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競艇沿革史

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


岡崎市
一 施行権獲得の理由
 昭和二十年七月十九日未明の戦災により、本市市街地域の大部分は、灰燼に帰し、しかも都心部を全部焼失したために、その財源の喪失は著しく、本市の財政上に一大欠陥を生じ、戦後の都市復興に大きな支障を来たしたのである。
 しかしながら、戦災直後から昭和二十九年に至るまでの間、戦災復興、都市計画事業の強力な推進により、戦災の災害復旧は外観的には一応その外郭の形を取り戻したが、災害による打撃は極めて大きく、その復旧に主力を注いだ結果、他の一般行政の立ち遅れは甚だしく、加うるに戦災により住宅難にあえぐ市民は数多く、庶民住宅の建設、学制改革および人口増加に伴う教育施設の拡充、教育費の増嵩、生活困窮者に対する援護事業、衛生施設の強化等、市民の要望に副うべく実現に努力せねばならない事態にあった。
 これらの義務ならびに臨時的経費の支出額は大きく、その一つ、一つが莫大なる経費を必要とする重要な事業であって、財源措置の確保には格別の努力を必要とする状況にあった。しかしながら、財政枯渇の理由でこれらの諸事業を等閑に付することは、当時の社会情勢からみて至難のことであるために、極度の冒険的財政上の措置をとりつつ、戦災復興、公共事業に重点を置き、施策を施してきたが、これらの重要事業は、年を追い累積し、早急に完成を要する状況となったのである。
 なお、市の周辺数ヵ町村から県の勧告に基づく本市への合併申し入れがあり、その町村の大部分は弱小町村であったために、これが育成にも新しい財源を必要とすることとなった。
 これらの事態に処するために財政難ならびに行政上の不均衡を緩和するための財源を獲得せんと市議会が中心となり、鋭意研究したところ、モーターボート競走法が制定されていることがわかり、戦災都市の財政緩和ならびに育成のためには極めて大きな役割を果していることを知ったのである。
 そのため、速やかにモーターボート競走施行者としての指定を受け、その収益をもって、庶民住宅の建設、生活困窮者援護施設の完備ならびに公民館の建設、教育体育施設の拡充強化、衛生施設として市民病院の建設等に充当すべくあらゆる努力を注いだ。
二 海事思想普及の見地から必要のため
 戦後の我が国が海洋の進出にまつ所大なることは論ずるまでもなく、それには、市民の海に対する認識と親しみを深めることが、唯一の所以と考え、本市は、海事に関する正しい知識を普及するため「海の記念日」を中心として海事知識の手びきの作成配布、小、中学生に対する海事標語の募集、海の図画コンクール展、映画会、講演会および鼓笛隊パレード等海事思想の普及に努め、加えて船舶事業の振興を図るとともに、諸産業の復興を間接的に促進すべく総合的な船舶工業の興隆を期したのである。
 
認可年月日 昭和三十年三月十八日
 
初開催年月日 昭和三十年十月一日
 
第一回売上金 六七、九二八、八〇〇円
(入場人員三〇、九〇〇名)
 
