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自閉症幼児のみたて遊び・ごっこ遊び
内容 一見したところ、似ている
 
形式 他者と共有されない、ひとりで没入
非対人的・反復的
体験の質 なったふりというよりも、なりきる
 
幼児期
ひとり遊び (反復、感覚への没頭)
幼稚園などで集団活動に参加できない
遊びの内容:想像的なごっこ遊び 少ない
 
字や数字が好き ほとんど独習
昆虫博士、乗り物博士など「本の虫」
おとなびた言葉づかい
 
学童期
 普通学級では、周囲の理解と個別的配慮がないと行動や情緒など、不適応になりやすい
 周囲から浮き上がり、いじめにあいやすい
 
 丸暗記が得意なので、物知り博士として尊敬を集めることもある
 
思春期を越えて青年期へ
「自己意義」の芽生え
情動のコントロールの困難さ
低い自己評価
親からの心理的自立の葛藤
 
学校不適応のストレスが強いと、不安、うつ、問題行動
高い不安から自己防衛のために被害的回避や攻撃
ファンタジーへの没頭による現実回避
 
感覚の嵐
■触覚 “覆い被さってくる大波のよう”
■聴覚 “大きな音はまるで歯医者のドリルが神経に突き刺さる感じ 痛い”
■視覚 “相手の黒目や動きに耐えなれない明るい色や縞模様が好き”
感覚刺激が過剰になると、すべての意味が失われる
知覚の最適闘値の幅が狭い→感覚障害
 
 
アスペルガー児の言語の特徴
言語発達の遅れはない
読み書きはでき、また形式ばった応答もできる
→会話能力は過大評価されやすいので、注意深い観察が必要
 
■ことばと意味: 一対一対応
字義通りの理解
 比喩、ユーモア、皮肉、暗黙の前提、省略は通用しない
 
 アスペルガー児は通常の言語学習(身近な人とのやりとりを通して)と違った方法で言語を学ぶ
 
 
 
Developed by AANSW Training Unit 2002
 
視覚的サポートとして用いる素材
適切な理解レベルにあわせて選ぶ
 
■実物
■実物の一部
■カラー写真
■写真のコピー
■線画
■単語あるいは文章
 
アスペルガー児に対する指導上の注意
■読み書きができたとしても、特別の配慮は必要
■児の言うことばそのものより、行動をよく観察して理解に努める (コミュニケーションをことばに頼りすぎると誤解のもと)
■抽象的な常識(対人スキル)だけを教えるのは効果なし
書記化したり図を用いて実際に即した視覚的な説明が必要
■説明や指示の際には、2人称よりも1人称、3人称を用いる
■口頭指示では、声のトーンを抑えて話す(内容に注意が向く)
■対人スキルの般化に努める
■好きで得意なことを伸ばすことが、自己評価を高める
■仲間と交流できる機会を用意する







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