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2)総括ミーティングII
個人発表 テーマ:
「研修前と研修後の心境の変化 〜Before & After〜」
「将来に向けて今何をすべきか」
 
【岡田 拓巳】
・改めて目標に至るステップが見えるようになった。いろんな職業の人たちと保健に限らず健康や医療に関わっていくことがしたいと漠然と思っていたが、改めてその思いを強くした。まずは自分の売りを作っていこうと思う。
・これまでテレビや本でしか知らなかった国際保健の世界の人たちの顔がはっきり見え、その成果や、そこで暮らす人たちの生活を目の当たりにした。どこでどういう人が生きているのか知ることができ、国際保健や厚労省のニュースや出来事が以前より身近になった。将来働きたい場所の一つとして目指していきたいと思う。
・同じ学生でもここまでレベルが違うのかと焦りと尊敬を覚える仲間と出会うことができた。いい意味で刺激を受け、これからのエネルギーに換えていけそう。
 
【金子 祥】
・自分自身の生き方全体を考えた。視野が広がり、いろいろな選択肢があるということを学ぶことができ、自分の中で納得の行く人生を歩む為に、さらに考え続ける必要性を感じた。
・自分に足りないことが何であるかがわかった。行動的で積極的で多様な見方の出来る仲間達に大いに刺激された。
・昨年の報告書などを見て、他のメンバーと本当にこんなに仲良くなれるのかと疑問だったが、今は一番の収穫はこのメンバーで研修が出来たことであると思う。このメンバーだったからこそ学ぶことが出来たことがたくさんあって、それは本当にすばらしい経験となった。
・普段、大学などでリーダーシップを発揮しているであろうメンバーのリーダーを務めさせてもらうことで、改めてリーダーシップとは何か、自分の個性とは何かについて考えさせられた。自分の良さを生かした仕事をしていきたいと思う。
 
【貞方 里奈子】
・ハンセン病を始めとした様々な分野への援助をされている、笹川記念保健協力財団の援助が現地でどのように行われているのかを、援助を受けている地方の保健所、療養所、研究所などの様々な観点から実際に話を伺い、これからの医療やそれを囲む社会環境のあり方・援助のあり方など多くのことを考えることができた。
・西太平洋地域の国際保健を統括しているWPROという大きな行政組織では、国際保健という多くの問題を抱える分野に対してどのような姿勢で挑めば良いのかという、私が最も悩んでいる点について、事務局長を始め諸先生方にアドバイスを頂くことができ、六年間の自分自身の活動を将来につなげる集約点を見つけることができた。
・一国の保健状況を住民のニーズに合うように改善しようとするときには、現状の厳しい財政・社会状況を踏まえる必要もあるし、本当のニーズとは何なのかを実際に見聞きしたり十分に分析しないと、本当のニーズにあった施策はできないことがよく理解できたので、そのことを念頭において、世の中の出来事・人々の意見・歴史などについて日頃から注意して情報収集しようと考えている。
 
【関 浩道】
・世界が広がった。WHO, JICA, NGO, hospital, clinicなどを訪問していろいろな保健協力のあり方に接しながら、自分はやはり草の根の活動から入りたいという思いを確認した。
・現場の声の必要性をより強く感じた。特に全体のシステムを考えるような立場にこれから先なる人は、現場を理解することがたやすいとは思わずに、現場に入り込んだり現場の人の話を真摯に深く聞き出すことを大切にして、そこから得たことを元に総合的な視点で仕事をして欲しいと感じた。
・自分の将来として国際保健に携わっていかなければならない、という強い束縛感はない。将来自分がやりたいこととしての根本には、自分の興味が持てる分野であり、かつ、あまりまだ人材が足りてない分野でがんばりたいという気持ちが存在する。専門性を高めて手に職をつけた後に、日本国内だけでなく海外、特に発展途上国など人材が必要とされているところで貢献したい。
・この研修を通して信頼できる仲間が増えたり、尊敬できる先生方に会うことができたと思う。それがこのプログラムでの一番の財産か。これから先もいい出会いを大切にしたい。
 
