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(3)特殊変性剤混合系での低粘度化検討
 ビスフェノールA型エポキシ樹脂と脂肪族エポキシ樹脂との併用系で、さらにVOCをさげるため低粘度化及び耐食性、付着性向上の検討を行なった。樹脂の結晶性(規則性)を崩し、低粘度化することにより樹脂の低粘度化ができると考え、VOC達成可能で安定性が良好であった三級変性剤系と他変性剤種との変性剤混合系、及び他の変性剤単独系について検討を行なった(三級変性剤とのブレンド、水酸基含有変性剤)。また、耐食性等を考慮し、芳香族エポキシの多い系(脂肪族エポキシ/芳香族エポキシ=35/65)で検討を行なった(表3.1-9)。
 
 
表3.1-9 変性剤混合系及び水酸基含有変性剤検討結果
項目\品名 H01
(S14系)
H02
(S15系)
H03 H04 H05 H06 樹脂設計
要求性能
変性剤種 三級 芳香族 三級
/一級
三級
/二級
三級
/芳香族
水酸基
含有短鎖
-
脂肪族エポキシ
/芳香族エポキシ比率
35/65 35/65 35/65 35/65 35/65 35/65 -
樹脂特性 外観 良好 良好 良好 良好 良好 良好 良好
粘度
(mPa・s)
1,600 2,200 2,260 2,100 2,240 4,670 2,000
以下
分子量 数平均
分子量
400 480 440 420 420 460 -
重量平均
分子量
580 720 660 610 630 750 -
Mw/Mn 1.5 1.5 1.5 1.5 1.5 1.6 -
 
 H01(三級変性剤)樹脂粘度の低粘度化のため、他の変性剤とのブレンド、水酸基含有変性剤を検討したが、目標粘度に達することができなかった。
 変性剤をブレンドし低粘度化を行なった系は、-級、二級の変性剤を変性させることにより三級変性剤単独で変性した樹脂よりも分子間の距離が短くなるため分子間相互作用が大きくなり粘度が大きくなると考える。また、水酸基含有短鎖変性剤についても同様に、三級変性剤系、芳香族系と比較して粘度が高い傾向にあった。水酸基を含有しているため水素結合により高粘度化したと考える。


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