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日本船舶海洋工学会論文集 第2号

 事業名 造船学術の振興
 団体名 日本船舶海洋工学会 注目度注目度5


船体縦通材の疲労き裂伝播に関する研究
―3次元板骨構造の複数き裂同時進展解析―
 
学生員 大川鉄平*   正員 角洋一**
正員  毛利雅志***  正員 川村恭己**
 
* 横浜国立大学大学院工学府システム統合工学専攻
** 横浜国立大学大学院工学研究院システムの創生部門
*** 石川島播磨重工業株式会社基盤技術研究所
原稿受理 平成17年9月6日
 
A study on fatigue crack propagation in longitudinal stiffeners of ship structures
-An analysis of multiple cracks propagation in 3-dimensional stiffened panel structures-
 
by Teppei Okawa, Student Member
Yoichi Sumi, Member
Masashi Mohri, Member
Yasumi Kawamura, Memher
 
Summary
 In ship structures, fatigue cracks may initiate at the intersection between face plates of the longitudinals and web stiffeners attached to the transverse girders. These cracks may propagate in web plates of the longitudinals and may penetrate inner or outer skin plates, which have a possibility to cause the loss of oil and/or water tightness of critical compartment boundaries. Therefore, cracks must be detected by inspections before they reach the critical length. In the present paper, a simulation program is developed for multiple cracks propagating in a 3-dimensional stiffened panel structure. The simulation program can predict fatigue crack lives and paths taking into account the interaction of multiple cracks, load shedding during crack propagation and welding residual stress. The characteristics of fatigue crack propagations of ship structures are investigated by using the developed numerical simulation program and experiments. It is found that the crack propagation behavior in the ship structures may significantly change depending on the loading conditions, structural details and residual stress distributions.
 
1. 緒言
 一般に船舶構造設計では運用中に疲労き裂が生じないように安全寿命設計の考え方がとられるが、現実には船体構造は多くの疲労き裂損傷を経験してきた1)。疲労き裂の生じやすい溶接継手には工作不整による初期欠陥が存在する場合も多く、疲労き裂の発生を完全に抑制することは現状ではかなり困難である。疲労き裂は一般に縦通材とウェブスチフナの交差部などの構造不連続部より生じる(Fig. 1)。フェイスに生じた疲労き裂はFig. 2のように(1)フェイス溶接止端部の表面き裂、(2)フェイスとウェブの貫通き裂、(3)ウェブの貫通き裂とその伝播形態を変化させながら進展する。ウェブを進展するき裂がそれと交差するスキン材に至り、それを貫通した場合、液体貨物の漏洩あるいは倉内浸水といった船舶の機能にとって致命的な損傷に結びつく危険性がある。それ故、き裂が致命的な状態に成長する前にき裂を発見し、適切な補修を行う必要がある。
 船体構造のき裂検査は一般的に検査員の目視により行われる。船舶の高い構造健全性を維持するためには、形態(1)のような発生直後の短いき裂を早期に検出しておくことが望ましいが、視認性の悪い環境下ではそれは困難な場合が多い。一方、形態(2),(3)のようなき裂は比較的検出が容易であるが、通常その伝播寿命は全体の数%程度であると考えられる。しかしながら、船体構造には構造不静定性、溶接残留応力等の複雑な影響因子があるため、形態(3)の比較的長いき裂が遅延、停留傾向を示す場合もあると考えられている。これらの影響因子を適切に利用し、疲労き裂伝播を管理できれば、新たな船体構造の疲労設計概念が生まれる可能性もある。そのためには設計の段階で船体構造の疲労き裂伝播挙動を正確に推定しておく必要がある。
 著者らはこれまでに疲労き裂の伝播寿命と経路を予測するための自動き裂進展シミュレーションプログラム(CP-System)を開発してきた2)〜8)。本シミュレーションプログラムでは板厚貫通き裂を2次元平面のき裂進展問題とみなし、逐次有限要素解析によりその伝播挙動をシミュレートする。またスーパーエレメントを利用することにより、大規模構造物への適用が可能である。本シミュレーションプログラムは実構造のき裂伝播挙動を十分な精度シミュレートできることが確認されているが6)〜8)、いくつかの問題点がある。
・異平面での複数同時き裂伝播に対応していない。すなわち形態(2)のき裂伝播をシミュレートすることができない。
・シミュレーションに膨大な時間を要する。
 本研究ではプログラムの適用範囲を拡大し、かつ実用性を向上させるため上記2点について改良を行った。また本シミュレーションプログラムを用いて船体縦通材の疲労き裂伝播に対する荷重条件、構造詳細形状、残留応力分布の影響について検討を行い、さらにそのシミュレーション結果の妥当性を検討するために、船体縦通材を模擬した構造試験体を用いて疲労試験を実施した。
 
Fig. 1  Fatigue crack at the intersection of structural members of an oil tanker.
 
Fig. 2  Fatigue cracks propagation in a longitudinal stiffener.


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更新日: 2019年8月24日

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