【飛永 雅信】
・途上国の問題は、一朝一夕に改善をみるものではない。経済、社会構造、宗教、文化、歴史に関わる非常に根深い問題と考える。自分に何ができるのか、自分は何がしたいのかという所で自分自身、いまいち心の整理ができていなかったと思う。
・今回のプログラムに参加して、こうした状況に対して色々な立場の人達が、様々なアプローチで仕事をしていることを知り、答えが一つでないことを知った。これが今後の自分の進路を考える6年生という時期で良かったと思う。
・今後は大所高所からというより、NGOのような組織に属しながら、実地で国際医療協力の世界に関わっていきたいと思う。当面は、医師としての基本的な臨床能力、更には専門知識を身につけるべく精進したいと思う。
 
【福永 真人】
・今、僕達がすべきことはこの体験・経験を周りの人たちに伝えていくこと、横のつながりを維持していくことだと思った。
・将来何をするかは決まっていないが、その時点でのBESTを尽くすこと、情報に対して常にアンテナを張り、行動していきたいと思う。
・尾身先生の話で“人のため”と思わず、“自分が何をしたいのか”を中心とした方が良いと言われ、自分が他の学部よりも2年も多く6年間医学部で学んでいることに対する心のもやもやが晴れた。
 
【今井 健太郎】
・医療だけでなく多方面の知識(経済、政治、歴史など)をつけたいと思う。また、様々な分野の人との出会いを作り、知識を吸収することで選択肢を広げることに努力したいと思う。将来やりたいことにつながる経験をたくさん積んで、土台をしっかりとさせていきたいと思う。
・将来は国際保健医療にかかわる仕事につきたいと考えている。様々な情報を得て正しい判断をすることも重要だが、学生のうちの純粋な考え方を捨てずに、あやまちを恐れずにやりたいことに全力をつくしたいと思う。今後もこのフェローで得た出会いを大切にしていきたいと思う。
 
【関谷 悠以】
・今、私達にできることは、好奇心を抱き、アンテナを張って情報を収集することだ。学生の間は視野を広く持ち、興味の幅を狭めないようにしたい。そして何よりも大切なのは、自分のやりたいと思うことを心に留め、それを励みに勉学に勤しむことだろう。
・アンテナからは受信するだけでなく、発信もしていきたい。情報を共有し、意見を交換し合うと、多方面から物事を考えられるようになるため、それぞれの考えに深さが増す。そのためにも、ここで得た仲間や先生方とのつながりを大事にしていきたい。
・私がこのフェローシップを通して感じたのは“日本”を知ることの大切さである。外にばかり目を向けるのではなく、自国の現状を知り、問題点を考えていくことは、日本人として必要なことだと思う。日本人としてのidentityを忘れずにいたい。
・私は将来、臨床医としてしばらく働いた後、Master of Public Health(MPH)を取得し、フィールドに出て地域保健に携わるプロジェクトに参加したいと考えている。フィールドで実地経験を積んだ後は、国際機関で働くことにも憧れている。今、特に興味がある分野は、母子保健とHIVなどの感染症対策だ。今回フェローシップに参加して、将来への不安や迷いはなくなり、国際保健協力に従事したいという思いは以前よりも強くなった。ここで学んだことをぜひ将来に活かしていきたい。
 
【筒井 りな】
・研修を終えて改めて自分を見つめなおしてみると、私は、目の前で困っている人に対して直接的な力になりたいという思いがあり、必要とされるところで働きたいという思いを持っているのかもしれない。それ故に、必要があるのであれば、その活動の場が国外であるか国内であるかは、自分の中で関係のないことなのかもしれない。研修する前に抱いていた漠然とした国際医療協力に対する思いというものは、もしかしたら、物質的、技術的、そして、人材的に日本より不足している開発途上国に対し、より多くの必要性を感じとっていたために生じたものかもしれない、と今は思っている。
・いろいろな世界に触れて視野を広げ、自分に可能な選択肢の数を増やしたい。自分が生涯を通してやりたいこと、本当に興味が持てることとは、一体何なのかを常に問いながら毎日を過ごしていくことが大切であろう。
・人生はフルマラソンのようなものだと思っている。周囲の状況を伺いつつも、自身の能力について試行錯誤し、スパートをかけるチャンスを狙っている段階ではないだろうか。ゴール(将来)へ向けて、あせらずに、しかし着々と歩を進めていきたいと思う。
 
