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資料5 東京都小中学校環境教育研究会主催 「平成17年度研修会」
 
1. ホームページ公開(活動実績 教員研修)
東京湾の汚染を探る
〜子供たちに何を説明し、何を考えさせるか〜
東京都小中学校環境教育研究会主催 平成17年度研修会
 2005年10月29日東京都小中学校環境教育研究会(会長 飯田滋 杉並区立泉南中学校長)による研修会がお台場で開催されました。開催に先立ち、広報副部長であります久松小学校の杉本先生からご相談を受け、当財団がお手伝いさせて頂くことになりました。
 
 当日は、当財団の菅原善則が総合進行役を、生物水処理研究所の清水透さん、船の科学館の小堀信幸さんと藤井美恵さん、そして当財団の福島朋彦、菅家英朗、日野明日香が講師を務めることとなりました。フィールド観察あり、船の科学館での実験あり、講演ありと盛りだくさんな研修会でした。当日の様子を日野明日香がご報告します。
 
■概要
 本研修は、小中学校教諭を対象とした研究会の一環として毎年実施されているものです。当財団は昨年度からお手伝いさせていただいていますが、本年度は(1)東京湾の生物観察(2)東京湾の汚染調査(3)下水と海洋の相関関係の3つにトピックスを設定し、お台場の海を使って子供たちにどのようなことを教えられるかを考えました。
 
■詳細
 
まずは参加者全員で自己紹介
 
 当日の集合場所はお台場海浜公園駅。カップルや楽しげな家族連れが行きかうなか、参加者をお出迎えしたスタッフは長靴とリュックという奇抜な?格好でしたので皆さんすぐに集合することができました。
 参加者は江東区や台東区、狛江市など東京都各地の小学校・中学校からお集まりいただきました。
 総合進行役の菅原研究員を皮切りに、それぞれの自己紹介が和やかな雰囲気で進み、いよいよフィールド観察の始まりです。
 
 今回の研修のテーマは「東京湾の汚染を探る」ですが、お台場の海で子供たちにどのような授業ができるかを考えることも目的のひとつでした。そこで1. 子供たちをつれた野外観察で注意すべきこと、2. 子供たちと一緒にできる簡単な水質測定方法、3. カブトガニの目を借りたお台場の環境評価という3つのテーマについて各研究員が説明をしながら、フィールド観察を行いました。
 
1. 子供の引率と海の安全のために
 
 
 海辺での自然観察は子供たちに豊かな体験を提供することができます。しかし、海辺を舞台にした活動には、陸上では経験しないさまざまな危険が潜んでいます。砂浜や磯、直立護岸などタイプ別の注意点を菅家研究員が説明しました。
 
2. お台場はどんな海?
Part1−簡単にできる水質調査−
 海の汚れにはゴミや汚濁など子供たちが見ただけて評価できるものもありますが、Phや溶存酸素量など測ってみてはじめてわかるものもあります。そこで屋外でできる簡単な水質検査について器具の使い方や、測定結果の説明の仕方など清水さんや小堀さん、福島研究員がデモンストレーションを行いました。
 
今日の塩分濃度はいくつかな?
 
3. お台場はどんな海?
Part2−カブトガニをものさしにして−
 海の環境は私たち人間の目を通してだけでは、気がつかなかったり評価できなかったりするところがあります。そこで、ある生き物を取り上げて、その生物の気持ちになってお台場の海がどんな海かと考えてみることが有益です、今回は子供たちも人気の高いカブトガニの目を借りて、私日野が、お台場の海を評価してみました。
 
透明な海水もネットで濾すとプランクトンがたくさん見えます
 
簡単なキットを使った水質実験
 
 フィールド観察の後は、船の科学館へ移動です。道中、船の科学館の小堀さんからお台場の歴史についてお話をうかがいました。また、船の科学館が行っている水質測定実験を藤井さんに教えてもらったあと、いよいよ下水道に関する清水さんの講演です。
 
4. 下水道について
 水質汚染を防ぐためには下水道の整備が効果的です。それでは、下水道ができる前の社会ではし尿の処理はどうしていたのでしょうか?下水道ができる前のヨーロッパや日本での取り組みについて、清水さんからお話をうかがいました。面白い小話を交えた講演はとても興味深く、なかでも、ハイヒールや山高帽が街中に散乱する汚物から身を守るために発明されたというお話には参加者一同びっくりしました。
 
 
 当日は生憎の空模様で、途中から雨がほつぼつと降り出しましたが、参加者の皆さんには最後まで熱心にご参加いただきました。講演後の意見交換会では参加者同士の話が弾み、13時から始まった研修会の終了は、なんと20時を過ぎました。お台場の海を使って子供たちが楽しく学べるように、これからも先生方と一緒に考えていきたいと思います。お疲れ様でした。
 
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