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日本船舶海洋工学会論文集 第2号

 事業名 造船学術の振興
 団体名 日本船舶海洋工学会 注目度注目度5


4. 計算結果と考察
4.1 平均曲率の絶対値に着目した非平滑度の最小化
 3.2.1節に示した非平滑度関数(4)式の最小化によるフェアリングを行った結果を示す.
4.1.1 計算条件
 対象船型はFig. 3に示した船体表面が平滑でないタンカー船型である.ここで用いる非平滑度関数の最小化は船側部のような比較的平坦な曲面に現れる,局所的な曲面の波打ちを消すことが目的なのでFig. 5の白枠内をフェアリングの対象領域とした.この領域での平均曲率分布を見てみると局所的な強い濃淡を除いておおむね±0.03の範囲に収まっているため平均曲率の基準値Cm0は0.03とした.この基準値についてはフェアリングの実施者が状況に応じて設定すべき値であって,0.03が普遍的なものではない.変数は特に平均曲率の濃淡が強いFig. 5中に白点で示された9つのオフセット点のy座標である.出来るだけ船型の特徴を変えないようにするためにオフセット点の移動量は初期状態におけるその点での船体の半幅を基準に±10%以内とする制約を課した.なお,(4)式の積分については,積分領域内の各パッチをu,v方向にそれぞれ10等分に分割し数値積分によって求めた.
 
Fig. 5  Fairing area and the offset points used for design parameters for the fairing method shown in section 4.1.
 
4.1.2 計算結果
 Fig. 6にフェアリング前後の平均曲率分布の比較を示す.フェアリング前の船側部に見られた平均曲率コンターの強い濃淡は,最適化計算後にはほぼ解消されている.最適化の過程を通して非平滑度関数の値は初期値を1として0.0602まで減少した.このことからも平均曲率の絶対値が基準値を上回る場所はほぼなくなったといえる.しかし,フェアリング後の船型の船側部にも平均曲率コンターに細かな弱い濃淡が見られる.Fig. 7のポキュパインの比較を見ても明らかなように,ポキュパインの大きなジグザグは小さくなっているものの,非常に小さな曲面の波打ちまでは除去しきれていない.ここで用いた非平滑度関数の最小化は平均曲率の絶対値をある範囲に抑えることはできても,変曲点数を減らすことは困難と考えられる.それでも船体表面の非平滑さは改善されており,一定の成果が見られる.
 
Fig. 6  Comparison of mean curvature distribution between before and after fairing with the method shown in section 4.1.
 
Fig. 7  Comparison of curvature distribution along frame lines between before and after fairing with the method shown in section 4.1.
 
4.2 パッチ境界での平均曲率のギャップに着目した非平滑度の最小化
 次に前節でフェアリングを行った船型に対してさらに3.2.2節に示した非平滑度関数(5)式の最小によるフェアリングを実施した結果を示す.
4.2.1 計算条件
 (5)式の非平滑度関数の最小化は船尾下部周辺のような曲率変化が大きな部分を平滑にすることが目的であるので変数はFig. 8の白点で示された船尾付近の12個のオフセット点のy座標とした.オフセット点の船幅方向への移動量は初期状態の値から船体半幅に対して±0.7%以内とする制約条件を課す.(5)式第2項の重み係数Wgの値については,1から4まで変化させて平滑化を実行し,最も見た目のバランスがよいと判断したwg=2を採用した.非平滑度関数の計算領域はここではFig. 8に示す全領域とし,(5)式の積分は4.1.1節で示したのと同様の数値積分によって算定している.
 
Fig. 8  The offset points used for design parameters for the fairing method shown in section 4.2.
 
4.2.2 計算結果
 Fig. 9にフェアリング前後の平均曲率分布の比較を示す.白丸で囲んだ部分を見るとフェアリング前は平均曲率コンターの濃淡が入り乱れ,曲面に不自然な凹凸が見られるのに対し,フェアリング後はほぼ解消されていることがわかる.非平滑度関数の値は初期値を1として0.855まで減少している.一方,Fig. 10に示すフレームラインのポキュパインの比較を見ると,フェアリング後のもっとも船尾に近いフレームラインのポキュパインに大きな凹凸が発生していることがわかる.これはパッチ境界での平均曲率の差を小さくしようとすることが優先され,パッチの境界であるフレームラインの一部の平滑さが犠牲になったものと考えられる.
 
Fig. 9  Comparison of mean curvature distribution between before and affer fairing with the method shown in section 4.2.
 
Fig. 10  Comparison of curvature distribution along frame lines between before and after fairing with the method shown in section 4.2.


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更新日: 2019年10月19日

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