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(4)動作状況
 実際の調査データを使用し、本プログラムの動作を確認すると同時にグリッドの信頼性を評価した。使用したピングデータおよびグリッドデータはノイズ除去プログラムの動作確認で使用したものと同じ調査データから作成したものである。
 図30はグリッドデータの平面表示である。緑色が浅く、赤色が深い水深であることを示す。この図で中央部に海底地形の窪みが認められる。この窪みの信頼性を評価する。
 
図30 グリッドデータの平面表示
 
 グリッドデータの信頼性を評価するために、図31に示すようにグリッドデータにピングデータを重ね合わせる。黒の十字が各フットプリントの長軸と短軸を表している。このグリッドデータは本研究で開発したフットプリントを考慮したグリッド化手法を用いて作成したもので、各グリッドに重なる十字で表された複数の楕円がグリッド化で使用されたフットプリントを示す。図31から、窪みには複数のフットプリントが関係しており、1つの水深のみから決定したものではないことを確認できる。
 
図31 グリッドデータ、ピングデータの平面表示
 
 次にこれらを図32に3次元表示する。これを視点移動したものが図33である。これから窪みは2つのフットプリントから形成されていることを確認できる。そのフットプリントは他のフットプリントと水深が大きく異なるため、除去し残したノイズである可能性がある。
 
図32 グリッドデータ、ピングデータの3次元表示
 
図33 グリッドデータ、ピングデータの3次元表示
 
 次に窪みを通過する断面を図34に示す。赤色がグリッドデータの断面、青色がピングデータの断面である。中央部が窪みに相当する。この窪み付近の2つの水深点は近傍の水深点に対して約40m深く、これらによって窪みが形成されていることを確認できる。
 
図34 グリッドデータ、ピングデータの断面表示


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