林　三雄（はやし　みつお）（明45.2.4生）　富山県富山市

　

　大学教授時代に幼児教育の重要性を痛感し、退職と同時に私財を投じて幼児教育の施設「こどものその」を高岡市に開園、以来27年間無報酬の園長として自らが理想とする幼児教育に取り組まれている。

（推薦者：金丸　晴美）

　

Mr. Mitsuo Hayashi

(Born on February 4, 1912)

Toyama City, Toyama Prefecture

　

 Keenly aware of the importance of preschool education while teaching at university, Mr. Mitsuo Hayashi, on retirement, opened a preschool education facility (Kodomo no Sono) in Takaoka City using his own funds. He has been dedicated to providing ideal preschool education as an unpaid director of the facility for 27 years ever since.

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　林さんは、28年間、国立富山大学教授を勤め、同大学付属幼稚園園長、付属小学校校長を兼務していた時に幼児教育の重要性を痛感し、全国でも早期に4年制の幼稚園教員養成課程を開設するきっかけを作った。退職と共に、しっかりした幼児教育を行うため私財を投じて幼児教育施設「こどものその」を高岡市に開設、以来27年間、無報酬で園長を務めている。子ども達が本来もつ素晴らしい可能性を自発的に実現するため自主的に学習し、他の子ども達と協力して立派なことを成し遂げるような教育をしなければならない、そのためには学齢期前の幼児期にしっかりとした教育を行うことが大切であると林さんは考えた。

　「こどものその」では2歳児から年長児まで一緒に活動する縦割り保育を行い、異年齢の交わりを学ぶ。また年齢別の活動も取り入れ、それぞれの能力に合った学習もする。こうして子どもが目的感を持って実行する性質を育てる。また親たちが会計から行事の企画等、全てを話し合い改善しながら園の運営を行い、自由に保育に参加することで子どもと共に成長してゆく。「生んだからには子どもが生れて良かったと思うように育てる責任が親にはある」と繰り返す林さんは、92歳の今も園の行事に積極的に参加し、生きる力に満ちた子どもたちの未来を熱い思いで語り続けている。

　

　親たちが、わが子たちの生命力全開に励む「こどものその」の教育が、表彰されたことを深く感謝します。近く九十三歳になる私は、これからも真実の教育を求めて努力します。

　有難うございました。