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私はこう考える【公営競技・ギャンブル】

 事業名 組織運営と事業開発に関する調査研究
 団体名 日本財団(The Nippon Foundation  


1995/03/24 産経新聞夕刊
【打鐘が鳴る】競輪再発見(5)50周年に向け復活の夢
 
 「女性のスポーツへの進出は盛ん。過去の経緯はいろいろあるが、ぜひ女子競輪は復活させるべきだ」
 日本自転車振興会の花岡宗助会長は女子レース再開の夢を語った。
 女子競輪なんてあったのか、と驚く向きもあるかと思うが、戦後直後から十五年間も開催されていた。
 昭和二十三年十一月に福岡・小倉で開かれた日本最初の競輪の際、女子レースはかけ金なしのオープンレースとして行われた。翌二十四年十月、川崎競輪場での秋季全国争覇競輪(日本選手権の前身)で競輪としてスタートした。
 男ばかりのむさ苦しい競輪場に華やかさを添えた女子競輪は、もの珍しさも手伝って人気を集めた。渋谷小夜子選手、畑田美千代選手ら美人の有力選手もそろい、昭和三十年代初頭に全盛期を迎えた。その後、女子競輪は下り坂。「男子に比べて迫力やスピード感に欠ける」「選手の管理が難しい」「欠場が多い」−などが理由だが、最大の原因は、選手間の力の差が歴然としていたこと。
 女子選手の人数はピーク時で六百六十九人。同時期の男子選手の七分の一程度にすぎなかった。層が薄いため勝つ選手はいつも同じ。女子競輪の後期に活躍した田中和子選手は、出場したレースのうち一回を除いてすべて一着となった年もあったという。勝てなかった一回は落車だった。
 「勝つ選手が決まっていればギャンブルにならない。配当がほぼ百円というときもあった。本来売り上げの二五%を受け取る施行者(関係自治体)も、全部配当金として払い戻しては収入が得られない。そんなことが続き、三十年代後半には、こちらから開催をお願いしても施行者がいやがって開いてくれなかった」
 日本自転車振興会の鈴木伸太郎企画部長は当時の状況を説明した。
 結局、三十九年九月八日の名古屋競輪場でのレースを最後に女子競輪は開かれず、翌十月三十一日付で、当時残っていた二百三十人の女子選手の登録を抹消、女子競輪は名実ともに姿を消した。
 その女子競輪復活の声が上がり始めたのが、廃止からほぼ四半世紀過ぎた六十三年ごろから。ねらいは競輪全体のイメージアップ。復活の検討を各方面に促したのは通産省。「男性だけでなく、女性ファンにも競輪を楽しんでもらえる」と渡辺修機械情報産業局長。復活に積極的な花岡会長も通産OB(元貿易局長)だ。
 「昔のことを覚えている関係者はすぐ反対、と言ってくるが、廃止からすでに三十年が経過し、時代も変わってきた」と花岡会長。競輪関係五団体の若手を中心に研究会を発足、現在、女子競輪再開の可能性などについて検討を進めており、今月末にも結論を出す予定だ。
 かりに復活が決まったとしても、選手の募集・養成、施設の整備などに時間を要し、早期再開は困難。関係者の間では「再開するにしても競輪五十周年にあたる平成十年」との声も。女子競輪は五十周年に花を添えられるだろうか。
(原口和久)
 
 
 
 
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