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3 訓練5における油回収訓練
 国内の油防除訓練の調査として、集油フェンス(バイコマ・ハイスプリント・ブーム)と油回収装置(バイコマ・シーデビル)との組合せによる油回収訓練の状況を調査した。
 
(1)油回収訓練の内容
 本油回収訓練は、訓練5として、串木野港域内において緊急放出訓練のため、原油受け入れ中の大型タンカーに、串木野新港向け入港中の外国貨物船が衝突し、原油(イラニアンライト)1,500klが海上に流出したとの想定のもと、岸壁から集油フェンス50mを北西方向に直線展張する「流出油の拡散防止」及び集油フェンスによる集油を小型油回収装置により回収する「流出油の処理」について実施された。
 
(2)供試資機材
 供試資機材の要目を表IV-3.1に、供試資機材のコンテナ収納の状況を写真IV-3.1及び写真IV-3.2に示す。
 
表IV-3.1 供試資機材の要目
資機材の名称及び型式 要目
小型油回収装置
 バイコマ・シーデビル
型式 強制ロータリーローブ型
能力 最大容量 毎時110m3
寸法(長×幅×高)2,250×1,370×1,030mm
重量 437kg(ホース除く)
制御コンソール 寸法(長×幅×高)900×700×900mm
満載重量 104kg
集油用オイルフェンス
 ハイスプリント・ブーム
充気式
寸法 (全長) 250m
   (フリーボード) 600mm
   (ドラフト)   900mm
重量 8.8kg/m
エアブロワ 寸法(全長×全幅×全高)940×500×550mm
重量 120kg
 
写真IV-3.1 コンテナ収納の状況1
 
写真IV-3.2 コンテナ収納の状況2
 
(3)油回収の状況
 油回収訓練は、岸壁から作業船を用いて集油オイルフェンスを展張して、拡散した流出油を集油用オイルフェンス内に集めて油の厚膜化を図り、小型油回収装置をその中心に配置して沿岸漂着油を回収する方法により行われた。
 訓練の状況は次のとおりである。
 
1)集油用オイルフェンスの直線展張
 集油用オイルフェンスは、通常は写真IV-3.1に示したようにオイルフェンス巻取り機に揚収されてコンテナ内に収容されている。
 この巻取り機から集油用オイルフェンスを作業船により50m繰出し、集油フェンス先端にアンカーロープにより接続された係止錨により直線展張を行った。
 集油オイルフェンスの繰出しに要した時間は、約10分であった。
 集油オイルフェンスの繰出し状況を写真IV-3.3〜写真IV-3.5に、ターミネーター付近の状況を写真IV-3.6に、集油オイルフェンス展張状況図を図IV-3.1にそれぞれ示す。
写真IV-3.3 フェンスの繰出し状況1
 
写真IV-3.4 フェンスの繰出し状況2
 
写真IV-3.5 繰出し後の状況
 
写真IV-3.6 重錘式ターミネーター付近の状況


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