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◇九州の人とモノの流れを支えるターミナル
 北九州市の東部、周防灘に面した新門司地区からは、関東・関西方面を結ぶ長距離フェリーが発着しています。現在、阪九フェリー・オーシャン東九フェリー・名門大洋フェリーの3社合わせて1日6便が就航しており、人とモノの流れを支える、九州最大のフェリーターミナルとなっています。
 また、新門司地区は、九州自動車道の新門司ICから2kmの距離にあり、高速道路網へのアクセスが容易です。さまざまな物流関連企業、各種メーカーの立地が相次ぎ、国内有数の物流・産業拠点として、今後もますます発展していくことが期待されます。
 
新門司地区
 
◇2006年3月、新しい空の玄関が誕生〜新北九州空港〜
 ボーダレス社会といわれる今日。人・モノ・情報の交流スピード化、大量輸送が年々進み、航空需要も増大しています。200万人を擁する北九州都市圏においても、関東圏や経済成長の著しいアジアを中心とした航空需要が特に増大しています。しかしながら、圏域内にある現在の北九州空港は、滑走路延長が1,600mと短いため、離発着が可能な飛行機は小型ジェット機に限られています。現在は、東京国際空港(羽田)との間に1日5往復が就航し、年間27万人が利用していますが、多くは、60km離れた福岡空港か、新幹線を利用している状況です。
 
 
 現空港周辺は、海側の一方が干潟となっており、残りの三方は市街化していることから、滑走路を延長することが困難です。そのため、周防灘沖合3kmの海上に、関門航路の増深や北九州港の航路整備などによって発生する浚渫土砂の処分場として人工島を造成し、その用地を活用して新しい空港の整備をおこなっています。
 この新北九州空港は、大型ジェット機の就航が可能な2,500mの滑走路をもつ空港として整備しており、2006年(平成18年)3月に開港する予定です。
 新北九州空港の特長として、浚渫土砂を空港の用地の埋立材料として活用することから、海上空港としては、建設費が非常に安価です。また、沖合3kmに位置する海上空港であるため、陸側の住宅地における航空機騒音の影響が少なく、将来的には24時間供用が可能なことなどがあげられます。
 
 新空港へのアクセスは、福岡県が整備する橋梁形式の片側2車線の連絡道路で結ばれます。また、東九州自動車道の建設も同時に進められており、北九州都心部からは、車で30分程度でアクセスできるようになるなど、利便性の高い空港になります。
 このように、新空港の供用により北九州都市圏の人々の航空交通の利便性が向上するだけでなく、九州東軸の経済に大きな波及効果をもたらすものと期待されています。
 
▼浚渫土砂を活用しているため建設費が安価
 
▼海上空港のため航空機騒音が少ない







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