5.(1)ヤドカリは、バクテリアを食べているか?
(2)バクテリアとプランクトンはどう違う?
まずは最初の質問に答えます。・・・でもそういえばヤドカリの食べ物について、あまり話を聞きませんね。たとえば、タコだったらエビやカニ、イソギンチャクだったら小さな魚、ヒトデだったら二枚貝、ラッコだったらアワビやウニ・・・などなど。
それもそのはずで、多くのヤドカリは特別なものを食べるのではなく、何でもたべる性質があります。こういう特徴を雑食性(ざっしょくせい)と言います。だから魚の死がいが落ちていればそれを食べるし、海そうなども食べるそうです。そういった意味で海のそうじ係ですね。
じゃあバクテリアを食べるかといえば、・・・これまたむずかしいですね。
つまり、ヤドカリの口も、はさみも、バクテリアをえらんで食べられるほど小さくはありません。だから、バクテリアを食べようとはしないと思います。しかし、魚の死体を食べるときには、魚といっしょにバクテリアもおなかの中に入ってしまいますから、バクテリアも食べていることになります。
でもこういうのを「食べている」と言ってしまうと、私たちだって、バクテリアを食べていることになります。・・・なぜなら、肉にだって、野菜にだって、バクテリアはついているからです。むずかしい質問でしたが、“ヤドカリはバクテリアを食べているのではない”というのが答えになります。
二つめの質問への答えです。
バクテリアとは、体のつくりが原始的な、小さな生き物を指します(注:詳しくはこのページの最後を見てね)。バクテリアはいろんな生物が食べ残したものなどを(有機物(ゆうきぶつ)という)分解する働きがあります。だから海にもいますし、川にもいます。それだけではなく、山にもいれば、私たちの体のなかにだっています。
ビブリオ菌というバクテリア
1μmは1mmの1000分の1
鉄バクテリア
プランクトンとは、海にいる生き物のなかで自分で泳ぐ力がない(弱い)のに、水に浮いているような生き物をいいます。アサリは自分で泳ぐ力はありませんが水に浮いてもいないのでプランクトンではありません。魚は水に浮いていますが、泳ぐ力があるので、プランクトンではありません。プラクトンと呼べるのは、水の中をただよっている小さい生き物、または大きくてもクラゲのようにぷーか、ぷーかしているもののことです。
植物プランクトン
クラゲもプランクトン
(注)バクテリアをもう少していねいに説明すると次のようになります。
核膜、ゴルジ体、ミトコンドリアなどの細胞のなかの小さな器官を持たない原核細胞からなる単細胞生物・・・うーむ。むずかしいね
先にお話したバクテリアの中には、水の中をただよっているものもいます。それらはプランクトンです。でも水の中にいないようなバクテリアたちは、プランクトンではありません。
なにか混乱してしまいますが、プランクトンというのは生物の生活の仕方を基準にした分け方の一つです。プランクトンのほかにも、泳ぐ力のある生き物(魚、イカ、クジラ)などをネクトンと呼びますし、海底や岩の上などを生活の場所としている生き物(貝、カニ、ヒトデ)などをベントスと言います。
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