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(4)ターミナル背後地からの創貨
 
 アジアと日本との間での水平分業が、今後ますます加速する中、アジアに近接し、コンテナターミナルの背後に広大な用地を有する響灘地区では、ロジスティックスセンターや加工組立型産業の立地が期待されている。
 そのような産業の立地を進め、背後地からの創貨を図るため、北九州市では、次のような取組みを行っている。
 
(1)構造改革特区
 特定の地域で規制を緩和・撤廃することによって、経済の活性化を図る「構造改革特区」に、北九州市国際物流特区は全国第一号で認定された。
 同特区では、次の項目について規制緩和を行い、企業立地を促進している。
 
・安価な電力の供給
・通関、検疫体制強化による貿易促進
・産学連携に関する外国人研究者受け入れ
・埋立地の土地利用の柔軟化
 
(2)北九州市独自の支援策
 
ひびきコンテナターミナル全景
 
ヤード上の建築物
 
水深15m岸壁
 
 また、北九州市では、市域の一部を活性化重点区域として定め、重点区域において市の規制の特例措置、助成措置等を進めている。
 
・臨港地区内における構築物建設の規制を緩和する。
・進出する企業に対し、最高で投資額の10%、最大10億円の補助金を交付する。
 
(5)整備進捗状況
 
 国及び市が整備する、防波堤、航路、泊地、水深15m岸壁、水深10m岸壁、ヤード、排水施設、照明塔、臨港道路等については、2005年春の供用開始にむけ順調に整備が進められている。
 HCTが整備する建築物として、現在、管理棟、メンテナンス、受変電所、ゲート等の整備が進められている。また、ガントリークレーン等の荷役機械については来年1月末までに搬入する予定である。
 
6 おわりに
 
 ひびきコンテナターミナルは、サービス水準の向上、取扱貨物量の増大を図ることで、アジアの主要港に負けない国際競争力のあるコンテナ貨物取扱サービスを提供し、国際競争力のあるハブポートとして、北九州港全体の発展ならびに北九州都市圏の経済活性化及び地域再生に貢献することを目指している。
 さらに、ハブポートを形成するだけでなく、背後の広大な用地に国際ハブポートの機能を生かした東アジアの国際物流拠点、またアジアに近接するという地理的優位性を生かした西日本の流通・加工拠点、さらに北九州港の物流拠点としてのポテンシャル、ものづくりの技術や環境産業への先進的な取組みを生かした新産業拠点を形成することを目指している。
 このような「ひびきコンテナターミナル」の来春供用開始は、我が国の港湾の復権を目指して、世界を相手に競争を進めて行く第一歩であると考えている。
 関係者の更なるご支援をいただければ幸いである。
 
北九州空港の利用状況
 
※H3年3月27日から1便で定期便再開(東京便)
※H3年7月20日から2便化
※H10年度 期間限定で3便化(4月〜6月、12月〜3月)
※H12年度 7月14日から3便化
※H13年度 3便化がほぼ通年となる(7月1日〜12日、10月の金〜日のみ2便)
※H14年7月1日から4便化
※H16年11月1日から5便化







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