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(b)9月12日
 天候は3日同様快晴、風はほとんどない。図−2.3.20にWave Hunterによる沖波データを示す。短時間ということもあるがほとんど沖波に変化はみられず、海況は非常に穏やかであった。
 
図−2.3.20 Wave Hunter(9月12日)
 
図−2.3.21 Wave Hunter(9月12日)
 
(1)9月12日(11:30〜13:00)
 海況が非常に穏やかであったため強い流れは見られないが、図−2.3.22のシーマーカーの流跡に見られるような離岸流が発生している。ビデオ画像より読み取れる流速は約15cm/sであった。No.3の流速データからも最大で約20cm/sの流れが見られる(図−2.3.23)。この日は後に示すGPSによる地形測量のデータからもわかるように沖にリップチャネルと思われる窪みが形成されていた。その窪みから発生していたため、地形性の離岸流であると考えられる。注目したいのが、12:00〜12:30の間で水位が上昇した時に、流れが大きく岸向きに変化し、水位が減少した時に流れが大きく沖向きに変化しているのが読み取れることである。これは汀線付近のWave set upの差により水面勾配が生じ、波高の大きい部分から小さい部分に流れるという海浜流の流れが示されているといえる可能性が高い。この日も、周期約2〜3分の長周期的な水位変動、周期1〜2分の長期的な流速変動がある。
 
図−2.3.22 気球画像(9月12日 11:42)
 
図−2.3.23 時系列データ(9月12日 11:40〜13:00)
 
 ここで図−2.3.24に示すNo.3の水位変動と流速変動の関係を見てみると、12:00〜13:00の間で水位が上昇した時に、岸向きの流れが大きくなり、水位が減少した時に岸向きの流れが弱まるのが読み取れる。特に12:05〜12:15にその様子がはっきり見られる。これは汀線付近のWave set upの差により水面勾配が生じ、波高の大きい部分から小さい部分に流れるという海浜流の流れが示されている可能性が高いといえる。
 
図−2.3.24 時系列データ(9月12日 12:00〜13:00)


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