについて
 LRITの課金システムについて更なる検討が必要であることから、ad hoc WGのTOR(委託事項)とすることで合意した。
(3)LRIT監督機関について
 LRITの監督業務をどの機関が行うかについて、次の2案を軸に議論された。
 IMSOが完全にその役を担うことができるまでの間(2008.12.31のシステム稼動までに、改正IMSO条約の批准及び条約発効後の総会決議が必要)IMOがその役を担うべきである。【米国提案】
 MSC決議により、IMSO内での作業が進め易くなることから、今MSCにてIMSOを実施機関として指名すべきである。【IMSO】
 本件に関し、IMSO案を、大多数の国が指示した。
 これに対し、日本など19カ国が、最終的にIMSOが実施することについて反対しないものの、米国提案にあったような代替措置も考慮すべきであるとの立場を表明したが、最終的に代替措置の考察については不要(IMSO内で検討)と決定された。(米国は留保することを表明。)
(4)IDC及びIDE
 IDC及びIDEの設立については、実施国及び場所等の詳細を議論することは、同センターの技術的な提案がない現時点では、時期早尚との提案がなされたため、各国からの具体的な提案を基に、今後COMSAR11等において決定すべきとなった。
 また、米国からIDC及びIDEを引き受ける提案、及びEUが地域センターを設立する提案もテイクノートされるに留まった。
 さらに、アルゼンチン、ブラジル、チリ及び中国からは、国内データセンターを、ロシアからは、設立済みの同国データセンターを国際データセンターとして機能させることも可能であるとの意思表明がなされた。
ロ. WGにおける議論
 LRITシステムの的確な実現に向け、時間的制約、解決すべき問題が数多く残されていることを各国が認識するとともに、WGとして委員会に対し以下の事項を要請することを合意し、プレナリーにおいても承認された。
(1)COMSAR11にて
・IMOの法律部より提示されるガイダンスを利用し、さまざまな合意草案を作成し、中間WGへ提案すること
・LRITに関する議題は、e-navigationに関する議題に含ませるとともに、各国からLRITの担当者が出席すること
(2)技術的要件に関するad hoc WGを、COMSAR11の前の週に開催すること
(3)MSC83以前(2007年6月頃)に、LRITに関する中間WGを開催すること
(4)MSC83において、
・課金システムに関する議論・承認すること
・IDC及びIDEの設置場所に関する議論・承認すること
・LRITシステムに関する議論・承認すること
 
(4)〔議題11: 航行の安全〕北朝鮮ミサイル関連
 今後、ミサイル発射試験を行なう際に、IMO決議に従い事前に航行警報を発出すること等を内容とする回章に係る日本からの提案が採択された。
 
(5)〔議題17: 海賊・武装強盗〕ISCの設立
 シンガポールより、2006年11月にReCAAPの情報共有センター(ISC: Information Sharing Center)が発足した旨説明があった。
 加えて、ISCの設置目的や今後の活動として、迅速な情報交換、運用面での各国の協力、ISCを通じた海賊に関する情報共有体制・協力体制の構築、人材育成のための協力などを実施していく旨、説明があった。
 
(6)〔議題21: 作業計画〕COLREGの改正
 COLREG72の制定以来30年以上が経過したこと、その後の航行環境(プレジャーボート隻数増加、商船の大型化等)が変化したこと、商船とプレジャーボートの衝突の危険を減少させる必要があることから、船舶の種類及び目的に応じた避航関係を規定しようとするCOLREG72の改正について、NAV小委員会の作業計画に含めるようイタリアから提案があり、スペイン、ブラジル等の多くの国の支持が表明された。
 これに対し、ISAF(国際ヨット競技連盟)は、何百万隻のプレジャーボートが影響を受けること、条約改正が行われても衝突の危険は減少しないこと、また、条約改正により他の規定に影響が生じること等を指摘するとともに、灯火形象物の変更に伴う金銭的負担が生じること、乗組員の訓練等の負担が生じること等を主張し、本件を作業計画に含めることを反対した。
 このISAFの主張に、英国、フィンランド等が支持を表明した。
 これ以上の具体的な議論の進展はなく、手続き論として、本提案は一定条件を満たしさえすれば小委員会に送付され、そこで技術的・専門的な検討が行われるという一般原則に基づき、NAV小委員会の作業計画に含まれることとなった。


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更新日: 2019年12月7日

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