日本財団 図書館


1.3.4 内陸河川港の物流現状
1.3.4.1 取扱量
 2004年、中国における内陸河川港の貨物取扱量は前年比32.5%増の16.3億トンに達し、中国全国港の貨物総取扱量の39.1%を占めている。同年の中国内陸河川の「規模以上の港」では貨物取扱量が前年比28.9%増の8.43億トンに達し、中国内陸河川港の貨物取扱量の51.7%を占めている。
 
表12 2004年の中国における内陸河川港の貨物取扱量
項目 2003年 2004年 増加率(%)
(1)内陸河川港貨物取扱量(億トン) 12.3 16.3 32.5
うち対外貿易貨物取扱量(億トン) 0.87 0.99 13.8
コンテナ取扱量(万TEU) 412 498 20.9
(2)内陸河川港旅客取扱量(億人回) 1.19 1.23 3.4
出典:2004年中国航運発展報告書
 
表13  2004年の中国における内陸河川港の貨物取扱量ランキングトップ10位
順位 貨物取扱量(百万トン) 増加率(%) 中国内陸河川の「規模以上の港」の貨物取扱量に占める割合(%)
1 南京港 95.89 43.4 11.4
2 蘇州港 90.59 43.2 10.7
3 南通港 72.18 41.7 8.6
4 杭州港 48.64 53.7 5.8
5 鎮江港 48.39 57.7 5.7
6 武漢港 42.81 23.9 5.1
7 湖州港 33.24 42.1 3.9
8 江陰港 26.83 20.8 3.2
9 蕪湖港 18.31 23.0 2.2
10 馬鞍山港 17.13 67.3 2.0
出典:2004年中国航運発展報告書
注:蘇州港には常熟港、太倉港、張家港港を含む。杭州港は運河銭江港、余杭港(山港を含む)と蕭山港を含む。
 
 2004年、中国内陸河川の「規模以上の港」の貨物取扱量は大幅に増加した。2004年の中国における内陸河川港の貨物取扱量ランキングを見ると、馬鞍山港、鎮江港と杭州港の貨物取扱量の増加幅は50%を上回り、南京港、蘇州港、南通港と湖州港の貨物取扱量の増加幅は40%を上回る。2003年と比べ、鎮江港は2003年の第6位から第5位に上がり、武漢港は2003年の第5位から第6位に下がり、馬鞍山港は第10位に入り、南京港、蘇州港、南通港、杭州港、江陰港、蕪湖港の順位には変化がない。2004年の内陸河川港ランキングトップ10の貨物取扱量は計4.94億トンであり、内陸河川の「規模以上の港」の58.3%を占めている。
 2004年の内陸河川港ランキングトップ10の地域分布を見ると、8港は揚子江幹線に分布、2港(杭州港、湖州港)は京杭大運河に分布している。珠江水系の内陸河川港はランキングトップ10に一つも入らなかった。
 
表14  2004年の中国における内陸河川港の旅客取扱量ランキングトップ5位
(単位:万人回)
順位 主要港 2003年 2004年 増加率(%)
1 瀘州港 381 357 -6.3↓
2 万州港 344 289 -16.0↓
3 重慶港 255 237 -7.1↓
4 宜昌港 145 199 37.2↑
5 陵港 137 131 -4.4↓
出典:2004年中国航運発展報告書
 
1.3.4.2 主要貨物種類別の取扱量
 2004年の中国における内陸河川の「規模以上の港」の主要貨物取扱量は大幅に増加した(以下表15を参照)。うち金属鉱石の増加幅が前年比79%増で量も大きい。つぎは石炭であり、2003年より40.9%増加した。その他の主要貨物の増加幅も20%以上と高い。2000年から2004年までの中国内陸河川の「規模以上の港」における主要貨物の貨物総取扱量に占める割合は60〜70%の間で、金属鉱石、石炭などの主要貨物は中国内陸河運送業の中に安定的な状況にあると見られる。
 
表15  最近5ヵ年の中国における内陸河川の「規槙以上の港」の主要貨物種類別の取扱量
(単位:百万トン)
2000 2001 2002 2003 2004 2004年増加率(%)
石油及びその製品 73.54 64.48 68.25 80.09 101.88 27.2↑
石炭 80.25 80.38 98.18 105.85 149.14 40.9↑
金属鉱石 42.71 51.62 57.30 63.31 113.31 79.0↑
非金属鉱石 25.46 29.03 29.82 33.75 41.21 22.1↑
鉱石建築材料 72.17 91.65 114.82 125.69 153.78 22.3↑
食糧 13.12 13.35 14.52 14.63 17.86 22.1↑
小計 307.25 330.51 382.89 423.32 577.18 26.3↑
貨物総取扱量に占める主要貨物の割合(%) 69.1 67.4 67.1 63.9 66.8
出典:2004年中国航運発展報告書
 
図8  2004年の中国における内陸河川の「規模以上の港」の貨物種類別取扱量の割合
出典:2004年中国航運発展報告書
 
 2004年の中国における内陸河川の「規模以上の港」の取扱貨物の内訳をみると、ウエイトが最も高いのは鉱石建築材料であり、内陸河川の「規模以上の港」の貨物総取扱量の18.2%を占めている。つぎは石炭及びその製品であり、17.8%を占めている。第3位は金属鉱石であり、13.4%を占めている。第4位は石油及びその製品であり、12.1%を占めている。
 揚子江幹線の「規模以上の港」における貨物種類別取扱量を分析すると、最も多いのは金属鉱石で、内陸河川の「規模以上の港」の貨物総取扱量の20.6%を占めている。つぎは石炭及びその製品であり、19.5%を占めている。第3位は石油及びその製品であり、17.0%を占めている。第4位は鉱石建築材料であり、9%を占めている。
 
図9  2004年の中国における揚子江幹線内陸河川の「規模以上の港」の貨物品種別取扱量の割合
出典:「2004年中国航運発展報告」、をもとにMIRUとりまとめ


前ページ 目次へ 次ページ





日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION