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船舶電気装備技術講座 〔機器保守整備編〕 (レーダー)

 事業名 船舶の電気装備に関する技術指導等
 団体名 日本船舶電装協会 注目度注目度5


6・7・2 表示
(1)表示方式
 現在は、ラスタースキャン方式のCRTタイプがほとんどで、モノクロ表示方式とカラー表示方式とがある。また旧型タイプでは高輝度のPPI表示方式もある。いずれもレーダーの画像にベクトル等のプロッティング機能付きレーダ情報を表示するものである。
(2)レーダーの映像とプロッティング情報の表示
a)レーダーの映像の表示は、別体形であっても完全な生映像を表示するシステムと、映像情報に完全な処理をしたビデオを表示するものとがある。
b)プロッティング情報の表示は、他船の動向を表す速度ベクトル表示方式のものと、図形による表示方式のものとがある。なお、ARPA、ATAについてはIMO基準によって、航跡を表示する機能を付加することが義務付けられている。
c)距離レンジは、いわゆるARPA、ATAとしての距離レンジのみを備えたものと、近距離から遠距離までの副表示器としての機能を完備したものとがある。
(3)数値データ表示
 IMOの性能基準により、物標の方位、距離、真針路、真速力、CPA、TCPAの6種類の数値データを表示することが義務付けられ、また、方位と距離、真針路と真速力(対水基準か対地基準のいずれであるか表示が必要)、CPAとTCPAの組合せによる二つ以上の表示が義務づけられている。
 これらの数値データの表示には、サブCRTによるもの、LEDを用いるもの、PPI上に同時表示あるいは分割表示するもの等と、各社各様の表示方式を採用している。
 上記のデータのほか、ほとんどのシステムが自船の針路と速力の表示を行っている。また、上記以外に他船のデータを表示できるようにしたシステムもある。
 
6・7・3 警報
 IMOの性能基準で規定されている物標に関する警報には、ガードゾーン警報、CPA/TCPAによる危険警報、ロストターゲット及び連動する機器の情報が停止した場合の警報の四つがある。以下それぞれについて述べる。
(1)ガードゾーン警報
 任意(又は一定)の距離にガードゾーン(又はリング)を設定し、そこに目標が進入したら警報を発生させる機能である。
 このガードゾーンは、前述の捕捉リングと兼用のものと、捕捉とは完全に独立したものとがある。したがって、当然その設定領域や利用目的もガードリングとして独立したものと、そうでないものとでは違いがでてくる。また、これが一本のものと二本のものとがあるが、二本のものは自動捕捉に使用するタイプのものが多い。
 有効領域も任意の円弧範囲に設定できるようになっているものが多い。
 警報は、可視と可聴のほかに、CRT上に識別マークで表示される。
(2)CPAとTCPAによる危険船に対する警報
 この機能は衝突の危険性のある物標に対して警報を発生させる機能である。これは前述のガードゾーンのように、ある距離に物標が進入したら警報する機能とは異なり、状況に応じて設定された距離(安全限界の距離)内に、設定された時間(安全限界の時間)内に進入すると予測された物標に対して、可視と可聴の警報を発するもので、いわばARPA、ATAの主警報である。そして当然のことながら、表示面上にも、それがどの物標であるかの識別マークが表示される。
 この安全限界の設定はCPAとTCPAとして、任意に設定できるようになっている。
(3)ロストターゲット(Lost Target)警報
 追尾中の物標が何らかの原因で追尾不能になったときに発する警報である。これは、次のような原因で発生することが多い。
(1)物標のエコーが非常に弱い。
(2)陸地や大型船の陰に入ってエコーが消える。
(3)海面反射や雨雪反射で物標の識別ができなくなる。
(4)他の物標との乗移り等によって追尾ミスを起こす。
(4)連動機器の情報停止による警報
 連動するレーダー、ジャイロコンパス、及び船速距離計からの情報の伝達が、停止することによって物標が消失したり、真運動表示などのデータが失われて正確なデータが得られなくなるために発する警報である。
 以上、大略の基本的な機能を列記したが、プロッティング機能付きレーダーはこのほかにもいろいろな機能をもっているのが普通である。
 
練習問題
(問1)航海用レーダーは移動する船舶の上に装備され、移動する物標をも表示するが、その運動の表示方式は二通りある。それぞれの、名称と特長について簡単に述べよ。
(問2)航海用レーダーの表示方式には、方位の表し方について三通りの方法がある。それぞれの名称と特長について簡単に述べよ。
(問3)プロッティング機能付レーダー(ARPA)の動作の基本概念を、機能別に四段階に分けて簡単に説明せよ。


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