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日本船舶海洋工学会論文集 第2号

 事業名 造船学術の振興
 団体名 日本船舶海洋工学会 注目度注目度5


3. 一軸圧縮および純せん断を受ける板
 本章では、過去[12]に解析を実施した1軸圧縮および純せん断を受ける板の基本的な変形挙動と最終強度に及ぼす円錐形の腐食ピットの影響についてその概要を述べる。この解析結果は、次章で円錐形の腐食ピットが発生している鋼板の最終強度評価式を検討する際に使用する。
3.1 基本的な変形挙動
 Fig. 6、Fig. 7及びFig. 8に、それぞれ板厚t0=10、13及び16mmの1軸圧縮を受ける板の平均応力―平均ひずみ曲線を示す。各図の(a)及び(b)は、それぞれ腐食ピット分布をType Aj及びType Bkとした場合の解析例である。これらの図から、板厚が大きくなるほど最終強度時の変形量が大きくなることが分かる。板厚が13あるいは16mmで腐食ピットが存在しない場合には、塑性変形が進んでから最終強度に達し荷重低下が生じるのに対して、板厚が10mmの場合で腐食ピットが存在しない場合には、平均応力がほぼ降伏応力に達した時点で最終強度に達し荷重低下が生じ始める。また、各ピット分布タイプにおける平均応力―平均ひずみ曲線を見てみると、ピット面積率(DOP: Degree of Pitting Intensity)が大きくなるにつれて最終強度が低下していることが分かる。ここで、ピット面積率とは、全表面積に対する腐食ピットの占める面積の割合を百分率(%)で表したものである。
 
Fig. 6  Average stress-average strain relationships (uni-axial compression, t0 = 10mm)
(a) Type Aj
 
(b) Type Bk
 
Fig. 7  Average stress-average strain relationships (uni-axial compression, t0 = 13mm)
(a) Type Aj
 
(b) Type Bk
 
Fig. 8  Average stress-average strain relationships (uni-axial compression, t0 = 16mm)
(a) Type aj
 
(b) Type Bk
 
 Fig. 9に板厚t0=10mmの純せん断を受ける板の平均応力―平均ひずみ曲線を示す。図の(a)及び(b)は、それぞれ腐食ピット分布をType Aj及びType Bkとした場合の解析例である。これらの図から分かるように、腐食ピットが存在しない場合には塑性変形が進んでから最終強度に達し荷重低下を生じる。また、各ピット分布タイプにおける平均応力―平均ひずみ曲線を見てみると、ピット面積率DOPが大きくなるにつれて最終強度が低下していることが分かる。
 
Fig. 9  Average stress-average strain relationships (shear, t0 = 10mm)
(a) Type Aj
 
(b) Type Bk
 
3.2 最終強度に及ぼす腐食ピットの影響
 まず、1軸圧縮を受ける場合について、Fig10(a)、(b)及び(c)にそれぞれの板厚(t0=10、13及び16mm)における腐食ピットが存在する場合の等価板厚比te/t0(等価板厚teを元厚t0で無次元化したもの)とピット面積率DOPの関係を示す。ここで、等価板厚teとは、腐食ピットが存在する場合と同等の最終強度を持つ一様衰耗の場合(板厚一定で衰耗が進むと仮定した場合)の板厚である。加工硬化のない場合の厚板の座屈強度は降伏強度に等しいが、加工硬化があると座屈ひずみに応じて座屈強度は上昇する[25]。そのため、加工硬化を考慮した場合、一様衰耗の場合の最終強度は必ずしも板厚には比例しない。従って、まず、一様衰耗の場合について解析を実施し、残存板厚と最終強度の関係を求めた。そして、この関係とFEM解析により得られた最終強度を用いて、腐食ピットが発生している場合の等価板厚を算定した[12]。Fig. 10から、ピット面積率及びピット直径が大きいほど等価板厚が小さくなる傾向が明確であり、この傾向は元厚が小さいほど大きいことが分かる。
 
Fig. 10  Relationship between equivalent thickness and degree of pitting intensity under uni-axial compression
(a) t0 = 10mm
 
(b) t0 = 13mm
 
(C) t0 = 16mm
 
 次に、純せん断を受ける場合について、Fig. 11に等価板厚比とピット面積率の関係を示す。この図から、ピット面積率及びピット直径が大きいほど等価板厚が小さくなる傾向が明確であることが分かる。
 
Fig. 11  Relationship between equivalent thickness and degree of pitting intensity under shear (t0 = 10mm)


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更新日: 2019年9月21日

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