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うらやましいつがね

 事業名 <郷土学>津金学の新構築−「結い」から生まれる地域文化と再生活用実学
 団体名 文化資源活用協会 注目度注目度1


インタビュー
土地に溶け込んで、泥だらけになりたいというのが理想です。
阪野一郎さん
さかの・いちろう
ミュージシャン
映像・イベントディレクター
大阪府生まれ。北杜市須玉町在住。音楽グループとして活動し、3枚のアルバム、サウンドトラックなどに参加。楽曲提供を行う。また、映像制作にも携わり、ディレクターとして様々な作品制作も行う。
2005年新たな制作環境として、津金旧農協米蔵を求め、同地に「有限会社ベジタブルマンスタジオ」を設立する。
 
 農協の米蔵を音楽スタジオにしようとひとりの若者が「つがね」にやってきた。
 阪野さんは「つがね」にどんな思いをお持ちなのかお話を伺ってみました。
 
−どういう経緯で「つがね」へいらっしゃったのですか?
 
 私の仕事の基本は音楽です。イベント舞台の仕事から、ディレクターをするようになり、自分のスタジオを持とうと思い機材を揃えました。ネットの発達もあり、東京じゃなくてもっと環境のいいところもいいだろうと、ここ5年ほど考え、場所を探しました。また都内では、ちょっとした音でも騒音といわれてしまいます。いろんな自治体にオファーを掛けたら、結構多くから「来てください」といわれました。そのなかで知り合ったのがNPO文化資源活用協会でした。良くいえばナチュラル、多少ぶっきらぼうでも素直なところに、津金はいいところだなあと思いました。そこで紹介していただいたのが農協さんの倉庫でした。ひとめ目で気にいっちゃいましたね。
 
−空いた土地に自分で建てようとはお考えにならなかったのですか。
 
 資金面もありますが、古い建物の風情が好きなのでしょうね。東京ではスタジオを新築ビルに造りたがりますが、海外では、古い屋敷や城跡を当たり前に活用します。自然なエコーがきいたり、その造りを活かしてシンプルに作ってあります。建物本来の姿のまま活かし使うのがいいと思います。都会にがーっと集めたがるのは日本人特有ですよね。それはいやなので。
 
−実際、始めてみていかがですか。
 
 幸い、いろんな人が集ってくれているのでよかったです。知り合いのデザイナーやミュージシャンが、距離感を感じずに頻繁に集まってくれています。彼らの力を借りながら自分でレコーディングのコントロールルームも、作っています。本当はスタジオの近くに引越したいのです。空き家を探しているのですが、土地になじんでいかないとご紹介いただけない。長く人となりを見ていただくことが大事かと思っています。
 
 
 
−二月のワークショップのことを聞かせてください。
 
 参加された方は、津金という場所を「知らなかった」というのが多かったんです。八ヶ岳に来てもいままで知らなかったと、新鮮に思ってくれたようです。ワークショップというのは、先生がいて、作業を教えて終わりですが、夜の懇親会では、津金の地元の方とお酒を飲んだり楽しかったようで、次はいつやるのといっています。よそでもワークショップはよく開催されますが、地元の方とふれあうことがない。自分たちで完結して広がりがないのです。いまは、スタジオの近所の方に、お昼すぎてまだ作業していると、「もうお昼だよ」と声掛けていただいたりして、いいつながりができてきました。
 
−空き家の取組みがNHK番組に紹介されて以来、NPO文資協にも問合わせが沢山あります。
 
 私はセカンドライフ的な生き方を求めてきているわけではないので他の方の意向はわかりません。私は舞台の仕事の中でも、地方をまわる仕事が多いことがきっかけで東京を離れ、地域に住もうと考えました。各地にいく機会も多く、いろいろな人に知り合う機会も多かったので、地元の芸能の面白さも分かります。ここ津金には神楽もありますし。移住した人だけが集まるだけのはいやなので、土地に溶け込んだり土にまみれたりしたいというのが私の理想です。
 
−津金にきてみていかがですか。
 
 地元の方は、よく知ってもらいたいけれど大勢の人に踏み荒らされるのはいやと、裏腹だと思うのですが、うまく共存できたり、より良い個性が出来ていけばいいと思います。人が来た帰っただけではなく、例えば音楽や芸能、芸術作品や絵でもいいんですが、それらが蓄積されていければなあと思います。米蔵の外装の壁面は、基本的に開放しようと思っていて、絵を描きたい人はかけばいいし、それが名物になって、「あの変なスタジオの前で待ち合わせ」となるかもしれない。うちの前がバス停ですから。(笑)あっちこっち乗り降り自由ですから、いろいろなところに参加して出来ればいいなと思います。
 
−阪野さんは、30歳代で世代がまた違うと思うんですが、地域への係り方とは?
 
 地方では、自分で仕事を作らなければならないと思いますが、やる気を出せば出来ると思います。
 
−空き家の活用の仕方、問題をどう捉えていますか。
 
 深刻な問題ですね。須玉町に引っ越しましたが、本当はスタジオの近くに住みたいので空き家を探しています。家は使わないと傷むので、人が住み、行き来するようになればいいし、住む人が増えればいいと思います。空き家はなんか気味悪いじゃないですか。よくよく見るといい建物だったり、お互いに心を開き、門を開いていけばいいと思います。自分がどんな思いでやっているかを知ってもらわないと無理だと思うんです。東京だと、賃貸であれば壊れても大家さんが直してくれますが、田舎ではおかしくなったら、自分で直すが基本ですね。自活、自立していく人でないと生きていけないのではないかと思います。自立しないと人を助けてあげられないですからね。
2006年5月23日(インタビュー・文起:吉本)


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