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2004/04/22 産経新聞朝刊
【主張】ワシントンG7 中国経済の波乱に備えよ
 
 先進国の経済政策トップが世界経済のかじ取りについて話し合う主要七カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)が二十三、二十四の両日、ワシントンで開かれる。
 一九八六年に始まったG7会議は毎年、春、秋、冬の年三回開くのが恒例となっているが、今度のG7では、これまでの為替問題は主要な争点とはならず、むしろ世界経済の回復と成長の促進、テロ資金対策、イラクを含む中東地域の開発・発展問題などが中心議題となりそうだ。
 世界銀行が十九日に発表した報告では、今年の世界経済は3.7%成長の見通しで、昨年より1.1ポイント上回る。その中で、日本は3.1%、米国は4.6%といずれも回復速度を増している。会議では世界経済の回復力の強さが示される見通しだ。
 ワシントンG7では、こうした世界経済の回復を促進し、持続的なものにするためにも、昨年九月のドバイG7で示した各国別の構造改革計画「成長のためのアジェンダ」をさらに推進することを確認し合うことが大事だ。その中には米国の財政・経常赤字の双子の赤字改善、日本の年金制度改革などの構造改革も含まれている。
 過度のドル安・円高などの為替問題は、今年二月のボカラトン(米フロリダ州)G7での声明を契機にほぼ落ち着いたため、こんどのG7では主要議題とはならない見通しだが、新たな重要問題として浮上してきたのが、過熱気味の中国経済の動向だ。
 中国経済は今年一−三月、国内総生産(GDP)が前年同期比で9.7%増となるなど、三期連続で9%台成長を続けている。輸入額も昨年、日本を抜いて世界第三位になった。
 おかげで今は、日本やアジア、世界から中国への輸出が急増し、世界経済の回復に大きく貢献しているが、問題はその中国経済がバブル経済の様相を見せ始めていることだ。
 中国人民銀行(中央銀行)はすでに公定歩合や預金準備率を引き上げ、国内の過熱投資を抑制する政策を取り始めているが、巨大化した中国経済のバブルが崩壊してハードランディングとなれば世界経済への影響はあまりにも大きい。G7としても中国経済の安定成長への軟着陸をはかるべく、あらゆる備えと対策が必要となろう。
 
 
 
 
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