日本財団 図書館


3.2.2 計算結果
 各パラメータが油膜厚さ及び掻き上げ量に対して与える影響度について図3.2.2に示す。図中の赤丸で示したパラメータ値が各目的パラメータに対する最適値となる。
 そこで図3.2.2の傾向から油膜厚さを厚くし、掻き上げ量を減らす改善型として、各パラメータに対して表3.2.4に示す値を選定し、確認計算を実施した。計算結果を図3.2.3に示す。この結果よりリング形状と注油範囲の改善により最大PV値位置での油膜厚さが従来の約1.5倍に上昇し、掻き上げ量は20%低減できることが分かった。
 
図3.2.2 注油範囲、リング形状パラメータの影響度
 
 
表3.2.4 注油範囲とリング形状パラメータに対する改善値
因子   水準 条件
A 注油幅/注油点間隔 2 0.25
B 注油幅/注油範囲高さ 1 2/3
C リング曲率半径/シリンダボア径 3 1.25
D TOPリング頂点位置/リング幅 3 0.95
 
図3.2.3 注油範囲、リングパラメータの改善結果
 
3.3.1 計算条件
 計算条件を表3.3.1に示す。通常運航条件での注油条件(注油率、注油方法)の影響を評価するためにCASE1〜4の計算を実施した。また、通常運航以外の条件として比較的トルクリッチとなった荒天時(CASE5)の条件についても計算を実施した。
 
表3.3.1 計算条件
ケース CASE1 CASE2 CASE3 CASE4 CASE5
実船計測日 2004/10/2 2004/9/26 2004/10/21 2004/10/19 2004/10/14
注油方法 従来注油 従来注油 ALPHA注油 SIP注油 ALPHA注油
回転数 85rpm 85rpm 87.6rpm 85rpm 78rpm
負荷 72% 76% 72% 73% 70%
注油率 1.22g/PSh 0.78g/PSh 0.7g/PSh 0.7g/PSh 0.7g/PSh
備考 通常運航 荒天時
 
 例として、図3.3.1に注油率0.7g/PSh一定で注油方法の違いによる油膜厚さの変化を示す。定常状態においては注油方法の違いが油膜厚さに与える影響は小さいと考えられる。
 
図3.3.1 注油方法の違いによる油膜厚さ比較
 
(a)CASE2 従来注油0.78g/PSh(上昇行程)
 
(b)CASE3 ALPHA注油0.7g/PSh(上昇行程)
 
(c)CASE4 SIP注油0.7g/PSh(上昇行程)







日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION