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地方分権時代にふさわしい地方税制のあり方に関する調査研究報告書?諸外国の地方税制との比較を中心に?

 事業名 地方自治情報啓発研究
 団体名 自治総合センター 注目度注目度5


3 イタリア
イタリアにおける調査の概要
1 調査対応者
工藤 裕子(中央大学法学部教授)
2 実施時期
平成19年1月〜2月
3 調査事項及び調査先
(調査事項)
・電子化(申告・納税)について
・ICI(コムーネ固定資産税)の税率決定について
・IRAP(州生産活動税)における外形標準化について
・その他
 
(調査先)
1月29日(月)・・・
歳入エージェンシー
電子申告システムを運営するSogei
電子納税システムを運営するRiscossione S.p.A
1月30日(火)・・・
経済財政省
内務省
2月1日(木)・・・
ミラノ市役所
2月2日(金)・・・
ロンバルディア州政府
ESATRI S.p.A(ICIの徴収機関)
 
イタリアにおける地方税制度と電子化
中央大学法学部教授 工藤 裕子
1. イタリア共和国の概要
1.1 イタリア共和国の概要
 イタリアは、地中海に突出するイタリア半島の他、シチリア、サルデーニャの両島、約70の小島からなる南北約1,200kmの細長い半島国で、首都ローマの他、ミラノ、ナポリ、トリノ等の主要都市がある。
 住民はイタリア人が大部分であるが、北部ではゲルマン系、フランス系、スラブ系の人々も居住し、また南部にはアラブ系、アフリカ系の住民も見られる。言語はイタリア語が中心だが、北部2自治州については、イタリア語に加え、ドイツ語、ラディン語、フランス語の併用が認められている。
 地方制度は、州(regione)、県(provincia)、コムーネ(comune)の三層制となっている(表1)。新地方自治法(1990年法律第142号)第2条には、地方自治に関する法律が適用される地方団体として、コムーネ、県の他に、大都市(città metropolitane)、山岳部共同体(comunità montane)、コムーネ共同体(unioni di comuni)が記されている。州は、憲法第114条に記されている。
 
表1 行政組織の類型図(2002年)
 
 州は、第2次世界大戦後、国の権限を委譲することで、より住民に近い行政を行う目的で第2次世界大戦後に新たに定められた行政組織で、住民の直接投票によって選ばれる州首長(presidente)、州評議会(giunta)、州議会(consiglio regionale)が設置されている。
 州には普通州(regione a statuto ordinario)と特別州(regione autonoma a statuto speciale)があり、特別州には、シチリア州とサルデーニャ州の島部2州と、フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州、ヴァッレ・ダオスタ州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州(トレント県およびボルツァーノ県の2自治県から構成される)の北部の国境山岳地帯に位置する3州の合わせて5州が定められている(憲法第116条)。
 特別州は、一定の分野において独占的な立法権を有する等、他の15の普通州と比べて広い権限が与えられている。また、特別州は、それぞれの区域で徴収される国税(付加価値税を除く)の配分を受ける。対象となる国税の配分比率は、各特別州で異なるが、シチリアでは付加価値税以外の全ての国税について100%の配分を受けている1
 
1 工藤(2005)
 