【船橋 浩一】
・西村先生、尾身先生など自分が関心を持つ分野で実際に活躍されている方々のお話を聞き身近に接しさせて頂く事で、自分の考え方、今後の方針を再確認する事が出来た。WPRO、JICA、DOH、RUH、バランガイ、NGO、大学など保健に関わる様々な立場の多くの方々と会い、話をする事が出来た事が一番の学びであったと考える。
・WHOやUNICEFなどで途上国保健システムの構築、システム内業務の効率化や円滑化を進める様な仕事をしていきたい。何年も先の事になるだろうが、やれるだけの準備をして、その場その場で柔軟かつ頑固に進む道を決めていきたい。
・やるべき事は具体的に大きく二つ。Skillを磨く事と人間力を磨く事。
Skill 今後数年は医学とPublic Healthの学習・研修をしっかりと行いたい。
人間力 様々な人に会い、それぞれの長所を貪欲に吸収していきたい。
・力なき正義は無能、正義無き力は圧政である。ゆえに正義と力は平行しなければならぬ。
パンセ(パスカル)より
・何より今回のフェローの仲間と今後も会う機会を持ち続け、人の輪を広げていきたい。
 
【赤木 奈々】
・もともと人のために働きたいという意思があり、それを発揮できる場として国際医療保健協力に興味をもっていたが、今回rural health unitなど、直接地域の人々に関わる現場を訪れ、自分ひとりでできることは限られているから、何らかの形で中枢に関わり、根幹からシステムを改善して、より多数の人々の利益に資する仕事をしたいと思うようになった。
・医師として働く、または中枢で働く事は、一つの立場からしか物事を捉えられない視野の狭さにつながりかねないと思う。Barua先生がおっしゃっていたように「人の中に入って学ぶ」姿勢を大事にして、多面的な視点を忘れないようにしたいと思う。また、自分が何をしたいかという事を常に自分に問いかけようと思う。
 
【城下 卓也】
・いろいろな人と話をする中で、WHOで働く上で専門性は必須であるとの話があった。管理能力プラス専門性が求められていると感じた。もちろん、WHOでなくても必要な能力であると感じる。今勉強している寄生虫・感染症のほかにPublic Healthを日々の生活の中から様々なものに興味を持って学んでいきたい。
・バランガイでJICAのプロジェクトをみて、地域に入って働くことの大切さを感じた。Barua先生の話の中にもあったように、まずその地域の人と仲良くなり、その地域を知ることの重要さを再認識した。最終的に国際保健に関わっていくならば、ここだろうと感じた。
・今回のFFで仲良くなった13人からは、幅広い知識、英語、人生に対する姿勢などかなり刺激をうけた。自分の能力を客観的に把握して、努力していきたいと考えている。
 
【平野 靖弘】
・今回の研修は、自分自身将来的に海外で医療活動をしたいと医学部に入学したが、最近は国内で小児精神科として仕事をしていくのがよいのではないかと思い始めていた時期であったので、自分をふりかえり、考えを整理するうえでとても良い機会となった。
・尾身先生の話はとくに印象として残っており、自分の好きなことをしていくこと、苦労を惜しまず、自分で考えて行動していくことが重要なのだと再確認した。
・もう一点として、フィリピンのストリートチルドレンの問題もすごく大きなものであると実感し、印象的だった。あまりに問題が大きく、どこをどう改善したら良いのかさえ、見当がつかなく、自分なりにこれから広く勉強して、考えていく必要があると思っている。私は日本の子どもの置かれている環境に、強く問題意識を持っているが、フィリピンも同様に大きな問題を抱えている。同時に比較して考えていくのも良いかもしれない。
・研修の前に、日本の医療援助に関すること、フィリピンの政治経済に関してもっと勉強しておくべきであったと思っている。そうしたらもっと違った研修になったと思っている。
 