六 設置の動機
 岡崎市が戦災で受けた被害は、全焼家屋七、三一三戸、半焼家屋二三〇戸、死亡者二〇七名、罹災者三万二千名を出し、住宅の建設、道路の復旧、学校建築、衛生施設の強化等焦眉の急を要する問題が山積しているのに、市街地は殆ど全部が灰燼に帰したため、財源の喪失は著しく、復興財源を何れかに求めなければ、岡崎市の財政は破綻するという状態にあった。
 戦後、昭和二十三年七月十三日には競馬法の公布、同年八月一日には自転車競技法が公布され、つづいて、昭和二十六年六月十八日モーターボート競走法が公布された。
 これらは、いずれも関連産業の振興とともに地方財政を救済することが目的であったが、たまたま、この財政危機に、常滑市が競艇に成功し、その収益が市の財政に寄与し始めたのに刺戟され、昭和二十九年四月、天野房市議員が中心となり、岡崎市内を貫流している菅生川において、モーターボート・レースを開こうという気運が高まった。
 当時の政府の方針は、モーターボート競走場の設置について県内で一カ所の増設を認めることとなっていたので、市としても一日の猶予も許されないと、市議会総務委員会に競艇場設置の意向を説明したが、当時は、市民感情の反対が相当根強く、委員からも文教都市を標榜する市が財源獲得のためとはいえ賭けごとを始めるべきではないとの意見もあったが、競艇をレクリエーションと思う賛成派多数をもってこれを了承した。
 早速準備にとりかかり、菅生川を管理している県河川課に行き説明したところ、客観的見地から、はじめのうちは難航しつづけていたが、再々の交渉努力により検討された結果、モーターボート・レースのできるよう河川の幅員を広げてもさしつかえないとの内諾を得たので、有望候補地として委員が話し合った結果、菅生川の名鉄鉄橋下流付近がよかろうと意見が一致し設計調査を始め、それからしばしば準備の打ち合わせを行なった。
 岡崎市は、地勢的にも豊橋市、名古屋市とのほぼ中央に位置し、徳川家康公発祥の地であり、名所旧跡に富み、市の中央には、県下十名所の一つとして名高い岡崎公園をもち、西三河の経済文化・交通の中心であるため最も立地条件に恵まれていて、競走場施設としては、当時概算一億円という多額の建設費を必要とした。
 この建設計画案を県に対して、内申を得ようと打診したところ、本件は、蒲郡市からも以前打診があり立ち消えになっていたが、岡崎市から申請があれば蒲郡市もそれが再燃した場合、二ヵ所は許可出来ないので共同開催にしてはとの話があったので、両市において、それぞれ候補地について協議し調査選定したところ、競艇を行なうには、海国日本、海事思想普及の見地から舟に対する日本人の郷愁が深い海岸線において開催することが好ましく、かつ、当時は多額の建設資金に苦慮しており、また、施設についても自治省は、開催権は持っても施設は地方自治体として両市が持つべきでないとの条件があった折柄、蒲郡市において建設した場合、愛知競艇株式会社が施設を引き受けるという申し出もあったので、岡崎市もこれに同意することとなった。
 蒲郡市内の候補地としては、市役所南の海面を第一候補地としていたが、波も荒く、市の港湾計画の予定地になっているため断念し、また、第二候補地の塩津海岸および鶴ヶ浜海岸との説もあったが結局、現在の竹谷町太田新田に設置することになった。
七 概要
岡崎市営 蒲郡競艇年表
昭和二十六年
六月十八日 モーターボート競走法制定
昭和三十年
三月十八日 岡崎市開催指定認可
八月十三日 蒲郡競艇場開場式(全国二三番)
十月一日〜四日、八日〜十二日、十六日〜十九日
第一回 岡崎市営蒲郡競艇開催
入場人員 三〇、九〇〇人
舟券売上 六七、九二八、八〇〇円
昭和三十一年
六月三十日 蒲郡岡崎モーターボート施行組合を結成
七月十二日〜十五日、十九日〜二十二日、二十七日〜三十日
第一回組合営蒲郡競艇開催
入場人員 三二、八一六人
舟券売上 八七、二五三、四〇〇円
昭和三十三年
九月二十七日 蒲郡岡崎モーターボート競走施行組合解散
十月一日 蒲郡市、岡崎市の単独開催とす
十月十八日〜二十三日
岡崎市第一回競艇を開催
入場人員 一二、六〇〇人
舟券売上 三四、四九〇、一〇〇円
昭和三十四年
九月二十六日〜十二月十六日
伊勢湾台風により開催中止