 県の機関は、住民の直接投票によって選ばれる県首長(presidente)、県議会、県首長によって任命される県評議会(giunta)からなる。この他、内務省から派遣される県知事.(prefetto)が置かれており、国の出先機関を代表する機能を持つ。コムーネの多くは、中世の自治都市時代からの長い歴史的・文化的伝統を受け継いでおり、地域共同体としてのアイデンティティが強いといわれている。コムーネの機関は、住民の直接選挙によって選ばれるコムーネ首長(sindaco)、コムーネ議会、コムーネ首長が評議員(assessore)を任命するコムーネ評議会(giunta)からなる。
 大都市は、憲法(第114条)ならびに地方自治統一法典(第2条)において地方自治体と定められているが、現在に至るまで設置されていない。地方自治統一法典(第23条第1項)には、大都市として、トリノ、ミラノ、ヴェネツィア、ジェノヴァ、ボローニャ、フィレンツェ、ローマ、バリ、ナポリの大都市圏(地方自治統一法典(第22条第1項)内の中心都市と周辺コムーネの間で形成されると定められている。大都市は県と同等の機能を与えられる(同23条第5項)。
 山岳部共同体は、その全部または一部が山岳地帯に位置するコムーネの広域行政組織であり、コムーネ間での事務の共同処理を目的とされている(地方自治統一法典第27条第1項)。山岳共同体の設置は、各州の規定に基づき、州首長により決定される(地方自治統一法典第27条第3項)。代表者(議長)は、山岳部共同体を構成するコムーネのコムーネ首長の一人が務める。代表機関は山岳部共同体を構成するコムーネの議会から任命される議員からなる。執行機関は山岳部共同体を構成するコムーネのコムーネ首長と評議員により構成される(地方自治統一法典第27条第2項)。山岳部共同体は、国法および州法によって山岳部共同体の事務とされたものおよび国等から委任された事務を行うとされ(地方自治統一法典第28条)、この点においてコムーネ共同体(後述)と異なる。山岳部共同体について、以下の事項を州法で定めることとなっている(地方自治統一法典第27条第4項)。
・認可する法律の条項
・協議の手続き
・地域計画および年間計画の管理
・山岳部共同体における州および欧州連合からの補助金の分配基準
・山岳部共同体と区域内で権限を有するその他の団体との関係
 山岳部共同体は、固有の徴税手段を持たず、国および他の地方団体等からの補助金および預託貸付公庫(cassa depositi e prestiti)からの貸付金を財源としている。
(コムーネ共同体(unioni di comuni))
 コムーネ共同体は、事務を共同で処理する目的で、複数のコムーネによって構成される広域行政組織となっている(地方自治統一法典第32条)。機関は、コムーネに関する規定に準じて選ばれた議会、評議会、および議長からなる。議長はコムーネ首長から1人が選出され、他の機関はコムーネ共同体を構成するコムーネの評議員および議員から選出される(地方自治統一法典第32条)
 イタリア共和国の概要を表2に、イタリアの各省を表3にそれぞれ示す。
 
表2 イタリア共和国の概要
国名 イタリア共和国(Repubblica Italiana)
人口 5,846万人(2005年)
面積 30万1千平方キロメートル
宗教 国民の97%がカトリック教徒
首都 ローマ(人口266万人)
政治体制 共和制(20州、うち特別州5)
元首 ジョルジョ・ナポリターノ大統領(2006年5月・就任、任期7年)
首相 ロマーノ・プローディ(2006年5月第二次プローディ内閣発足)
立法府 2院生
連合議会 下院定数630議席、上院定数315議席 ※終身上院議員7名を除く(任期はともに5年)
主な会派 与党中道左派連合(オリーブの木、左翼民主派、共産主義再建党、緑の党等)野党中道右派連合(フォルツア・イタリア、国民同盟、キリスト教民主・中道民主主義者連合等)
 
表3 イタリア共和国各省(18省庁)
外務省 (Ministero degli Affari Esteri)
内務省 (Ministero dell'Interno)
法務省 (Ministero della Giustizia)
国防省 (Ministero della Difesa)
保健省 (Ministero della Salute)
労働・社会保障省 (Ministero del Lavoro E delle Previdenza Sociale)
社会連帯省 (Ministero della Solidarieta' Sociale)
情報通信省 (Ministero delle Comunicazioni)
農林食糧政策省 (Ministero delle Politiche Agricole, Alimentari e Forestali)
文化財・文化活動省 (Ministero per i Beni e le Attività Culturali)
経済・財政省 (Ministero dell'Economia e delle Finanze)
経済発展省 (Ministero dello Sviluppo Economico)
国際貿易省 (Ministero del Commercio Internazionale)
環境・国土海洋保全省 (Ministero dell' Ambiente e della Tutela del Territorio e del Mare)
公共事業省 (Ministero delle Infrastrutture)
運輸省 (Ministero dei Trasporti)
大学・研究省 (Ministero dell'Università e della Ricerca)
教育省 (Ministero della Pubblica Istruzione)
各省ウェブサイト


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