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■“自閉症スペクトラム”という理解の仕方
 今日の“自閉症”、“アスペルガー障害”はこう考えられている
■アスペルガー障害の人々の体験する世界
 乳幼児期、学童期、思春期、青年期、成人期を通して
■“社会性”とはなにか
■“自閉症スペクトラム”を理解するということの意味
 障害理解という視点を越えて
 
定型発達乳児の対人的発達
■生後30分 モノよりも人の顔を目で追う
■生後数時間 顔の部分よりも顔の全体に反応する
■生後36時間 表情を弁別して模倣する
■生後数日 母親の顔を他人の顔から識別する
■生後1年 顔の表情の意味を理解する
 
 
早期徴候に注目した早期診断
Biological marker or Psychological marker
■従来の我が国の1歳半健診
 スクリーニング感度 15% (80年代)
■今日の療育先進地域 70% (横浜市)
■海外で注目されているスクリーニング・ツール
英国 CHAT(Checklist for Autism in Toddlers)
米国 M-CHAT(Modified Checklist for Autism in Toddlers)
 
早期診断の意義
■生涯にわたる支援は、早期診断に始まる
■家族の養育に必要なサポート:
家族の不安軽減・母親の罪責感の解消、
養育相談、自閉症についての心理教育
■ひとりひとりの児の特性にあった環境:
刺激の統制、構造化、児の好みや傾向を把握した遊び環境
児の特性をよく知る:包括的診断評価
 
■一部の自閉症児はみたて遊び・ごっこ遊びをする
●親の回顧的報告 PDD児の1割はごっこ遊びをした (辻井ら、未発表)
●2歳過ぎの親報告 PDD児の約半数が「みたて遊びをする」 (Robins et al., 2001)
●大人が言葉や動作でプロンプトすると、コントロールと同程度にまでみたて遊びをする
(Charman et al., 1997, Jarrold et al., 1996, Lewis et al., 1988)
●一連の手順を繰り返す「コピー能力による」「みせかけ」のみたて・ごっこ遊びである可能性
 
早期発見ツール CHAT(18ヵ月児)
(Baron-Cohen et al, 1992)
■原叙述的指さし(説明の指さし)
 お子さんは、何かに興味を持った時、指さしでおかあさんに伝えようとすることがありますか?
■視線モニター
 おかあさんが部屋の向こう側にあるおもちゃを指でさすと、お子さんはその方向を見ますか?
■みたて遊び
 おもちゃのセットを使ってお茶を入れるごっこ遊びをしますか?
 
実用的早期発見ツール
M-CHAT(2歳前後)
(Robins, et al.)
共同注意
 何かに興味を持った時、指さしでおかあさんに伝えようとすることがありますか?
 おかあさんに見せようとして、モノを渡してくれることがありますか?
 おかあさんが部屋の向こう側にあるおもちゃを指でさすと、その方向を見ますか?
 
M-CHAT 続き
対人反応
 おかあさんが名前を呼ぶと、振り向きますか?
 
対人関係性
 他の子どもに興味を持っていますか?
 おかあさんのすることをまねしようとしますか?
 
社会的参照
 いつもと違うことがあると、おかあさんの反応を確かめるように顔を見ますか?
 







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