十二月十七日 蒲郡競艇場再開、現在に至る
 昭和二十六年六月十八日公布施行になったモーターボート競走法による競艇場の設置については、常滑、半田についで県下三つ目の競艇場として、昭和三十年八月十三日から四日間開場記念処女レースを開幕した。
 同競艇場は、従来の競艇場と異なって、レース中は水門を閉ざして競走場内の海面は池と同様となり、波によるレース事故を防止しているのが一大特徴であった。
 競走場は一周六〇〇米で最長の場合は、一周一、〇〇〇米(マーク間五〇〇米)まで拡張できるようになっており将来は、マーク間が三〇〇米の短距離レース、マーク間五〇〇米の長距離レースとレース面にもバラエティーに富んだレースが実施されるよう最新式の施設を誇りとして完成された。
 当市は、前述した施行権獲得の理由により、昭和三十年三月十八日に認可され、競艇開催運営事業の諸準備を進めて昭和三十年十月一日、第一回岡崎市営競艇を、多くの期待と注視のうちに開催する運びとなった。
 当地域は、県立公園に指定され、風光明美な海岸として全国的に衆知されており、近辺都市として、当時の人口、豊橋市十八万、岡崎市十万余、豊川市六万余、周囲市町村推定五十万余という地域的環境に恵まれ、国鉄蒲郡駅、名古屋鉄道の蒲郡駅および塩津駅も近く、競艇場に通ずる道路は、県道岡崎蒲郡線である関係上、交通条件が特によく又一色町より西浦町、形原町を経て蒲郡市を貫く海岸線の県道もあって、競艇場の観客を二万名収容することを期したのである。
 昭和三十年九月東海海運局から、両市が運営について幅広くタッチするよう指示があったので、そのための組合を設立する運びとなり、岡崎市議会としては、昭和三十一年六月二十五日に「蒲郡、岡崎モーターボート競走施行組合」の規約を可決、又、蒲郡市においても六月二十三日の議会で承認され、知事あてに申請書を提出した。
 その結果、昭和三十一年六月三十日付けで知事の認可がおり、蒲郡、岡崎両市の蒲郡競艇直営による「蒲郡、岡崎モーターボート競走施行組合」を発足させることにした。
 この規約による組合の議員は二十名とし、両市から十名ずつの市議会議員を選任し、任期は一年とし、執行機関は両市長にて管理者一名と、助役二名、収入役一名で構成することを決めた。
 なお、事務所は、蒲郡市竹谷町の競艇場内に置かれた。
 昭和三十一年七月十日、蒲郡市役所にて初の会議を開催組合管理者以下役員を次のとおり決める。
組合管理者 蒲郡市長 竹内 司
助役   蒲郡市第一助役 伊藤市三郎
同    岡崎市  助役 浅岡 斉
収入役  岡崎市商工課長 井上保一郎
組合議会
議長  岡崎市 小林太七郎
副議長 蒲郡市 松井慶厳
議員 岡崎市
天野房市、近藤春次、鈴木耕三郎、鈴木喜平、佐藤庄吉、鈴木伊佐吉、平沢伝治、八田 清、近藤明二
蒲郡市
井立縫次、大場忠治、石井 語、平野又治、竹内吉二、松永 清、金田菊治、浅井重雄、杉浦武夫
 以後運営上について、利益配分の問題もあったが、両市において解決に努めた結果、次の協定により、昭和三十三年十月一日以降、蒲郡市営および岡崎市営とし、それぞれ単独開催することになった。
協定事項
一 単独開催
二 委託経営
三 十四日間開催
四 オーナーは将来考慮する
 以来各層各世代にわたるファンの増加は、今日の蒲郡競艇の強力なバックボーンとして、また、関係各位のご厚情のもとに発展成長し今日に至った。
 この間、昭和三十四年九月には、伊勢湾台風により三河地方はもとより競艇場もまた、未曽有の大被害を受け、再建途上において世論は、競艇存廃論の相当厳しい時代に直面したが選手はスポーツとしての品位の向上と節度を守ることに努め、なお、一層の健全娯楽性の強化と恒久化等に努力し、施設改善を行なうとともに収益は、市の発展に広く活用すべく、当初の戦災復興事業を始め、住宅、学校の建設、失業対策事業、土木事業、体育観光事業、道路交通施設の安全整備、既成市街地の都市改造等重要施策のための財源として大いに自治振興に貢献してきた。
 
昭和30年度〜41年度 収益金使途
 
昭和30年度〜41年度 収益金グラフ


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