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V-3 契約防災措置実施者(海上防災事業者)
 契約防災措置実施者とは、各港湾において防災能力を有する船舶又は作業船艇、作業要員、防災資機材等を保有している海上防災事業者のうち、予め独立行政法人海上災害防止センター(以後「センター」という。)と防災措置に関する個別の契約を締結した海上防災事業者である。
 平成17年3月1日現在では、156の海上防災事業者が契約防災措置実施者として登録されている。
 流出油事故が発生した際には、センターからの指示を受け、事故現場に近い地区に所在する契約防災措置実施者が、オイルフェンスの展張、損壊箇所の修理、油回収船等による排出油の回収、油処理剤による排出油の処理、海岸へ漂着した油の処理、他の船舶への残油の移替え等の防災措置を行う。
 また、契約防災措置実施者は、センターの防災訓練所(横須賀)で実施する海上防災訓練コースを受講するとともに、自社内の資機材を使用した自主訓練を実施することにより、防災能力の向上を図っている。
 契約防災措置実施者に登録されている各団体の概要と資機材保有状況を資料編に示す。
 
VI シミュレータによる海上流出油の模擬油防除訓練
VI-1 概要
 平成15年度に引き続いて、流出油防除訓練用シミュレータを用いて、実海域実験で用いる油種、流出油量等のデータ及び具体的な防除手法を用いて拡散及び防除シミュレーションを実施し、実海域における流出油防除実験計画の策定を行うために必要な資料を得た。
 なお、本章におけるシミュレーション計算は、シミュレーションソフトを所有する独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の了解を得て行った。
 
VI-2 実施内容
 流出油防除訓練用シミュレータ(以後「シミュレータ」と呼ぶ。)を用いて、初めに無対策時の流出油の挙動について拡散シミュレーションを実施し、次にスキマーによる物理的回収及び分散剤による化学的処理を考慮した防除シミュレーションを実施した。
 シミュレーションの実施手順を図VI-2.1に示す。
 
図VI-2.1 シミュレーション実施手順


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