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 本年度の1区画当たりの埋没物平均重量は3,076g/0.008m3であり、分類別では、製品破片2,310g(1区画当たり平均重量の75.1%)と最も多く、次いで、発泡スチレン0.267g(同8.7%)、製品が0.125g(同4.1%)であり、製品・製品破片が全体の約8割を占めていた。
 また、調査海岸別では、佐賀県の相賀の浜が14.700g/0.008m3(1区画当たり平均重量の43.4%)と最も埋没物が多く、次いで、富山県の松太枝浜が8.381g/0.008m3(同25.1%)であり、この2海岸で採集した埋没物が全体の約7割を占めていた。
 昨年度の1区画当たりの埋没物平均重量は、28.351g/0.008m3であり、分類別では、製品破片16.397g(1区画当たり平均重量の57.8%)と最も多く、次いで、製品が6.035g(同21.3%)であり、製品・製品破片が全体の約8割を占めていた。
 また、調査海岸別では、山口県の二位の浜が13.475g/0.008m3(1区画当たり平均重量の47.5%)と最も埋没物が多く、次いで、富山県の松太枝浜が8.966g/0.008m3(同31.6%)であり、この2海岸で採集した埋没物が全体の約8割を占めていた。
 
図4.3-2 1区画当たりの埋没物の調査海岸別重量
 
表.4.3-2 1区画当たりの埋没物の調査海岸別重量
(拡大画面:72KB)
※( )の数値は、1区画当たりの平均重量に対する比率(%)を示す。
※表中の“+”は、0.001g未満の個数及び0.1%未満の重量に対する比率(%)を示す。
 
(2)埋没物の出現傾向
 海岸に漂着するプラスチック類は原則として海水より比重の軽いものにより構成されている。そのプラスチック3系列の出現個数と重量の関係を図4.3-3に示す。
 出現個数と重量の関係をみると、主要プラスチック3系列には以下の傾向が認められる。
 一つ目は、原材料(レジンペレット)のように、サイズがおおよそ一定の場合、個数の増加に比例して重量も増加する傾向がある。また、埋没物における原材料の出現個数は、サイズ4〜5mm程度が多い傾向であり、サイズ4mm 63個、サイズ5mm 70個が採集された。
 なお、漂着物調査で原材料(レジンペレット)が確認された14海岸以外に、埋没物調査で原材料が発見された海岸もあり、漂着物と埋没物との複雑な関係も示唆される。
 二つ目は、埋没物組成構成割合の比較的高い製品破片は、サイズ2〜5mmと11mm以上で出現頻度が高い傾向であった。サイズに関係なく、多くの製品破片が埋没していると考えられ、プラスチック汚染の拡がりが示唆される。
 三つ目は、埋没物で最も構成割合の高い発泡スチレンであり、これらはサイズに関係なく広く分布している。発泡スチレンの中には、長期間浮遊し海岸に漂着したものもあると考えられ、劣化した発泡スチレンは、何らかの衝撃により更に破砕されサイズの最小化、広範囲化する恐れがある。
 
図4.3-3 プラスチック3系列の出現個数と重量


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