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 また、海外からのものと推定される漂着物の国籍別漂着物個数を図3.1.3-3、海岸別海外漂着物個数を図3.1.3-4、100m2当たりの海岸別海外漂着物個数を図3.1.3-5に示す。
 国籍別漂着物個数をみると、「韓国・北朝鮮」が244個(全体の77.2%)と最も多く、次いで「中国・台湾」が49個(同15.5%)と両地域で全体の約93%を占めていた。また、「ロシア」の漂着物は、26海岸のうち3海岸で確認され、福岡県の幣の浜海岸で「プラスチック類」1個、「紙類」1個、島根県の河下海岸で「プラスチック類」1個、北海道の坂ノ下海水浴場で「プラスチック類」1個の計4個が採集された。
 
図3.1.3-3 国籍別漂着物個数
 
 海外起源のものと推定される漂着物が、100m2当たりで最も多く採集された海岸は、長崎県の西浦浜16個/100m2、次いで長崎県の清石浜海水浴場13個/100m2、山口県の二位の浜7個/100m2、島根県の河下海岸7個/100m2、富山県の島尾・松田江浜5個/100m2の順であった。
 長崎県の西浦浜では、海外漂着物49個の内、「韓国・北朝鮮」47個(海外漂着物全体の95.9%)、「中国」2個(同4.1%)であり、韓国・北朝鮮起源と推察される海外漂着物の占める割合が高かった。
 このように、日本海沿岸の広い地域で「韓国・北朝鮮」や「中国」起源と推定される海外漂着物が確認された。この結果から海外漂着物の発生源を海流を参考に推察すると、日本海沿岸で確認される海外の漂着物の主な供給源が対馬・壱岐近海の朝鮮半島及び東シナ海・黄海周辺の中国大陸沿岸部にあり、なんらかの要因で放出された漂着物が対馬海流に乗って北上しつつ、日本海を広い範囲に運搬され、季節風の影響を強く受けてそれぞれの日本国内の海岸に漂着しているものと考えられる。
 しかし、日本海沿岸の海岸における海外漂着物の分布状況は、不連続的な増減もみられることから、「船舶からの投棄」等の要因も推察される。
 一方、ロシアからの漂着物は、福岡県の幣の浜海岸、島根県の河下海岸、北海道の坂ノ下海水浴場で確認されており、北から南下するリマン海流などに乗り、季節風の影響も受けて国内の海岸に漂着したものを採集したものと推察される。
 
図3.1.3-4 海岸別海外漂着物個数
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図3.1.3-5 100m2当たりの海岸別海外漂着物個数
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