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荒川 勝巳(あらかわ かつみ)
(昭29.3.5生)ケニア共和国
 
 ケニアにNGOを設立し、ナイロビ近郊に保育所と児童養護施設を作り現地スタッフと共に母子家庭、孤児、貧困家庭の子ども達を支援し、職業訓練を行うなど、地域の人々に尽くされている。
(推薦者:日本中近東アフリカ婦人会 名誉会長 重光 綾子)
 
Mr. Katsumi Arakawa
(Born on March 5, 1954)
Republic of Kenya
 
 In 1994, Mr. Arakawa established a NPO, Saidia Furaha, and built a nursery and an orphanage on the outskirts of Nairobi. With the help of local staff, he is serving the local community through conducting job training and supporting orphans and children of fatherless families and impoverished households.
Recommended by Honorary chairman Ms. Ayako Shigemitsu
The Middle East and Africa Women' s Group in Japan
 
 荒川さんは、1985年、ケニアの首都ナイロビにある児童養護施設でボランティアとして働き、1987年から1990年までナイロビ近郊の児童養護施設で働いたことからケニアに深く関わるようになった。1992年、スラムの子ども達支援のためケニア人とNGO「サイディア・フラハ」(S.F.O.)の開設準備を始め、1994年3月、ケニヤ政府からNGOとして認可された。1993年ナイロビ南東30kmのキテンゲラ町に土地を買い、主に母子家庭の子ども達の保育所を建て、貧困家庭への支援活動を始め、1996年にはその隣に児童養護施設を建てて孤児の養育を始めた。
 S.F.O.の運営には荒川氏と現地スタッフがあたり、裁縫・ニット教室や講師を招いて毎月セミナーを開催、保健・育児・女性自立に向けた社会人教育を行うなど、地域コミュニティーを積極的に支援している。そして、文化の違いによるケニア人との意志疎通の困難を乗り越え、子どもの権利擁護、教育の改善、女性の自立に貢献している。その結果キテンゲラ町の人々の信頼を得て、地域のクリスチャングループ、若者グループ、女性グループ等の訪問や寄附が増えている。また2004年には職業訓練センターを開設し、貧困家庭の児童に職業教育を施し、一般家庭の児童の授業料や生徒が作る製品の販売益によりS.F.O.の財政的自立を目指している。当初、活動資金は荒川さんが帰国してアルバイトやカンパ支援等で集めてきたが限界があり、現在では荒川さんの支援の訴えに応えて生まれた「サイディア・フラハを支える会」(東京都)が、活動を運営・資金両面で支援している。日本の支援者には、荒川さんからの「ビョンボ通信」による近況報告や、年一回帰国の際に活動報告会や講演会が行われる。
 
受賞の言葉
 表彰され大変光栄です。
 私はこの表彰を励みにして、アフリカの子どもへの支援活動へ増々かかわっていくつもりです。もっともこの表彰は私個人としてでなく、サイディアフラハの活動に尽しているケニアの人々や日本で支援してくださる人々とともに受けたものと考えています。そこでこれからもこれらの人々と一緒に活動に努めます。
 
 
児童養護施設のこどもたちと夜の勉強風景
 
小学生への土曜日の給食
 
職業訓練センター裁縫教室
 
職業訓練センターと保育園の合同朝礼


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