【鈴木 章子】
・研修後変わったことは、多くの偏った知識を見直すことができたことではないかと思う。海外と国内と分けて考えるのではなく世界は一つであり、世界の中の問題として考えることのできる視野の広さを持つ事ができた。
・その地域、風土、気候、文化を考え、そこに住む人々を優先に考えた「次の世代に継ぐもの」を私達は真剣に考えとりくんでいくことが大切であると思う。これは国際医療協力の分野だけでなく、日本を豊かに守り続けていくための基礎であると思う。
・11日間のプログラムを13人の仲間、そして先生方と過ごし、彼らと一緒に学び刺激を受けた事は私の中で、人生の指針を得た、と思えるほどの貴重であり充実した時間であった。
・語学をもっと磨く事。少し覚えたタガログ語で、現地の方々に話しかけて生まれたあの笑顔、そして、母国語で話すことは彼らが親近感を感じ信頼感をも生む大切なコミュニケーション手段であると思う。人々に納得していただき伝えていく、時にはパニックになっている患者さんに安心感を与える、言葉は大切な能力である。英語や他の言語以上にも、母国語である日本語も大切に、もっと話す能力、人の心に届く心も磨いていきたいと思う。
(文責:鈴木)
 
無事帰国!
 
8月12日 今日の一言
岡田:本当に濃い11日間でした。この16人でこの研修を過ごせたのは死ぬまで大事な宝物。これからまたそれぞれの地で頑張っていくことになるけど、またいつかどこかでチームを組もう!それまで腕と頭磨いて待ってます♪
金子:本当にこんなに仲良くなれると思わなかった!みんなが今回得た一番の財産です!頼りないリーダーでしたが、本当にありがとうございました。楽しかった!!!
貞方:充実した11日間の最後の日。みんなと別れるのが名残惜しい。この11日間のことをもっと話し合って深めたいけれど時間もない!メーリングリストなどを使ってこれからも高めあっていきたいと思う。素敵な仲間に出会えて、貴重な経験ができて本当に笹川記念保健協力財団や協力してくださった方々に感謝です。
:長いようで短かったフェローも今日で終了。夢から現実に引き戻される感は否めない。今はほとんどが日本にある自分のフィールド、これから先どうなるのか、どうしていくのか。模索しながらの人生、今回得た経験を大切に歩んでいきたい。進取。
飛永:とうとう最終日。バラエティに富んだメンバー達だが、こんなに一体感を感じるまでになってしまうとは・・・。人の出会いと別れって何て素晴らしく、何て切ないんだろう。パパはお前達をいつまでも愛しているぞ!みんな何かあったらケンの部屋に集合だっ!
福永:最後の最後でハプニング。みんな、家に帰るまでがフェローです。気をつけて!そしてまた会いましょう。
今井:全日程を通して本当に貴重な体験ができ多くのことを学んだ。そして、この14人と兄貴と姫と出会えたことに感謝感激。最高の仲間ができた。最後のほぼ丸2日間をたった数時間の睡眠で過ごした無茶苦茶なスケジュールもこの12期のパワーの象徴だ!これからも連絡取り合って、また近いうちに再会するべ!!
関谷:我らが西村兄貴、機内で大活躍!飛行機の到着が遅れたため、結局2日連続でオールしました。むしろ、到着の遅れは言い訳で、別れを惜しんで残ったのよね、みんな?!これほど実りある楽しい時間を過ごせたのは、愉快な仲間がいたからこそ。本当にありがとうございました!これからも切磋琢磨し合いながら、夢に向かって頑張っていこうね!!
筒井:『仲間』という大切な宝物を得ることができました。感激。これからも、ずっとずっと大切にしていきたい宝物です。みんなありがとう!
船橋:搭乗したジャンボ機はなかなかエンジンスタートせず・・・。お陰で東京駅での徹夜総括ミーティングに参加する事が出来た。想像を遥かに超える濃厚な11日間だった。
赤木:なんといっても今日のトピックスはあにきの活躍でしょう!はじめてのシチュエーションに興奮&感動みなさんお疲れ様でした!
城下:サラマー:最後はフライトアテンダントに。そしてありがとう兄貴+姫+皆。
平野:いろいろと日本に帰ってからやるべきことが見つかった。日本に帰ってから整理して、今回の研修で学んだことをいかして、これから学生生活を送っていこう。
鈴木:最終日、でもここからスタート!人間が人間らしく生きられる、笑顔の絶えない世界の平和を願わずにいられません!あ、ドリアンとビールの組み合わせは危険です。ドリアン食べれる日がありませんでした。


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