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3. 日本の他にアマモを植えている国は?
 じゅぎょうでもお話しましたけれど、アマモにはどんな働きがあるのでしょうか。
 
小さな魚のゆりかごにもなる(タツノオトシゴなどがそうでしたね)。
卵を産みつけることもできるね(アオリイカも卵を産みますね)。
海に酸素(さんそ)を送っていますね。
水の汚れを吸収してくれる働きもありましたね。
 
 
 
 
 
 このように海の生態系のなかで重要な役割を果たしているアマモですので、外国でも積極的に植える人たちがいるそうです。アマモ再生会議のヒトに聞きましたら、アメリカ合衆国、オーストラリア、フィリッピン、韓国、ドイツ、オランダ、スペイン、フランス、イタリア、チュニジアなどでも植えているそうです。
 
 具体的な国の名前は分かりませんが、2001年に海草ネットという団体ができて、アマモ場を守るために世界15ヶ国で活動しているそうです。世界には西柴小学校アマモ隊の仲間がいるのですね。
 
4. 海の雑草はあるか?
 これはむずかしい質問ですね。・・・ところで雑草ってなんだろう?
 
 私たちがきれいな花を咲かせたくて、花だんにタネを植えたとします。
 それなのに別の植物が生えてくると、“雑草”だからといってむしってしまいますね。この場合、きれいな花を咲かせる植物以外を雑草と呼びますね。
 お百姓(ひゃくしょう)さんは、お米をつくっている田んぼに、別の植物が生えてくると、雑草だ、といってむしってしまいますね。この場合イネ以外の植物を雑草と呼びますね。
 
 それでは花を咲かせるための花だんにイネがはえてきたら、どうするでしょう?きっとイネをむしりますね。逆に田んぼにきれいな花が咲いたとしても、お百姓さんはきっとむしってしまいますね。
 
イネは雑草ですか? きれいな花は雑草ですか?
 
 むずかしいですね。
 人間が大切と思えば、雑草ではないし、じゃまだと思えば雑草になってしまいます。
 
 三浦半島(みうらはんとう)に走水(はしりみず)海岸という海水浴場があります。ここにはたくさんのアマモがはえていますが、アマモがたくさんはえていると海水浴場のお客さんが気持ち悪がるので、海の家のおじさんたちはアマモを刈り取っているそうです。みなさんが大切にしようとしているアマモも、別の場所では厄介(やっかい)ものの雑草になっているですね。
 
 しかしアマモを刈り取っている海の家のおじさんたちを、一方的に「ひどーい!」とせめるのも考えものです。私たちだって、花だんの草をむしっているのですから。みなさんには、いろんな考えや立場の人がいることを学んで欲しいと思います。


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