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3.3.3 海外のものと推定される漂着物の分析
(1)海外からの漂着物の集計
 海外からの漂着物と推定される調査海岸別の漂着物重量を表3.3.3-1、個数を表3.3.3-2に示す。
 海外のものと推察される漂着物は、6海岸中1海岸で採集され、その総数は1g、1個であった。韓国国内で採集された漂着物(1240.6g、624個)に対する割合は、重量、個数ともに僅少であった。
 
表3.3.3-1 海外の漂着物と推定される調査海岸別の漂着物重量
(拡大画面:55KB)
 
表3.3.3-2 海外の漂着物と推定される調査海岸別の漂着物個数
(拡大画面:56KB)
 
(2)組成別分類
 海外からのものと推定される漂着物の組成別重量・重量比率を図3.3.3-1に示す。
 海外のものと推定される漂着物は、「プラスチック類」が1g、1個(海外重量・個数の100%)であり、採集された「プラスチック」の内訳は、「不明物」であり、忠清南道の椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場において採集された。
 
図3.3.3-1 海外のものと考えられる漂着物重量・個数比率
 
(3)漂着物の発生源
 6海岸とも海水浴場であり年間利用者数は、江原道の河趙臺(ハソデ)海水浴場は6万人、鏡浦(キョンポ)海水浴場は550万人、望祥(マンサン)海水浴場は200万人、慶尚北道のコレブル海水浴場は25万人、忠清南道の椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場は226万人、大川(デチョン)海水浴場は1,000万人である。
 江原道の河趙臺(ハソデ)海水浴場は、近くに2,722m2の野営場以外、他の施設が少なく、比較的に静かな場所である。海水浴シーズンは毎日清掃が行われ、シーズンオフには、環境美化委員による清掃が不定期に行われている。
 江原道の鏡浦(キョンポ)海水浴場は、鏡浦湖水と隣接している観光地であり、近くには23,000m2のレジャー施設がある。環境美化委員による清掃が毎日行われている。
 江原道の望祥(マンサン)海水浴場は、国民的観光地として指定されており、3kmにおよぶ長い砂浜の海水浴場である。周辺には、宿泊施設、食堂、コンビニエンスストアー、遊園地などがある。海水浴シーズンは毎日清掃が行なわれ、シーズンオフには、環境美化委員による清掃が不定期に行われている。
 慶尚北道のコレブル海水浴場は、商店街、レジャー施設が周辺にあり、また絶景の海岸の観光地である。海水浴シーズンは環境美化委員及び海水浴場繁栄会によって毎日清掃が行われている。
 忠清南道の椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場は、周辺に森や港などがある観光地である。海水浴シーズンは、毎日清掃が行われ、シーズンオフには、環境保護課及びボランティアの参加による清掃が、年に5〜6回行われている。
 忠清南道の大川(デチョン)海水浴場は、異物の混じっていない清潔な砂浜の波も穏やかな海水浴場で、周辺には、キャンプ場、博物館などのある観光地である。海水浴シーズンは、毎日清掃が行われ、シーズンオフには、市役所及び周辺のボランティアの参加による清掃が、海水浴シーズン前に周期的に行われている。
 海岸利用状況等から判断すると、漂着物として採集されたものの大部分は、海岸利用者から排出されたものが多いと考えられる。
 
3.3.4 漂着物調査のまとめ
 平成13年度から実施され、平成16年度で4回目を迎えた本年度の調査は、江原道、慶尚北道、忠清南道の3自治体、6海岸で共同実施された。
 平成16年度調査は6海岸、16区画、1,600m2で実施され、採集された海岸漂着物の総重量が1,240.6g、総個数が624個であった。
 重量別では、「プラスチック類」が605.0g(総重量の48.8%)と最も重く、次いで、「紙類」が257.8g(同20.8%)、「金属類」が220.3g(同17.8%)、「ガラス・陶磁器類」が98.5g(同7.9%)の順であり、「ゴム類」、「発泡スチレン類」、「布類」、「その他の人工物」の漂着物に占める割合は2.2%以下と低かった。
 個数別では、「金属類」が395個(総個数の63.3%)と最も多く、次いで「プラスチック類」が162個(同26.0%)、「その他の人工物」27個(同4.3%)の順であり、「ゴム類」、「発泡スチレン類」、「紙類」、「布類」、「ガラス・陶磁器類」の漂着物に占める割合は3.0%以下と少なかった。
 「金属類」では、その約9割が「ふた・キャップ」(個数平均:176個/100m2)で占めており、採集個数は1区画にそれぞれ2個、349個であり、堆積する漂着物のなかにパッチ状にあった「金属類のふた・キャップ」を採集したものと考えられた。
 「プラスチック類」では、「タバコのフィルター」、「プラスチックの破片」、「ロープ」、「ふた・キャップ」、「シートや袋の破片」などが多く採集された。昨年度に引き続きプラスチックの原料材である「レジンペレット」は採集されなかった。
 海外のものと推定される漂着物は、6海岸中1海岸で採集され、その総数は1g、1個であった。韓国国内で採集された漂着物(1240.6g、624個)に対する割合は、重量、個数ともに僅少であった。
 種類は、「プラスチック類」が1g、1個(海外重量・個数の100%)であり、採集された「プラスチック」の内訳は、「不明物」であり、忠清南道の椿長臺(チュンジャンデ)海水浴場において採集された。
 本年度調査は昨年度調査と比較すると、調査規模をみると調査海岸数、区画数、海岸調査延べ面積は2割程度多かった。採集された漂着物の総重量については6割程度少なく、総個数は2割程度多かった。
 両年度の組成には違いがみられたが、本年度は漂着物の採集量が少なく、1個当たりの重量のある個体が、やや多く採集されたために組成に違いが生じたものと考えられる。


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